日常系からバトルへ 平穏な日々に戻れますか?
ここが一番手直ししなければならない初期ストーリーの軸から脱線したところです。 あまり、変えられなかったですが読んで見てください。 これもアリなのかな?
僕は腕を引っ張られながら走っています。
僕は腕を引っ張られながら走っています。
女の子にリードされながら。
仕方がないんだよ! 彼女、物凄いパワーがあるんだから。
普通に思えば女の子に力ずくで引っ張られるなんて屈辱以外のなんでもないよね。だけどね、この娘はゴリラとチーターの合成生物?
『スゴイなこの娘は超人かい?』
いたのね。エア子さん。少し僕は安堵する。気配を感じられないから不安だったよ。
「どうなんだろうね。こうやって付いて行けられているエア子さんも大概にスゴイよ」
『アタシの場合は重力とか関係なしだからな』
「エア子さんは心に思えばどこにでもいけられるでしょ?」
『海外も自由に行けるぞ!』
僕とエア子さんとでしかできない共有の話。二人だけの笑いはクスリと漏れてしまう。
「ちょっと! 私を放って他の女と喋らないで頂戴。失礼ね」
「ごめん、桃萌さん。なんだか君は超人に思えてきてさ」
「あなただって案外私についてこられているじゃない。私を人外扱いしないでちょうだい」
「ごめんなさい。でも、僕は体力が限界だよ」
僕は息を荒っぽく息を吐きながらしゃべる。
「せっかく男女の会話しようとおもったのに台無しね。あのバカ女」
「ああ、ルヒュールね。彼女力尽きていて泣いているよ」
「知ったことじゃないわ」
「可愛そうだし介抱してあげようよ」
「しかたないわね」
桃萌さんは嘆息する。ぜんぜん疲れていないみたい。凄いな。
僕たちがルヒュールに近づくとルヒュールとつるんでいたグループの女の子が一人いた。その娘がルヒュールを介抱している。名前はなんだろう?
僕と同じモブ人間の女の子バージョンだった。そんな印象だったが……今はなんとなく途轍もない悪役にピッタリな空気を纏い、平凡とは裏腹な何かの達人的とでもいうか、玄人的な力量を印象に受ける。
でも、ルヒュールを優しく介抱しているので僕の勘違いの印象だろうけどね。
「ちょっと杏、大丈夫?」
心配しているようだが妙に落ち着いている。そして、その娘と桃萌さんと目が合うと妙な亀裂が生まれた。
「きっかけと点数稼ぎかしら」
「桃萌、相変わらずね。目つきの悪さといい性格のわるさといい」
「あなたほどじゃないわよ。隠れ満先輩ファンが表舞台にでてきてどうするつもり?」
「そうね、悪巧みだけど杏を助けたのは本心からよ」
「でも、利用できた。私たちに近づくために」
その女の子はフッと笑った。とても覚めた表情で。
「昨日からカラオケで満先輩とはあっているのよ。本人はぜんぜん気づいていないみたい」
いや、顔だけは覚えているよ。しかし、女同士の因縁がありそうなやりとりって怖い。
「気づかないってどういうこと?」
彼女は物凄い形相で僕を瞬間的に睨む。こ、怖いよ。
「満先輩、浅井澪といいます。あったことがあるのに自己紹介も変ですけどね。現在は新聞部で先輩のおもしろいところをネットで提供しています」
「お、おまえだったかの僕の恥部を学園内のネット拡散していたのは!」
「いえ、卒業されましたが前任者はいますよ。私は引き継いだだけです」
「頼むからやめてくれないかな? 僕が池に落ちただけでイイネが100入っているんですけど」
「人気者でいいですね」
ボッチを人気者にしたてるなよ! と言えない。
「先輩、私たち、同じ中学の出身なんですよ~覚えてないですか?」
「ぜんぜん」
「そんな、結構関わっていたのに」
とはいうものあまり落ち込んでいない様子。先ほどの形相とどちらが本当の素顔なんだろう。
「う~ん」
ルヒュールは立ち上がる。
「どうやら、杏は落ち着いてきたようね。私はちょっと用事がありますから先に行きますね。フフフ」
その、笑いがなんなのか怖いけど彼女は去っていった。
「澪は今日のやりとりもネットで記事にするつもりね」
「やめてほしいです」
「本人に言ったらいいじゃない」
桃萌さん、僕を好きだといったわりには態度が冷たい。
『満よ』
「なんだい? エア子さん」
『少し、嫌な予感がするんだ。気をつけなよ』
「いつも、トラブルに巻き込まれる僕は気をつけてもどうにもならないよ。
常に受身」
『こ、こいつは』
呆れられているけどだってそうなんだからしょうがないじゃない。
「そう、問題はいずれやってくるわ。皆行きましょ」
どういう問題が? 巻き込まれる僕が蚊帳の外なの? まあ、聞きたくもない情報だったらいやなので知らぬが仏でいくよ。
今日の登校イベントが終わったかと思った瞬間ヘリコプターの音が聞こえる。何事だろう。
「満よ ヘリに乗るのじゃ!」
何故に?
