見た目で判断してはいけない。
作品の評価関係なく、全話に挿絵がほしい欲望にいる筆者(^_^;)
いや、文章と内容も頑張ってますが。
金を寄こせだと……。僕の今月で自由になる額を考える。
8356円。なかなかにいいと思う。学生としては。だって、親や、上の兄さんの羽振りといったら桁が違う。僕にしてはこの額を自由に使えるお金は大切。必要経費ではないからね。自由に使えるお金だからね。
「ひょほほほ。8356円だすの」
もとは絶世の美女だが、今は厚化粧の化け物。僕は、その見た目からでも怒りを覚えた。逆に連れにいる、もと最強にして狂犬、駄犬が変貌した美少女フランダンスを見て心を落ち着かせる。
「やだ、お兄様ったら」
「いや、君の方が長く生きているよね」
神と呼んでもいい存在で混沌とした世界から君は生きていたよね?
でも、まあ、二人、並べばそういう兄妹関係の構図にも見えなくないかな。だけど、僕はかなりのチビで幼く見られるよ。不釣り合い。
それとは関係なくブサイクモードの尻益先生は語ってくる。
「いや~僕の世話になっている村でね。飢饉がおきてね。助けてやろうというわけさ。8356円分のネギパーティで飢えは凌げるんだよね」
ネギで? 大丈夫なの?
「疑問の顔だね。ネギは万能のエリクサーなんだよ。満だって、事故で体が半壊したときにネギに助けられたことを覚えているよね」
い、いや、そんなことあったの? 僕は怖いことを知っただけではならないだろうか。尻益先生は、はったりを好まないからね。
「まあ、いいや。人間て口実を作らないと動かないからね。今回の首謀者は僕だよ」
「我空の姿をしたωさんのこと?」
「やーん、私。騒動を起こすなんて罪な私」
そのまま同意だよ。話がややこしくなるので僕は喋る。誰のペースにものらない。
だけど……。
『ほお、満の師匠はやっぱり凄いひとだねぇ』
「エア子さん、今はそれどころじゃないから、お口にチャック」
『あいよー! むぐぐぐぐ』
肉体のないエア子さんにお口はないだろうけど。じゃあ、どこから声をだしているんだろうね。不思議。いかん、いかん、思考を脱線してしまうところだったよ。
「しかし、相変わらず僕の懐具合がわかりますね」
「私財は投げ捨てても、自分の狭い井戸に転がっているものだよ。知識を超えることが本当に満ち足りているって教えたくてね。でも、意味なんてわからなくていいよ。でさ、我空君の異変は我空くんだけかな?」
そうか! 僕は異変した我空ばかり気にしていた。ωさん本体は? 僕は慌てて外にでる。タヌキさんと多分エア子さんも僕に続く。
ωさん本体はどこにいるのだろうか? 迷いながら探したところ一つの奇妙な鳴き声が聴こえた。
「あひ~ん」
犬の鳴き声だとは思う。しかし、こんな声で鳴く犬などいるだろうか?
「あひ~ん」
『おやおや。変わった犬の鳴き声だねぇ~』
「エア子さんもそう想う」
「そうさね」
だよね。そして、僕達は異様な物体と遭遇する。
「ちっ」
やさぐれたωさん。
「あへ。あへ」
なんだか、いやらしい相貌の犬。形容するならなんだかいっちゃいましたって感じの犬がωさんと散歩していた。
「何、あれ?」
『さ、さあな』
「さあ、なのじゃ」
タヌキさん、エア子さんは見当つかず。しかし、今は我空の体になっているωさんだけは気付いた。というよりわかりきっていることなのだろうね。
「アフ☆ 今日はちょっと元気ないね。ごめんね。世界一の美少女が相手じゃなくて」
「て、てめえ。俺だと役不足と言いてえのか?」
激高。今までのωさんが見せない表情をみせる我空。中身は我空だよね。
「そんなことないよ。ふーちゃん。ふーちゃんと出会って今が一番キラキラしている」
「てめえの体だろうが。俺の本体はどうでもいいのか!」
「うーんうん違うよ。ふーちゃんの体は私という精神を得てより一層輝いている」
「結局はてめえ自身だけを褒めているだけだろうが」
「え? しょうがないよね。私はミラクルガール☆だから」
『いや~こいつらのやり取りも面白いな。お似合いっていうのか』
「エア子さん、楽しまないで」
いや、この珍事は関係のないこそ、知り合いのやりとりって面白のかな。ところで、いっちゃいましたって感じの犬をアへ犬と名付けました。本当は。あ、ア? アフっていう犬なんだけどね。見た目のいやらしさよりかは大人しい感じがした。
しかし、本当の御主人をみつけて忠犬というより、大好きな飼い主に抱きつく。リードを引っ張ってはずして。
「あっ、てめえ」
と、いいながらωさんの肉体である我空はホッとしていた。優しさより解放感が高いだろう。馬鹿にはしない。僕も同じ立場ならその程度だろう。
しかし、我空の肉体でωさん精神たる犬と人間の触れ合いはちょっと異様だった。悪くないんだ。悪くないんだ!
いっちゃいましたって感じの犬がペロペロと舐める。ぶっきらぼうな男が緩くなって気持ちよく舐めまくっている。犬と少年が絡んでいる。
「地獄絵図?」
『こらー! 満。失礼なこというな。愛だぞ。忠犬ハチ公や西郷さんだぞ』
西郷さんの愛犬の名前って何なんだっけ? ググらないよ。
「なんだか、不思議だね」
「じゃの~」
僕とタヌキさんは初めて心が通い合ったきがした。よそに助けを求める奴がいる。まあ、わかるけど。
「それ、俺の体なんだぞ。どうにかしろよ」
アへ犬は、ラッキースケベをする犬ではないような気がする。ので放置。見た目で判断してはいけません。
「うむ、しばらくこのような感動的な場面を見なかったきがするぞい」
「タヌキさん、僕も同感だよ。エア子さんもでしょ?」
「だな」
「おい! 俺を助けろよ!」
我空程度、ちっぽけな魂を気にしないでね。愛は無限大。
はて、ところで僕はなにをしようとしていたんだろう? ま、いいか。
遠くで『ひょほほほ』と奇怪な笑い声が木霊している。めでたし、めでたし。では、いけないんだろうね。
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次の話から執筆スタイル変えていく予定です。
たぶん、遅筆なので遅くなるかと思いますが、文章量は少なめにしていきます。




