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○時だよ、全員集合〜


翌日11時半。俺はジョバンニ像の前でリョウスケと対面していた。


何故だかどんよりした雲がこれからの合コンの行方を占っているかのようで、少し気分が滅入った。


「リョウスケ、お待たせ。ファミレス行こうぜ。」



「シンヤ、ジャケットなんて持ってたんだね。意外とちゃんとした格好なんで驚いたよ。」

リョウスケは俺を一目見て感心したように呟いた。


でも、その驚きかたもどうかと思うぞ、まるで俺が年中スエットかジャージで過ごしてるみたいじゃないか?



「葵にメッセージで教えてもらったんだよ。ミナに相談しようとしたら逃げられちゃったからな。」

俺は正直に告白した。

どうせ、付き合いの長いリョウスケには嘘がバレてしまうし。


「相変わらずミナちゃんと仲が悪いんだね。まぁ、ミナちゃんは仲良しさんだからね。」


「なんで仲良しさんなんてこと関係してくるんだ?」


「いや、だって、、、合コン行くって言ったんでしょ?」

なんだか話の流れがよく分からなくなってきた。


「そら言うよ。だって、言わないと服装なんて選べないだろ?」


「いや、そうじゃなくて、、、あぁ、でも、言えないし…とにかく、俺だってシンヤには合コンに来て欲しくはなかったんだよ。」


「…そうか。リョウスケが…」

ウソだろ?まさかリョウスケって俺に気があるのか?確かにリョウスケが女の子なら美形だし、性格もいいし、葵と違って料理もうまいし…ヤバイ、理想の嫁だ。


ダメだ、、俺にそっちの気はないからな。

でも、リョウスケはどうなんだろうか?


あんなにモテるのに彼女が居る様子は全くないよな。


「リョウスケ、お前、好きなやついるのか?」

俺はなるべく慎重に遠いところから質問してみた。


「えっ、まさか勘付いて、、、まぁ、居るけどね。まぁ、好きになっちゃいけない相手なんだ。」

リョウスケはそう言って俯く。心なしか少し頰が朱に染まっている気がする。

それってもしかして好きなのが俺だからとか?



「それって好きなのが教師とか?親友の好きな人とか?それとも、もしかして俺、、、、の妹のことが好きとか?」

もちろん、『俺』の後に間をあけたのはリョウスケの反応を見るためだ。このタイミングでリョウスケが反応してしまうと完全にダウトだ。



「そんなわけないよ。シンヤは相変わらず突拍子もないことを思いつくね。まぁ、ここは秘密にしてくれないかな?」

例のタイミングで反応しなかったものの、なぜかリョウスケの顔はますます赤くなってしまう。


やっぱり、リョウスケって俺のこと???


こっ、これ以上追及しても誰も幸せになれない気がしたので臭いものに蓋をするような気持ちで、そのまま迷宮入りにすることにした。



「まぁ、別に構わないよ。それより、教えてくれ。合コンってどうすればいいんだ?」

そう、リョウスケの恋バナを聞くために早く集合した訳じゃないんだよ。


「皆んなで楽しくお話しするだけだから、肩の力抜きなよ。」

そう言ってリョウスケは微笑んだ。


そう。リョウスケは誰と話しても朗らかで、合コンだからと言って変なノリになるつもりなどないらしい。



「そうなのか?じゃあ王様ゲームにはどうやってもっていけばいいんだ?」


「えっ、あ〜っ、今回はそんな会にならないような気がするけどね。したければ言えばいいと思うよ。ドンびかれるかもしれないけどね」



「えっ?合コンと言えば王様ゲームじゃないのか?ちぇっ。楽しみにしてたし、王様の命令色々考えてたんだけどな」

俺は思わず舌打ちしてしまった。

舌打ちなんて何年ぶりだろうな。



「…ちなみに、どんなの考えて来たの?」



「聞いて驚くなよ。『AがBの手を握る』だ。」


「…意外とピュアな命令で安心したよ。あんまり過激な命令ならどうしようと思ったよ。水無月先輩に申し訳ないし。」


「えっ?あれ、もうちょっと過激なやつの方がよかったか?『AがBにあーんする』とかもありなのか?」


「いや、、それは過激とは方向性は違うけど照れそうだね。」



「ところで、今日はどんな女の子が来るんだ?」


「ウチの一個上の学年に水無月先輩っていうギャルっぽい人が居るんだけど、その人の同級生とか知り合いを集めてくれたんだよ。ちなみに全員カワイイって」

…女の子のカワイイはあんまりアテにならないと聞いたこともあるけど、せっかくの合コンだ。

カワイくてもそうじゃなくても楽しむことにしよう。


それによく考えたら俺はそんなに女の子の容姿にこだわらないからな。


まぁ、以前好きになった葵は客観的に見ても相当カワイイ部類に入るから説得力が無いかもしれないが、どちらかというと性格や相性の方が大事だと考えている。


「そっか、全員年上なんだな?ところで、そろそろ行くか?」


そう言ってカラオケに集合するのだった。





なんなんだ、これ?

なんなんだよ?


集まってカラオケのルームに入って着席したのだが、俺はまだ混乱がおさまらなかった。


目の前にいるのは水無月コトハさん。

リョウスケが言っていたギャルの先輩だ。


服装は肩出しのピンクのカットソーで、デニムのミニを履いており、頭にはグレーのハットをかぶっていた。


まぁ、この人は別にいいんだよ。



その右隣に居るワンピースに眼鏡の齋藤アヤ先輩。

清楚系っていうのかな?



まぁ、その人もいいんだよ。

水無月先輩の左隣、どう見てもマリたんだ。

そして、その更に左隣が、、、氷結姫だった。


更に、こちらはレンヤ、俺、リョウスケ、、、上下、黒のスエット、サングラスにマスクにニット帽の怪しい男。の4人だった。


あの男、コンビニへ何か買い出しに行かせたら、強盗と間違われそうな服装をしている。


俺は不安と不安に胸を膨らませ、合コンが始まるのだった。


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