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2011/04/01 入学式ってやっぱ親のための行事なんだよね(なお親はきていないもよう)

新連載です。

はい、新連載ですね、別に前のが行き詰まっている訳ではなく。色々あって時間がないために続きを考えてもかけてないだけです。

え?

コレはって?


浮かんできたんだ…許してくれたまえ

 

 制服越しに感じる鋭い刃、それが突き刺さり温かな液体を噴き出しながら転がる謎の緑色オジサン、顔半分にかかった赤い液体を拭いながら振り返って俺は手を差し伸べる。

『大丈夫?怪我はない?』

その返事は怯えた視線と激しく振り払われた手だった。



パリッとノリがついた新品の制服、幼稚園以来のそれはなんだかんだで格好良かった。携帯ゲーム機の電源を切り、充電器に突き刺して階段を降りれば眉がハの字になり涙目の母さんが抱きついてきた。

「ごめんね人吉、休める筈だったんだけど…」

「良いって良いって、なんとか式ってのは親の為のものなんだし寧ろ来れなくて残念だったねw」

「あー、父さん、煽りは良くないと思うゾォー」

既に朝ごはんを食べ終わった父さんがパソコンでニュースを流しながら苦笑い、俺はジワジワとかかる圧力が高くなっていくので苦し笑い、身長150cm童顔で父さんと並ぶとお巡りさんに話しかけられがちな我が母は見かけによらずパワータイプなのだ。

「じんきちぃ〜あんたって子はどうしてそう煽り上手になったのかしらぁ?」

メキメキと締まる腕、それなりに運動してるとはいえ大人と子供、ヤバい!ヤられる!此処は何か適当に褒め称えなければっ!

「きょっ…きょうも…キレイだネ」

しかし締め付けは止まらない、せっかくの制服がガガガ、何故だ!何故効かんっ!

「すまん、それはさっき父さんが使った。」

オノレェ!絶対にゆるざん!弁当のご飯の上に桜でんぶでハートマークを描きちょっと恥ずかしい思いをさせてやる!

俺が呪詛を飛ばしていると不意に締め付けが緩んだ。

「本当にゴメンね、小学校の時もそうだけどちゃんと式に行けなくて…」

「気にしてないよ、それでもなんか悪いと思ってくれてんなら回らない寿司で許してやろう!」

もう一回締められてケツを蹴り飛ばされたがとりあえず赦してもらえた。


「おっと時間か、ママ先に行くよ。」

「はぁい、頑張ってねー!パパー」

朝飯を食いながら夫婦漫才を毎朝見せられるのはなんだかかんだで好きだ。他の家の事を聞くと結構な確率で家庭内が冷え切っててさすが少子高齢化が社会問題になるだけあると思ったものである。

…そして我が母がパパというと如何わしいお店みたいだな。

チュッチュの音が聞こえて少し経ってから階段を降りる音、姉と妹だ。

「はよー」

「おあよーパパいってらっしゃいー」

「おはようー」

「おはよ、2人ともちゃんと寝てるの?ママ心配よー?」

我が姉様は今日もギャルギャルしくて俺っち心配、妹は今日も天使すぎて心配、そして母が混じると三姉妹にしか見えなくて更に心配…っと、もうこんな時間か、この2人起きてくんのおせぇんだよなぁ〜、味噌汁で全てを流し込み大して入っていないバッグをもつ。

「おっす母さん俺ももう行くわ。」

「あらぁ、もうそんな時間ね、本当にゴメンね?」

「だから良いって、んじゃ。」

そう言って俺はドアを開ける。眩しい日差しに桜の花びら、まさに季節は春!別れは終わり出会いの季節だった。

「いってらっしゃーい!」

「いてらー」

「にぃにいってらっしゃい!」

「あいあーい」

…こんな当たり前に次俺が出会うのがどれくらい先か、当たり前というのがどれほどすばら良いものだったのか、これから俺は嫌というほど知ることになった。しかし当然なんだがその時の俺はそんな事考えておらず。今日の夕飯に現れるスーパーの半額寿司は何が入っているか予想していた。



10分ほど自転車を漕いで着いたのはいわゆる普通の区立中学校、はい、インテリじゃないんで中学受験には失敗しております。というか親父殿が突然『中高一貫受けてみようぜ?』とか10月くらいにいってもどうしようもねぇ事言うから受けただけで凹むどころかただただ驚いたわ。

去年まで校舎全部が灰色の幕に覆われておりパッとしなかった印象だったが、『江戸江第一中學校』と刻まれた真新しい校名や美しく整備された桜並木、白く塗りなおされ輝く校舎は正に新天地だった。

