親友さんとの邂逅とご褒‥ビンタ
そして、放課後。
俺は屋上に一人寂しく佇んでいた。
手には七瀬がチョイスした菓子折を持っている。
七瀬がチョイスしたセンベイが果たして女子高生に受けるのかかなり疑問なんだけど、これは彼女にお願いした俺が悪かったのかもしれない。
なぜなら、彼女は洋菓子より断然和菓子派だ。
そして、購買に売っている和菓子の菓子折りのラインナップはセンベイしかなかったんだ。
まぁ、当初買おうとしたフィナンシェとの差額で七瀬にミサンガをお礼として買ってあげたが、物凄く喜んでいた。前から欲しかったものなのだろうか?
屋上の扉が開き、女の子が入ってくる。
現れたのは2人の女の子だ。
「分身だと?」
と一瞬つぶやいたけど、もちろん2人は全然似ていなかった。
やはり、そのうち1人は氷結姫だった。
もう1人はポニーテールで勝気そうな瞳。全体的に引き締まった肉体のスポーツ少女だ。彼女も美少女だが、どちらかというと女の子にモテそうなタイプだ。きっと彼女が氷結姫の唯一の友達なのだろう?
2人が俺の前に来ると、スポーツ少女が口を開いた。
「私の大好きな親友の純情を誑かそうとしているのはそこの君かい?」
「これ、つまらないものですが一生懸命選びました。貰ってください。」
俺は彼女の訳のわからない言いがかりは無視して、微笑みを浮かべながらスポーツ少女に菓子折を差し出した。
これでミッション達成だ。
氷結姫に友達が少なくてよかったよ。
友達100人とか居たらお金が全然足りないとこだった。
俺はホッとして全身からテカ、なぜか一瞬の衝撃の後、左の頰が急に熱くなった。
なにが起こったかわからなかったが、数瞬後に事態に気づいた。
スポーツ少女が俺の左頬に平手打ちしたのだった。俺は訳が分からず、呆然としていた。
チョイチョイ話に七瀬葵が出てきますが、まだ台詞等は一切無しです。その内登場させますので忘れないでやって下さい。