ドジっ子 満
2話分割して三話にしました。
これで、長い文章は避けれます。
効果としては良いかはわかりませんが(;´・ω・)
まだ、登校中ですが話は変わるよ。
今は五月、ゴールデンウィークは去った。また、うんざりする日常の繰り返し。
まあ、でも、澄んだ空気に緑豊かな通学路。心は少し晴れる。用も足したしね。しかし……。
今更ながらエア子さんのことだ。
僕の頭は壊れている? だってさ、実在しないのに声が聞こえるのだから。心霊現象か精神分裂でも引き起こしていたかと思ったこともある。
『満~! さっさと学校にいくぞ』
行くのはいいんだけどさ。あんた、学校に在籍してないでしょ? と言うと怒られる。
エア子さんの相手は疲れる……。能天気というか元気というか。
でも、付き合うって約束したしね。
話はかわって、エア子さんは歌が好きなんだよな。僕にしか聴こえないけどね。
さあ、今日も歌うぞ! 流行りの歌をエア子さんと一緒に。エア子さんはベタに流行りの曲を歌う。
「いつも♪ いつも♪ 一緒だね~♪」
仲良く歌う。恥ずかしい。
エア子さん。心が粉々になりそうだよ。やめて~。臆病者にやらせたらこんなのイジメだよ。イジメカッコ悪い!
『コラ! 満。もっと元気よく歌いな』
容赦なし。心が折れる。
強引だな。僕が嫌がっている表情を見てよ。だけど、察してか。
『リハビリさね』
「へ?」
『満、あんたはいつもオドオドしているからね~。少しはバカやって硬くなった心をほぐしているのさ。しかも歌うことで気分も晴れていくだろ?』
ごめん、最悪です。あと、曲が僕の趣味のジャンルじゃないから更に嫌。
本人は親切のつもりだろうけどさ、ほっといて欲しい。やかましいけど耐えているよ。偉いでしょ? 僕は。
「エア子さん、うるさいって」
誰も居ない空間に声を掛ける。ご近所様に変な目で見られているような気がする。というよりかは日常化して見て見ぬふりのような……。
『お! 佐藤さん、田中さん、おはよう』
聞いてねえ……。つうか、誰なんだよ……。 この人は誰構わずに自己アピールで一所懸命だ。僕としか会話ができない。
不便だ。だけど、この人は僕ばかりくっついているだけではなく、自由行動するからな。かなりの情報通。
存在そのものがミステリアス。だけど美女かどうかはわからない。なので、申し訳ないんだけど、自由に想像して下さい。あなた好みの女の子にさ。
で、僕の容姿はですね……。まあ、女の子と間違われることもなくはない。だけど女の子みたいだと美形だと考えるのは浅はかで期待はしないで欲しい。
たまに、変態に追いかけられるけどね……。
姿、見えなき女の子(疑問)エア子さんよりかはマシ。なのかは、わからない。いつの間にかエア子さん相手にすることにより僕も変態扱いされているようにも思える。
だけど、エア子さんと僕とで入れ替わってほしい。ただ、人を見るだけでいい僕は姿なき実体が望ましい。
なぜかというと、ひとにしられないって楽じゃない? でも、エア子さんは気づいてもらえない。その気持ちも汲んであげなければいけないよね。
僕がブツブツ考えていると、エア子さんはぺちゃくちゃ喋り続けている。
無視して通学路のショートカットをする。人とすれ違う通学路に苦痛を感じるから。
だけど迂回して公園ルートに入って歩いたら、天に憎まれているのか、人の集まりが多くて困る。ボッチはゴミゴミしたところは嫌いなの!
ここでも仲間内がわんさかいて避けながら歩いた結果、避けすぎて池に落ちる。ちなみによく池に落ちるから濡れて困るものは放り投げて無事に済ます訓練は身についているよ。
『だ、大丈夫かい? 満。あ?』
そして、池からはいあがればチャリンコに引かれる。一応周りに心配される。心配しているよね? しているよね? 連呼したい。
しかし、なんかカメラとか所持している奴らいるんだよな~。まあ、新聞部と放送部だけどね。僕は巻き込まれやすいのが有名だから。スクープですよ。ドジっ子、満という見出しで学校の生徒だけでログインできるサイトではいいねを独占している
あれ、ギャグとして広まるんだよな~。趣旨がこれ狙いなんだろうけどね。もう。嫌だ、嫌だ。
『満! 卑屈に世界に入っているな! 聞いているのかい? 大丈夫かい? 嫌なことも気にせず堂々としなよ』
「もう、嫌」
『悪いことがおきたなら次はいいことがおきるさ』
「ありえない」
『お前は~。負けるんじゃないよ。満! ファイトだ! き・あ・い!』
「頑張るよぉぉぉぉぉ」
姿なきエア子さん以外は誰も励ましてくれない。
姿なき存在のエア子さんはいつも僕を見ていてくれる。正直、疲れる。疲れるし憑かれている感覚がある。だけど僕の味方だ。
しかし、存在がわからない。幽霊なのか妖怪なのか精神分裂病かもしれない。
今の会話のやりとりは僕だけがしゃべっていると周りに見られている。と思う。これまでエア子さんと会話してエア子さんが何を言っているか周りに聴こえている素振りがない。
エア子さんの声は僕にしか届かないようだ。視覚化も触ることもできない。実体がないが女の子としての意識だけがある存在……。
空気なる存在だからエア子さんと呼ぶ。
そして、友達にしておく。いつか、彼女に気付く人ができるまで。
僕のお相手したい人間は別にいるの。
『だらしない、顔だねぇ』
エア子さんはあきれている感じだ。
うるさいな。しかし、世の中は謎に満ちている。まず、よくわかないのがエア子さんだ。
続きが気になる、面白いと感じて下さった方は励みになりますので是非、ブクマ、感想、評価等いただけるととても嬉しいです!
よろしくお願いします!