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失っても、求めても、変わらないものはある。

ここから、急展開でみそだね。う~ん、むずかしい(^_^;)

 校内に数ヶ所存在する中庭の一つ。用務員かつ庭師のおじさんや園芸部などの頑張りもあって、どこもかしこも緑や花があり小洒落ている。しかし、僕は利用しない。だって人が集まりやすいから。


ここで例えばボッチ飯やら黄昏たり暇つぶしなんぞやらない。気が疲れる。場所はとてもいい空間なのにね。


「先輩! 卑屈な顔をしないで下さい」


「え? 顔に出ているの?」


(みお)(みちる)先輩はもともとから卑屈なフェイスに固定されているのよ」


 それは、あまりにひどい言い方だよ。そして、何故にここにいる桃萌(ももも)さん。


『満フェイスは卑屈顔。的は得ているな』


 エア子さんまで、納得しないでね。傷心で耐えられません。


 今朝出会ったけど前からの知り合いみたいで僕が覚えられないだけで初めての顔じゃないらしい。それとは関係なくデジャブ感が起きる。何を思い出そうとしているのだろうか? 僕は。


 僕の脳は常に正常な状態じゃないから目につく物すべてがデジャブに感じたりすることもあるけどね。そして、重要なことを引き起こすわけではない。

 

 だから、嫌な予感がするのは気のせい?


「桃萌がなんでここにいるの? あなたには用はないわ」

 

 どうやら、この二人は中が良くないみたい。怖いから表面的だけでも仲良くしてね。

 

「先輩とはいつも一緒よ」

 

「僕は拒否する」

 

 僕は真っ向から否定する。本当のことだから。

 

「先輩、私と一日付き合いするって約束したじゃない」

 

「してない、してない」

 

「よくわからないけど……桃萌、先輩を部活動として借りるね」

 

「どんな用事か知らないけど、そんなの私の兄に押し付ければいいじゃない? 部長? なんだし」

 

「さっきまで寝込んでいた人に頼みごとはちょっと……」

 

「なんだとコラ! 俺だと役不足だとでも?」

 

 多分そうだよ。僕も同じだけどね。

 

「校内で兄さんと会いたくなかったわ……」

 

 君はそんな兄を気絶してしまうほどの張り手をくらわしたよね。多分、僕以外に誰も気づいていないと思うけど。視線で相槌したブドさんならわかるかも。

 

 でも、あの時は空間に我空(わがぞら)兄と僕と桃萌さんしかいなかった。自分たち以外の人が消えてしまう現象。ステルスとは違うなにか……周りの気配を感じられなくなるのではない。周りと同じ空間にいるようで少しずれた空間に移動する技術なのかな? よくわからないがそういう風に感じた。

 

「知識を超えろ。さすれば無限の神技を起こすことができる。……要は考えないことよ」

 

 桃萌さんが発した言葉は僕に向けてだと思う。尻益(しりえき)……師匠が言ってた奥義の神髄だな……。意味はわからないけど。というか、桃萌さんは僕の思考でも読めるのかな?

 

「そうよ。私のこと好きでたまらない。辛抱できないってね。いやらしい」

 

「そこまで考えていない、からかうなよ!」

 

「おいおい、お前たち内緒話ならあとにしろよ。澪ちゃん困っているぜ?」

 

 ブドさんが止めにはいる。

 

「皆さん、お願いします。香美菜(かみな)や皆が喧嘩をしているんです」

 

「まさか~」

 

 あの連中は結構仲良しグループに見えたし考えられないな。

 

 それはなんでもやる部の仕事の範疇をこえていないかな? でもなんだろうね、喧嘩にまで発展するなんてただごとじゃないな。仲良さそうだったのにね。そういうことは……。

 

『部活動、関係なしに頼りにきな!』

 

「だよね」

 

 僕は、厄介ごとは収集できないから避けたいんだけどさ。エア子さんが見ているし、一応は男だしね。

 