「新入生はこちらでーす。」

俺は身長低めの成人女性と縁がありすぎるのだろうか?目の前の門でスーツを着込みいかにも教師ですって感じを出す145くらいの女の人に促され校内へ、係のおじさんやなんやかんやと会う人全てに挨拶しながら自転車を置き、バッグから出した上履きに履き替えて体育館へ…

「デケェ〜」

小学校のそれより二回りは大きい、パクパク口を開けてると後ろから殺気!真剣白刃取りで受け止めると居たのはやはり知り合い。

「おはよう神足、今日もヤベェ運動神経キレキレだな?」

「よっす、光輝はもう少し人を叩くのに躊躇が必要だと俺は思うなぁ!?」

悪りぃ悪りぃと言うけれど毎回こう言う感じなのが光輝、と言うことは…

「光輝ー!…とゴリラか」

「光輝くーん!あ、神足くんもー」

「デゥふふふふ光×神、最高すぐる、女顔な光輝君がマッシブ系ワイルドフツメンの神足くんに組み伏せられて…ンアァー!エクスタシィが鼻から!」

いつもの女子3人組、一名は明らかに光輝への恋慕ではなく光輝が絡む全ての男子と掛け算を楽しむ貴腐人だが実はあれが光輝と一番仲のいいと言うのはほんとうに謎である。

わいわいと春休みや冬休みの思い出を語りながら移動していくと5人とも近い席に座ることになり、周りを見れば結構な数の知り合いがいた。

「学校毎って感じか?」

「そうみたいだね。」

幼馴染4人組というラブコメみたいだが、俺は勿論幼馴染じゃないし、当たり前だが光輝のことが好き(性的に)というわけでも無い…いや、まぁ確かに女顔なこいつが女装した時はちょっとドキッとしたが…いっときの気の迷いである(大本営発表)、このグループは俺のいた小学校でもかなりの上位カーストで此処にいれば色んな奴と友達になれると思って小学校4年くらいからの付き合いだ。他にもいっぱい知り合いがいるので挨拶したりちょっとした情報交換をしていく。

席に戻ると光輝君が寄ってくる。…何故かシャンプーの良い匂いがするがこいつは女顔なだけで男だ。バレンタインにチョコをくれたりするが男である。

「どう?」

光輝は目配せをしてくる。勿論、俺がこのグループにいるために色々とやっていることはある。それがコレ。

「ああ、此処にはお前の探してるハーフの子は居ないらしいな」

「そっか…」

「まぁ気を落とすにはまだはえぇよ、どうやら春休み中にそいつを見たってやつが居た。」

「まじ!?」

「マジマジ、確か場所は…」

俺はこのグループに混じる際、広い交友関係からこいつが誰かを探しているという情報を掴んでいた。俺は其処からそいつを探すのに協力し始め、遊びにいったり、家に行ったりとしてきた訳だ。マジで大変だがなんだか探偵みたいで俺は好きだ。お陰で周りからは『ラブコメのお助けキャラ』やら『俺の聞いた話では…から会話が始まるランキング一位』とかもっと単純なので行けば『脳筋情報屋』とか色々と言われている。まぁ良くも悪くもこのあだ名も他校のやつから話が聞けたりして役に立っている。

「「静粛に〜」」

「おっと…もう始まるみたいだな」

「っぐ、また後で聞かせてくれよ?」

壇上に立ったのは…此処の校長、確か…西園寺、西園寺ユウトだかユウマだか、光輝の取り巻きで俺のことをゴリラ呼ばわりするお嬢様の親父だった筈だ。色々ときな臭い噂も聞くが…まぁ金持ちで権力者ってのは確かだ。周りを見ればもう既に入場は終わっており、観覧席も満員御礼、カメラもビデオもバチバチのキラキラだ。

式が始まる。音がだんだんと消えていき…


ぐら…


「ん?」

何か可笑しい、今地面が揺れたような?見れば壇上の校長も周りを見ているし、教師も何かに気がついた。しかしそれは既に手遅れな状態まで来ていたのだった。

ッフと、照明も窓から入っていたはずの明かりも、光と呼べる全てが消え突然すぎる暗闇にまず俺たち児童の動揺が大きくなった。

「不味いな、停電か?」

「けど外まで暗くなってる。これは一体…」

次の瞬間、おぞましい何か恐ろしいもののけたたましい叫びのような、魂の奥底を掴んで離さないような寒気が、そして天地がひっくり返るようにさえ感じる縦揺れが発生した。

できるだけ毎週投稿したいね、毎日?前やったけど今の生活リズムじゃムリねぇー

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