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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

召喚勇者は依存性?

作者: まーすけ

合わない場合はすみやかにブラウザバックしてください、作者豆腐メンタルにつき無言でよろしくお願いします。

心筋梗塞を起こして私は死んだはずだった、

なのに今目の前には白い装束を着たご老人と某魔法使いが着ているようなローブの方達に囲まれている。そのさらに外側には帯剣している騎士とおぼしき方々、そっと目を床にそらせば梵字のような不可思議な円が描かれていた。これは使い捨て召喚かもしれない、某ライトノベルで成り上がりや幸せに余生を送れる召喚者もいる中で役目が終わった後殺される者も少なくないはず…終わったな、私。


《召喚者サイド》

この世界では数百年に一度魔王が覚醒し、神託が降り勇者召喚の儀が行われる。昔からある程度魔物を狩ることは出来ても何故か魔王だけは召喚勇者しか倒せない。召喚された勇者が神のご意向にそぐわない場合、裁きの雷により灰塵と化し新たに勇者召喚の儀が行われる。勿論、召喚勇者が無事魔王を倒した場合私達も役目を終えたとされ絶命する。

それにしても、近代の召喚勇者様は胸元までしか背がなく手も身体もかなりふくよかでおよそ労働や戦いとは無縁な環境で育たれた様だ。幼子とはいえ、育成にかなり骨が折れるであろう。

さて、素直なご気性であれば良いが。



《勇者サイド》

結論、やはり異世界召喚で元の世界には帰れない一方通行でした。意外だったのが、この国の王族と呼ばれる方々が若き日の天皇・皇后両陛下を思わせるような雰囲気で物腰が柔らかく、その分脇を固める宰相や官僚の方々が威圧感たっぷりのタヌキ様って感じでした。そして私、今そんな方々に遠巻きに囲まれて王様の目の前で土下座しています。いわゆる平伏です。つむじやら背中やらに痛いほど視線を感じますが、正直足の痺れが限界です。王様に顔を上げよと言われ視線を胸元の辺りに定めます、不敬に当たらないよね?宰相様曰く、騎士団の訓練の後魔王討伐に行くこと、国として金銭や人材など協力を惜しまないこと、他国の入国フリーポスポートの付与(いわゆる身分証になる)など。謁見後、しばらく足の痺れで立てなくなり、先ほどの 白い装束のご老人、先代の神官長様に回復魔法をかけて頂き 同じく帯剣されてるやはり騎士の方々に引き渡されました。

軽く準備運動してからの走り込み、正直いって5分も持たず息切れを起こし肺が焼ききれそうでした。そこからの神官長様の回復魔法により更に走り込みの繰り返し…血へどや涙の垂れ流しの後、騎士の方々による組み手やら素振りやら詰め込まれ、倒れそうになる度に回復魔法により日暮れまで繰り返しでした。痛いし、恐いし、痛いし、しんどいのに私の身体はまだ動ける、もっと先へと生きたがるのです。…これはチートでしょうか?

その晩、魔法師の方々から血豆や擦り傷、切り傷に効く軟膏を頂きました。ありがとうございます。

ちなみに魔法師とは、付与魔法や薬師に特化した方だそうです。



あれから魔王討伐の旅に立ちました。

メンバーは私(勇者)、先代神官長、付与魔法師、薬師魔法師、元騎士団長、元副騎士団長、最後にスーパー管理人様の7名、この最後に参加された管理人様がヤバい。一番年若なのに全員の胃袋とライフラインをがっちり掴まれてる。今すぐ洗濯物出します、お風呂行ってきます、イエス、マム。笑顔が恐いです。


ああ、懐かしいな…初めて魔物を倒した時吐いて吐きまくって倒れるまで団長達に稽古つけてもらって、神官長に説法されたっけ。それからレベル上がっても私は物理攻撃特化で回避や防御下手くそでいつも「脳筋勇者」って怒りながらも付与魔法でリカバーしてくれたよね。 擦り傷、切り傷、打撲にポーション酔いでハイテンションになった時もお世話になりました。泣きながらの手当てが静かな手当てになったのが一番堪えました。




「ああ、楽しいな魔王。生きてるよな」

「いい加減、くたばれバトルジャンキーが」



魔王の攻撃がスローに見える、血塗れで痛みも恐怖も突破した…ただただ楽しいんだ

互いの心臓が見える。少しずれた魔王の攻撃に合わせ相討ちに持ち込む。


「今だ、私ごと貫け!!!!」




ごめん、末姫様。いつも清潔な衣服、美味しい料理、温かいお風呂、快適な寝床 をありがとう

面倒な雑務も引き受けてくれてありがとう

貴女のおかげで戦いに行けた

貴女のおかげで生きて戻ろうと思った

最後に管理人様の「お帰りなさい」

聞けそうもないや



…神様、今度は生きれましたか?

ここまでお読みくださってありがとうございます。「私」の持たされた能力は身体強化でした。判りにくかったらすみません、管理人様こと末姫様です。

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