「やれやれ、臆病者が首を突っ込むことでないわ。責任とれるの?」

 

「本当に心が読めていそうだね。責任取る時点で終わっているじゃない。責任とらずにすむように頑張るよ」

 

「先輩が人のためにね。少しは成長したのかしら」

 

 後輩にいわれるには変な台詞だよ。

 

「そういう桃萌さんも嫌そうな振りをして助けてくれそうな感じがするよ」

 

「本当に? 私のことがわかるの?」

 

「意地悪く言わないでね」

 

「わかるんだ!」

 

「そう、言ってないでしょ。まったく困るよ! もう」

 

『よ! 満、モテるね~』

 

「エア子さんまでからかわないでね」

 

「エア子さんを紹介しなさい。満先輩とどういう関係?」

 

『アタシかい? 姉みたいな存在だな』

 

「エア子さんがお姉さんだって言っているよ」

 

「この、シスコン! 私のほうがいい女なのよ」

 

「張り合わないでよ!」

 

 と、僕たちは話から脱線していた。それが、彼女を怒らせてしまったのだろうか……。

 

 ドン! 話の途中で庭の椅子を踏みつける音がする。木材だけどおんぼろでもないのに真っ二つに割れる様を目にする。

 

「それが私は欲しかったの!」

 

 澪さんだったか。我空より悪意に満ちた容貌する。機嫌が悪いようにもみえる。

 

「欲しかった?」

 

 それは、いったいなんだろう? わからないが彼女は真剣だ。

 

「馬脚を現しなさいよ。澪……いえ、中二臭い通り名のディープ・プライスさん。中二病的意味は深淵の価値さん」

 

「名前なんてどうでもいいんだよ。あの馬鹿が私を見て、一度たりと思い出さなかった。あの時、私を必要だといったのに」

 

 馬鹿とは何度も言われるが、今回が一番酷いな……。あの娘が必要なんて僕がいったのかな?

 

「澪ちゃん、あの時の事件はすんだろう。もう、満に固執をするのはやめるんだ!」

 

「ブドさん、なにかしっているの?」

 

「ああ、お前は俺が守る」

 

 いつになく真剣なブドさんだが浅井さんの過去や自分の過去がよく思い出せない。

 

「僕がどうしたって言うんだ」

 

「あなたとあなたの全てが欲しいのよ。エア子さんも」

 

 エア子さんは所有物じゃないぞ。ちゃんとした人間なんだ。そりゃ、実態はないけどね。


「満先輩が好き、エア子さんがほしい。私はそれだけ」


「あの時、満先輩に助けてもらったけど許さない。憎んで憎み抜いて体得した、異能力を見せてあげる。それじゃあ、1年の棟屋上でまっているわね」

 

「え? 香美菜さんたちはどうなるの?」

 

「嘘に決まっているでしょ! でも人質ね。屋上に行けばわかるわ」

 

 澪さんはそう言うと桃萌さん並に跳躍して空飛んでいく。一足飛びで屋上までいけそうだ。

 

 最近の女の子は超人ばかりなのかな? と冗談に老けている場合じゃない。

 

「なんだか、話がわからん」

 

 まあ、我空はそうだよね。僕もそうだけど。

 

 それにしても、ルヒュールやデス(かつ)さんが捕まっているってことなのかな?


『満、アタシ話についていけられない』

 

「皆、ゆっくり行きましょう。サボリになるけどたまにはいいでしょ?」

 

 なんだか、桃萌さんがリーダーになっちゃったな。一番強いもんね。無力な僕がいてもどうなることやら。まあ、弱腰でも行けないので気合をいれよう!

 

「この物語はバトルじゃないぞ! おー!」

 

『は? 何を言ってんだい満は?』

 

 それが、いまの僕の気持ち。温い学校生活が一番。それを守るためにも頑張らなきゃな。

ここは一番指摘がほしい場面の一つですね。

一章ラストまで手直ししてから再度手直しします。

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