傲岸タヌキ 再び
放課後に教室でカラオケに行くか、どうかで揉めていたところだったよ。
ふと、学校内に音声が響き渡る。
「息野満さん、我空深さん、梨園杏さん、えっと? エア子さん? ちょっと生徒会長なんですかエア子さんって? え? はい、わかりました。以上四名の生徒は至急生徒会室に来てください」
校内放送が単純に終了する。直接、ここに来て呼び出しでいいんじゃないのかな。
僕達、ピンポイントで呼び出しをくらっているよ。
そういえば、授業中にタヌキさんが我空と僕に用があるって言っていたな。
つうか、校内放送でエア子さんの名前はださないで欲しい。誰も認識できない妄想と思われているんだから、僕がますます痛い奴だと思われるんじゃないかな?
『お、アタシまでご指名か。嬉しいねぇ』
思ったけど、声だけはかわいいエア子さんがアナウンスできたら萌えるかもね。僕にしか声が届かないので無理だけど……。
「もう、あのタヌキ勘弁して欲しいよ。逃げるよ。カラオケに行くよ」
『満よ、そういう行いが目をつけられるんじゃないのかい? 呼ばれたら応じる。しっかりしな!』
そうは、言うけど面倒事でしょ。回避したっていいじゃないか。
「深君と杏さんはどうする?」
「いいんじゃねえか? 俺だけでもいくぜ」
「あう」
その、『あう』は返事なのかなんだかわからないが、ハッキリ喋らない僕に説得力がないからハッキリさせない。まあ、行ってもいいよって意味だろう。
『ほら、満グズグズしない。満場一致だ、行こうぜ! 生徒会室』
「やだな~」
と、ぼやくが皆が自動的に生徒会室に向かうからついて行く。生徒会室だよね? 場所しらない。
さほど時間はかからなかった。僕が前に来賓の客を接待する為にある部屋で昼食とって怒られたが、その通りの廊下にある一角が生徒会室みたいだ。で、中にはいる。
「うわあ……」
和室かよ。ちゃんと下駄箱もあり上履きを脱ぐ。
「おい、満。靴下に穴があいているぞ。臭そうだな」
『あちゃー、躾ミスだなこりゃ』
我空もエア子さんもだけど傷つくよ。仕方がないんだよ。学校で靴下みられることってそんなにないじゃん。だよね? そういうことじゃないか……。
「皆の衆よ、よく来たのじゃ。まあ、適当に座すがよいのじゃ」
普段使われている机は片付けてあるようだ。隅にやたらと高そうな和式の机がある。高級そうな座布団を手に取り言われた通りに適当な場所に座る。
「満よ。エア子殿の座布団を忘れているぞい。しっかりせい」
タヌキさん、エア子さんの存在を認識してくれるのは嬉しいが実体のないエア子さんに座布団いらない。でも、反論してもしょうがないからやるけどね。
「エア子さん、僕の隣でいい?」
『満、ありがとうな。足を痺れさすんじゃないぞ』
そこなんだよね、女座り? っていうのかな? 正座もあぐらも足がしびれてしまうんだよね。女性が畳で足を崩す座り方が一番僕の体にあっているけど……ここでやるのは勇気がいる。あとは寝転ぶしかない。論外だろうけどね。
ガマンして正座することにした。我空はあぐら、タヌキさん、梨園さんは足をくずして座る。
「なんじゃ、満よ。気を使うことはないのじゃぞ。苦しゅうないから楽にせい」
いや、苦しいから遠慮しているんだよ。でも、従うよ。
「お言葉に甘えて」
で、僕は女座りにした。一同少し沈黙を置いたが見て見ぬふりをしてくれた。あの我空まで。屈辱。
それにしても、豪勢な和室だな。タヌキさんの後ろに黄金の屏風まであるよ。何これ私室? などと、僕がジロジロ部屋を物色していたら話しが始まる。
「では、本題にはいるぞい」
はあ、なんだか面倒くさいな。どうせ腰が上がらない事を話すんでしょ?
「では、まずは率直に言う。 満、我空よ、そち達を生徒会長直属の部活動(なんでもやる部)に任命する」
「は?」
僕と我空は同時にハモる。どこかにある役所の課にあるあれか? パクリ?
今もあるのか興味ないから知らないけどね。名前どおりに皆の為に困り事を助ける部なのかな?
しかし、生徒会長直属の部って何? 初めて聞いたよ。そんな権限があるのか? この学校は恐ろしいね。しかも、委員会ではなく部活動なんだね。なにそれ? 僕はたぬきさんの次の言葉を待った。ハッキリ言って戦慄した。
怖いな……………。
プロットが苦手です。脳内ではしてますが。改稿はしても突き進んで執筆します。




