コッシモ
遅くなりました!!台詞ばかりですみません。。。
転移した先は、いかにもな感じの裏路地だった。反応があった方を見ると、ショッピングモールがある。賑わっているようだが、裏に来ただけで誰も居ないのか。
もう一度検索魔法をかけて、より正確な位置を探る。案内マップを見るとどうやら雑貨店にいるようなので、次のマジックに使う道具でも探しているのだろう。
ヘルゼの元へ向かうと、丁度造花を手にしている彼女がいた。
「ヘールゼっ」
「っ…⁉︎アカネっ!」
かなり驚いた様子のヘルゼを見てニシシと笑い、無邪気な笑顔で笑いかける.
「やっぱり、ヘルゼだー」
「な、なんでアカネが。ここにいるの」
「ヘルゼも、チキュウに飛ばされたんでしょ?」
「…チキュウ?」
「うん、この世界。俺はさ、スペーシアル・エクスプローションを中途半端に防御したら飛ばされたんだ…この、魔法がない世界に。」
「…そう、この世界には魔法がないのね。やっと私が魔法を使うと皆がマジックだって言ってた理由が分かったわ」
少し驚いたような顔をした後、すぐに何時ものほわほわした顔に戻る。どうやらここがチキュウだとは知らないものの、涙流とは異世界だということには気付いていたらしい.
「それにしてもヘルゼ、随分と有名になってるようで」
「することもなくて道端で魔法を使ってたらスカウトされたのよ」
そう言ってヘルゼは昔と変わらないふわふわした笑い方をする。…そういえば。
「今はどこに住んでるんだ?」
「美亞さんとこ」
「ミア?」
「うん。優しいんだ。…私を拾ってくれたの」
「誠音と同じだな」
「トモネ?」
「俺を拾ってくれた奴」
「あぁ」
それから暫く、世間のことは全く分かっていない二人は世間話をしていた.
頃合いを見計らって、アカネはずっと聞こうと思ってたことをヘルゼに問う.
「それで、ミアには魔法のこと言ったのか?」
「ううん。アカネは?」
「誠音には、伝えた。」
「大丈夫だったのね。」
「ああ」
ヘルゼは魔法のことを知らない美亞のもとを離れ、誠音のもとにお世話になることになった.