Act -2
いわゆる回想編ですね。
実はこれ、ストーリーの軸は決めてても、ほぼ思いつきで書いてます。
夢の中のはずなのに、リアルな感覚がある。しかも昼。ずっと感情と人、外を嫌っていた私にとっては、久しぶりの「風」だった。なんだか心地よい。知らない草原のど真ん中なのに、不思議と安心できる。感情など忘れてゲームばかりしていた私は、久しぶりに幸福を感じた。その場で寝転がってみる。夢の中なのに、このまま眠ってしまいそうだ。
しばらくそうしていた。
彼は突然現れた。
「いいだろう、この場所は。僕のお気に入りなんだ。」
見た目はちょうど20歳くらいであろう青年が声をかけてきた。
突然のことに、私は飛び上がる。
「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「おや、驚かせちゃったかな?」
飛び上がってみて、初めて気づく。
体が軽い。
そのままスッと着地し、深呼吸。恐らく彼は、敵ではない。そう感じさせる何かがあった気がする。勇気を出して、一言。
「あ、あぁあのぉ…」
…なんか変な感じになった!
「…君、そんなに感情を我慢してたら体に悪いよ?ほら。」
そう言って私の肩に手を置いてきた。驚いたけど、なんだか落ち着く感じだった。そして、
鎖が取れたような。
もう一度、話してみる。
「えぇと、そのぉ…」
「なーんだ、コミュ障は元からか!」
ハッハッハと笑う彼をみて、なんだかおかしくなってきた。
「…へへっ」
「お、笑った?今笑ったね?」
「笑ってないよ!そっちもずっと笑ってるじゃん‼︎」
「そりゃそうさ、何せ僕はプラスの『感情』の神様だよ!これでも結構偉いんだよ?」
…神。そういえばさっきからありえないこと続きだ。でも。
それを割り切れるくらい、ここが気に入った。
「君、心を許せばよくしゃべるんだね。いいよ、話し相手がいるのは大事なことさ。人間、感情が全てみたいなもんだからね。」
…なんだか、大事なことを言われたみたいだ。
「僕はフェルミウス。さっきも言った通り、そこそこなランクの『感情』の神様さ。」
「…私はフロウ。もう少しここに滞在するかもしれないから、よろしく!」
「フロウ、だね。可愛いダイバーさん、ようこそ、"ユオの世界"へ‼︎」
そのあとはカウンセリングと言う名のたわいもない会話をして、私は目が覚めた。
『ユオの世界』。私はついに、自分のいるべき場所を見つけられたようだ。
その日は、昨日より30分早く寝た。
読んでいただきありがとうございました!もっと文章の質を上げて、より上を目指していこうと思います。今後もよろしくお願いします。