表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Enigma Sisters:The Destroyer (毎週水金日更新)  作者: ひだり
第一章 失敗と経験
15/36

努力


 

 

檻がある

中には人間が何人も収容されていて、彼らの首には刃物のような、鋭い物が当てられている

当てられていると言っても、処刑人のような存在があるわけでは無く、首輪のような物と、刃物のような物がセットになっている。

「大丈夫ですか!?今助けます!」

檻の鍵を撃って壊して、中に入った

「お前のせいだ」

中の人達から、そう言われた。

「な、何か誤解があるみたいですけど、私はこの工場に囚われた人を」

ザクッと、嫌な音が聞えて、視界が真っ青な真っ赤になった

「解放しに……来た……のです……」

何が……あったの?


「ジャックさん!?下がって下さい!」

パープルさんに腕を引っ張られて檻から出る

いや、出されたって方が正しいかも。

「いったい……何が……」

「……首輪が小さなギロチンみたいになってます、そして何らかの条件か、はたまたスイッチのような物があるのかわかりませんが、それが作動してみんな死んじゃいましたね」

これは、私のせい?

「ジャックさん、助けたい気持ちはわかりますけど……何も考えずに突っ込むのは良くないですよ?」

言葉は強くないが、とても責められている気分だ

……いや、責めてくれているのかもしれない

私一人ではこの状況に耐えられない。

 

「すいませんでした」

「別に私はケガしてないけど……周り見た?」

周り……ッッ!!

同じような檻が、幾つもある

ひび割れたコンクリートの壁の隙間から見えている檻にはまた何人もの人間が収容されている

「あっちは子供、あっちは聖人男性でこっちは……」

檻の中の人間は、種類分けされている。

どの人間の首にも、首輪と刃物が付けられている

「あんな物着けられていたら、たまったものではありませんね」

「ジャックさんは気づかない?この不自然さに……さ」

「わかりますよ」

私達の姿が見えているのに、彼らは動こうとも、助けを求めようともしない。

「何故助けを求めないのでしょう……やはり声を上げる事が首輪のトリガーなんでしょうか」


「トリガーはそれだけじゃ無さそうだけど」

「どう言う事ですか?」

「見て」

収容された人々は……なる程

「足が無いんですね」

「それもだけど、ほら、人がいる周りには薄くだけど埃が溜まってる。きっと檻の中で移動する事もトリガーなんだと思うな」

そんな中にズカズカと私は入って行ったのか……

「本当に……申し訳ありませんでした」

「……真面目なジャックさんを励ますつもり半分、諦め半分で言うんだけどさ、どのみち救えなかったわよ?」

「それはどう言う」「考えてみてよ」

「足を切られた何人もの人を助け出す何てムリ、私達が助けられる訳が無いのよ、あの人達は相当血液を抜かれてるみたいだしさ!むしろ良くやったよ、殺してあげたほうが幸せだってば!」

 

……何を言っているんだ

生きていればナニカがある

死んでしまえばナニモないんだぞ!?

「その言い方は関心できません」

「そう言われてもさ、そもそもこの人達が悪いんじゃない?」

「な、何を言うのですか!?」

被害者が悪い?そんな理論はどんな状況においてもまかり通る物ではないでしょ!?

「私やジャックさんなら捕まる事は無かった、でしょ?」

「それはそうです、しかしそれは私達が訓練を受けて努力をし、学び経験を積んできたからです!彼らはそんな訓練など」

「ジャックさんは変な事言うのね」

「変な事ですか?私から見れば変なのは貴女ですよ、パープルさん」

パープルさんはニタニタと、この場所には不似合いな笑いを浮かべている

私はこの人が、苦手かもしれない。

 

「努力と言いましたよね?それが生きるのは赤い血液の人間だけですよね?私達は努力によって強くはなりません、戦おう、強くなろうと言った意思によって強くなります。……なのに努力だなんて……うふふ……本当、愚かな赤い血液の人間みたいですよ?もしかして……まさか……ねぇ?……うふふ」

「経験を積んだり、強くなろうとする意思を積む事は私達にとっての努力です、赤い血液の人間が行う非効率的な努力では無く、私達には、私達なりの努力があるはずです」

「へぇ……そっか……うふふ」

この人、私を疑ってる

「ねぇ血液見せて下さいよ、ジャックさあん」

やっぱり……

「そんな事で争ってる場合ではありません、それよりもこの人達をなんとかしなければ……」

「何とでもなるんでしょ?努力だよね?クスクス」


もーー!!!私この人嫌い!!!何なの?しつこすぎるでしょ!?

それにどんな血液だって人間じゃないか!!え??違うってのか??

バカ言うんじゃありません!ぶっとばしますよ!?

「……助けを呼びましょう」

「呼べるのは蒼くんか祷花さんだけよ、探す?」

「そうですね……一度戻りましょう」

決めた、次からはパープルさんとは組まない!

蒼蓮さんには申し訳ないけれど、私は祷花さんと組みます!

「ジャックさん」

「なんですか?」

「頑張って、努力しましょー!おー!うふふ」

「……戻りましょう」

キー!殺す!いや殺しはしないけど殺す!

青い血液の人間の能力は努力によって向上しない

堕落によって下落もしない。

生まれたときから決まっていて、トレーニングや努力はあくまでもその辛い状況に慣れるための物である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