ホラーなあの娘
いきなり連続更新しましたけど、ほとんどパクリなので実は書く速度は早いです。
あっ、パクリと言っても自分の前作ですが、ブクマ7件も頂いていたのですが、両想いになると死ぬという無理筋の設定がたたり、続きがかけなくなってしまいました。
家に帰るとベッドに飛び込んだ。
今日は本当に疲れたよ。スポーツさんには勘違いされるし、自称美少女さんには付きまとわれるしね。まぁ、もうこんな悲惨な日は二度と来ないだろう。
寝苦しい夜だったが、よっぽど疲れていたようですぐに深い眠りにつくことができた。
お陰で目覚めがよい朝だったよ。
朝のニュースの占いは山羊座が一位だったしね。『待ち人来たる』だって?
ウキウキ気分でご飯も三杯おかわりして、鼻唄まじりで玄関をでると、、、
メイド服を着た、自称美少女が立っていた。
栗色の髪を後ろに束ねているため、性格を知らないなら間違いなく清楚に見えてしまう。
しかし昨日の行動を思い出す限りは、間違いなく自称美少女さんは頭がオカシイに違いない。
取り敢えず、話しかけない訳にもいかないか?
「えっと、自称美少女さん。こんなところで何をしてるの?もしかして、道に迷った?迷ったなら交番に連れてってあげようか?いや、、それより交番から迎えを呼んで連れてってもらった方が早いか?」
そう話しかけながら、俺はカバンからスマホを取り出して110しようとすると、スマホを取り上げられた。
「ちょっと、、何ドサクサに紛れて110しようとしてるんですですか?こんな美少女に迎えに来てもらえるなんて、男子高校生の夢でしょでしょ?」
いや、こんな不審人物に待ち伏せされたら朝から憂鬱な気分になるのだが。
「えっと、家の電話で110でもかけよっかな」
俺が踵を返して家の中に入ってドアを閉めようとすると、隙間に自称美少女の足が入れられた。
「よし、今から思いっきり閉めるからな。足が折れたら運が悪かったと思って諦めるんだな。3、2、1‥なんだ、足を引っ込めちゃったのか?それじゃあ、さよなら」
俺が閉めるフリで脅すと彼女は足を引っ込めたので、俺は静かにドアを閉めた。
俺は警察には電話せずに裏口からそっと家をでた。
遅刻はイヤだからな。
俺はダッシュして学校に向かう。しかし、一つ目の曲がり角で人とぶつかってしまった。
「だ、大丈夫か?怪我はな、、、ウソだろ?」
そう、信じたくはないが目の前には転んでパンツが丸見えになっているメイド服の少女が居た。
「みぃたぁ〜なぁ〜?」
いや、なんでホラーな雰囲気を醸し出してんだよ。
そこはむしろ、恥ずかしがったりするところじゃ?
「いや、クマさんなんて見てないから早く立ちなよ。」
そう言って自称美少女のメイドさんに手を差し出して立たせると、俺はダッシュして逃げた。
‥なんとか遅刻せずに間に合った。
俺が教室の中に入ると、なぜか葵と目があった。
「おはよう、シンヤ。どうしたの?ヒドイ顔してるよ」
葵は俺の顔を見るなり、駆け寄ってきて俺を自然にディスった。顔がヒドイのは元からだよ。
まぁ、それは置いておいても『いや、ちょっとストーカーに会って。』とか言えないよな?
「まぁ、言いたくない事なら別に構わないけど。言いたくなったらいつでも言っていいからね。まぁ、聞くかどうかは分からないけど」
葵は俺の目を覗き込むと、気遣うような、慈しむような表情で口を開いた。
そう、なんだかんだ言って葵は優しい。だから、勘違いしてしまいそうになるんだけど、『そんなくだらないこと』考えてると葵に軽蔑されそうだ。
「いや、ありがとう葵。なら、相談に乗ってもらっていいか?」
俺は素直にお礼をいった。
「別に構わないわ。」
「実は、ちょっと今ストーカにあっているんだけど、どうしたら追い払えるかな?」
「ちょっと予想外な展開でアタマが追っつかないけどまず確認ね。そのストーカーっていうのはシンヤの妄想じゃなくて?」
葵は『してやったり。』といった表情で言ってくれたら良かったんだけど、残念ながら真剣な顔で俺を覗き込む。
「いや、妄想ではなく、メイド服を着た美少女だよ。」
「もぅ、ひとが真面目に聞いてるのにふざけるのはやめてくれない?」
少し睨んだ葵はちょっと怖かった。
いや、ウソです。
かなり怖かったよ。
「もぅ、ふざけてないって。昨日の放課後にメイド服を着た娘とぶつかったんだ。」
「からかってごめんなさい。橋本、体調わるかったんだ?どうする?保健室いく?」
いや、気が触れたわけじゃないからな。
「本気で心配されたらされたでなんか凹むんだけど、取り敢えず大丈夫だから」
一生懸命、自分のマトモさ加減をアピールすると
「そぅ、ならいいけど」
葵はそう言って、渋々納得してくれたが、完全に話を流されてしまったよ。
「ところで、今日も先輩と一緒に帰るの?」
葵は気になっていたのか食い気味で聞いてきた。他人事だと思って楽しんでるな。
「いや、氷結姫様がご要望とあれば火の中水の中へお供‥するしかないからなぁ、ちょっと心が折れそうだけど」
俺は言いながら落ち込んできたよ。
「あはは。でも、ほんとに困ったことがあったら葵母さんに言うのよ。聞くだけは聞いてあげるから」
しかし、葵は俺を元気付けるようにそんな事を言うのだ。しかも、葵は聞くだけとか言うが大抵の場合は結局葵自身が動いてくれたりすることがほとんどだ。ホントにいい奴なんだよ。
また、中学時代みたいに俺に気があるんじゃないか?なんて勘違いしそうになるな。
「おおぅ、葵、いつも悪いな。あっ、先生が来たな。」
俺は思わず『娘に迷惑をかけている病気のおっかつぁん』みたいな返事をしてしまった。
そうこうしているうちに朝のHRが始まってしまった。