「タヌキさんはいつもヘリで登校しているの?」
「ああ、そういえばここの学校はふざけたことにヘリポートがあったわね」
「マジで!」
「忘れたの? あなた、そこの着陸場所でお昼ご飯食べて怒られたって有名じゃない」
「もしかしてあそこかな……のどかで何もしていないから大丈夫だと思いピクニック気分で一人飯した……」
「あなたは肝が大きいのか、馬鹿なのか」
『満はそんなことまでしていたんだな』
などとしゃべっていると空から怒鳴り声聞こえてくる。
「はよ、せい!」
ヘリからはしごが落ちてくる。登れと?
「このまま逃げようかしら。蹴散らすしかないかしら」
「物騒ですよ、桃萌さん」
「あのね、あなたも苦労しているでしょ。なんでもゆうことを聞かなくてもいいでしょ」
あなたのことは従っていますが? おかしい。
まあ、タヌキさんに従ってハシゴを近づく。なぜか桃萌さんが先頭に切って登る。空中なので結構怖いと思ったら、実は僕は高いところが得意なんだよね。平気で登れた。
「なんなのよ! もう」
桃萌さん、あなたはエアーガンで狙撃されていますよ。部外者は排除ですか? というかエアーガンだよね? エアーガンであってほしい。ノンリーサルウェポンのエアーガンであってほしい。
しかし、彼女はなんかのアクション漫画みたいに問題なく避けたり防いだりしている。まあ、エアーガンで狙撃するほうもおかしいんだけど。
で、彼女の様子がおかしい。
ちょっ! 桃萌さん? なにか構えをとっているよ。やめなさい。
「ふん!」
ポケットになにをかくしていたのかわからないけど、彼女が投擲してものが狙撃手に命中する。
「! ……」
狙撃したひとは声も出さずに悶絶する。こ、怖い。だけどさほど驚かない僕。
だってね。
兄さんに柔道をディスったら柔道の素晴らしさとかいってビルの9階の窓際で巴投げしたよ。あの人、やっては悪い場所でも手加減なしだよ。
だけど、僕は生きているからね。ギャグ漫画のように済まされたからね。そういう経験者だから心中でツッコミしてもあまり驚きはしない。
「じゃあ心置きなく登りましょう」
ガチで武闘派だね。桃萌さん。でもね、こんなところで戦闘しちゃいけないよ。しょうもないことで罪を背負わないでください。
桃萌さんはお構いなしにハシゴを登る。ちなみ僕より先頭なのでパンモロでした。
「何事じゃ!」
いや、タヌキさんの方が何事なんですか?
タヌキさんの霊感で危険を察知しているのかすんなりと桃萌さんと僕はヘリに近づく。
『こりゃ。たまげたねぇ』
エア子さんは重力が関係ないから空も飛べるらしい。のんびりと傍観しているようだ。
『おのれ~であえ! であえ!』
タヌキさんのなんだか必死で愉快だが、笑っている場合ではない。空中からパラシュート部隊が降りてきます。タヌキさん、あなたも何者?
「ちょっと! 桃萌さん」
桃萌さんは平然と暗器(護身用の隠し武器)を取り出し投擲する。
各個撃破する。なんか忍者とかアサシンみたい。殺傷は良くないよ。とパンツしかみえない桃萌さんに視線を送る。パンツをみたいだけではないんだ! 本当だよ。
「この変態!」
「仕方がないじゃないか! それより大丈夫なの? 死人とかださないでね」
「大丈夫は深手にはなっていないから。心配しないでスケベさん」
『桃萌。凄い娘だね~』
「そうだね、エア子さん。彼女は尻益先生の弟子みたいだから」
「あなたも同じ同門でしょ? 驚かないでよ。武力行使を阻止すれば交渉に使えるわね」
不敵な笑みがものすごく怖い。タヌキさんはそこまで悪い妖怪ではないので成敗しちゃダメでしょ。で。
「ちなみに技名はつけていないわ。そういうのは子供っぽいし」
例え、攻撃してきたとはいえ返り討ちするのは大人気ないと思いますが。
「む、無念じゃ!」
断末魔が聞こえるけどなんだか余裕があるんじゃ?
更にタヌキさんのヘリコプターに暗器を飛ばそうとする桃萌さん。やめてあげて。
『ちょっとやりすぎだね~。止めてやりな』
「そうだね。桃萌さんこのくらいで穏便に」
「しょうがないわね」
なんだか、物凄く恐ろしい人だな。僕の日常というのをとことん破壊し続けているような気がする。
「はあ、普通の女の子に戻りたいわ」
僕が言いたい台詞である。地味でも僕にとっての普通に戻りたい。手遅れみたいな感じだけどね。とりあえずは桃萌さんと僕&エア子さんはヘリに乗った。
ここも、是非、指摘か問題のあり、なしが知りたいですね。
そんな心優しい読者様いませんか?




