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投稿遅くなりすみません。
新社会人一年目、もっと余裕だと思ってました。
社会人二年目、作家活動がんばります!(言うは易し行うは難し)
メイドに案内されたのは王族どころか貴族の従者さえ近づかないだろう奴隷部屋。
藁を積んだベッドに気持ちばかりのハリボテの木製の机。食器とは言いがたい木材達が並んでいた。
「どこも奴隷に対する扱いは同じか」
ここまで飄々としていたはずの総司の顔が少し陰りを見せた。そんな態度に言葉にできない恐怖を感じるエレアノール。しかし、それは一瞬のことで次の瞬間には「エロ本が隠してありそうだな」といつもの様子で藁のベッドを物色していた。
しかし、エレアノールは何故かその瞳の奥に宿る闇にも似た鈍い光に不安をぬぐいきれなかった。一緒に行動して何度か見た恐怖を形付けたような殺意。それが頭を過り、疑心をエレアノールの中に漂わせる。
「さて、メイド野郎。何処から外にでれる」
そんなエレアノールの不安を気にすることもなく総司はメイドを煽る。
少しイラつきをみせるがメイドだが、重要性を履き違えることなく総司に隠し通路の入り口を指差す。
そこには奴隷の汚れた衣服を入れるための大きい木箱があった。
「よいしょっ」
掛け声ともに総司がその木箱を蹴飛ばすとそのしたから扉が表れた。
「ここから外に出れる通路があります」
「俺が先に行って安全を確かめてきます。ついてこい」
グリズベア達三人が先行して先に潜った扉の中に潜っていく。総司はそんな三人に頼むわ~と軽い感じで手を降って送り出したあとに再度、メイドの方へ顔を向ける。
「お前はどうする」
にこやかにそう訪ねる総司。しかし、その目はまるでメイド達を試すようだった。
メイド達はその瞳に答えるように一回だけ、しかし、しっかりと一回頷いた。
「ちょ、ちょっとまって!」
そんなメイド達に異議の声をあげるエレアノール。
「貴女たちも行くのよ!みんなで助かるのよ!」
声をあらげるエレアノールにメイド達が優しく微笑みかける。
「皇女さま。貴女さま賢明です。貴女と王様さえいればいづれ魔女を伐ち、エルフはまた華々しく大国の主として返り咲く種となるでしょう。その石末に。その歴史を作り上げた一人として栄光の道に私たちの名を刻ませてください」
「そんなの生きてても
そう言いかけたエレアノールの喉元に手をかける総司。
「それ以上だだこねるなら喉潰すぞ、ガキ」
無表情に、無感情に、たんたんとそう口にする総司。単純な殺意に喉を締め付けられ、嗚咽を漏らすエレアノール。
「さっきもいったはずだ。大人数にはそれだけのリスクがある。どうしたって殿が必要なんだ。生きてんのが嫌だって言うなら俺が殺して奴等の餌として時間稼ぎに使ってやる。どっちだ。選べ姫さま」
「・・・生きて・・・るほう」
「よし」
「ごはっ、がはっ、ひゅーがっ」
拘束を解かれ、息を必死に吸い込もうと嗚咽を漏らしながら総司を睨み付けるエレアノール。総司はそんなエレアノールににっこりと微笑む。
「皇女を、我らが希望を頼むぞ」
メイドたちが真剣な眼差しで、総司につかみかかる。その手は微かに震えていた。
「邪魔になんなきゃな」
「おま
軽々しく答える総司に食って掛かろうとしたメイドを年輩のメイドが手で制す。
「任せたぞ」
はじめて総司に笑顔を向けるメイド。その微笑みは母のような暖かみのある優しい笑みだった。
「俺はこう見えて約束は守ることで有名な男だ。惚れたんなら今度デートでもしようぜ」
「減らず口を」
「そういう性分なんでな。じゃあな」
総司はそういってエレアノールを肩に抱え、扉の先に飛び込む。
抱えられながらゆっくりと閉まる扉の向こう側で、スカートをつまみお辞儀をするメイドたちの姿。最後のその時まで忠義に努める彼女達の勇姿はエレアノールの心に刻み込まれた。




