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2人で下校7日目 神埼刹那視点

本日も連続投稿です。

お楽しみに

シンヤ君と付き合って8日目。


彼との下校7回目を祝福するかのような真っ青な空を見上げながら私は時間が早く過ぎるように祈っていました。

帰りのホームルームが終わればシンヤ君にまた会えると思うとなんだか落ち着かないんです。



「終わったよぉ。いつまで空見てんの?あ〜、土曜日の昼にウチとお出かけするから予定空けといて。あっ、メイドちゃんも一緒にきてほしいんだけど。てゆーかぁ、凛には断られたんだよ。ヒドくない?」

そう、友達のコトハに声をかけてられて私は急いで立ち上がる…ところを止められました。


コトハはぎゃるさんらしいのですが、私に無いものをたくさん持っています。

例えば友達はたくさんいるし、すごく明るくてステキな女の子です。


私は教室ではコトハと凛しか友達が居ないので必然的に3人で一緒に居ることが多いです。


でも、恋愛話はコトハが私や凛の10歩も20歩も先なので、相談しても全く噛み合わないのがちょっと悲しかったりします。


土曜日ですか?


「17時からクラシックバレエのレッスンがあるので、夕方までなら時間がありますけど、どうしたんですか?」

私は首を傾げて問いかけましたが、


「なら、決まり。キャンセルは受け付けないみたいな〜。後で詳しくLIONしとく〜」

コトハはそれには答えず、私より先に教室を出て行ってしまいました。




それからいつものようにシンヤ君と手を繋いで校門を出る時、また、彼が舌打ちする音が聞こえました。


シンヤ君はここ数日毎日必ず舌打ちするのです。

もしかしたら、一緒に帰って楽しいのは私だけで彼はイライラしていたのかもしれません。


舌打ち以外は全然そんな素振りはなかったのですけど…もしかしたら、私が見逃していただけなのかもしれません。


いつも通り、しばらく無言で歩きましたけど、私は今日に限って彼の舌打ちの音が耳に残ってなんだか落ち着きませんでした。


チラッと彼を覗き見ると、シンヤ君は心ここにあらずといった表情をしていました。


私はなぜだか嫌な予感がして思わず訪ねてしまいました。

「どうしたの?」


「いや、そう言えば先輩。こんな所(ご家族に)見られたら勘違いされて、言い訳大変そうな気がして頭が痛いんですけど。」

付き合い始めですから、色々憶測をうんでしまうかもしれません。

だから、お母様にはちゃんとお話ししてます。

ついでにマリにも。

万事抜かりなしです!


「えぇ、ちゃんとお話してますから心配しなくても大丈夫ですよ。」


しかし、シンヤ君がそこで私を褒めてくれるかと言えばそんなことはありませんでした。


「ところで俺もこの7日間ずっと考えていた話があるんだけど」

彼は覚悟を決めたような真っ直ぐな目で私を見つめてそう話をきりだしました。


「どうしたんですか?」

私は不安に駆られながらも話の続きを促す。


あの舌打ちが耳から離れません。

そう、きっと別れ話です。




「ずっと考えてたんだけど、改めて言うな。ごめんなさい」

私の予想と違わず、シンヤ君は別れ話を切り出したのですが



「えっ?‥‥‥嘘‥‥?そんな話、聞きたくない」

私はその事実を認めたくなくて…その場から逃げ出してしまいました。



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