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第三話

リアルが忙しくてなかなか時間が…

それでも頑張って書いております!


2/10 微調整

「よ、よろし……く?」


 差し出された右手を両手で掴み、握手をする。


 身長は180ぐらいといったところかな? 年齢は30代ぐらいか。さらにら服の上からでも分かるほど肉付きのいい身体をしている。恐らく傭兵か何かをしてるのだろう。


「それにしても見れば見るほど可愛いな。寝顔を可愛かったし、嫁に欲しいぐらいだ。」

「かっ、可愛い!? よ、嫁!?」


 しかし ジルは ロリコンだった!! ……▽


 可愛い!? 嫁!? こいつは何を言ってるんだ!? 俺はおとk……いや、女の子です、はい。普通なら嫁はともかく可愛いと言われたら喜ぶべきなのだろうけど、なんだか妙な気分がする。そりゃ、いくら男を捨てたといっても17年間も男として育ってきたもんだからすぐにさよならバイバイなんて出来ないよ。いくら口調や脳内で考えてる時の口調(?)を女っぽくしたとしても根本は男なんだから……。それに、これはゲームではなく現実。慣れてるワケじゃない。


 うん。まずは慣れるために考えてることの一人称をボクにしますか。


「まぁ、冗談はここまでにしてだな。起きてすぐに悪いが1つ質問がある。」


 そう言い、ジルの目つきが変わる。

 てか、冗談だったんかい。慌てて損したよ!


「お嬢さんのその容姿、服装、どちらも父さん……カルディナ王国騎士団副団長から聞いた通りなんだ。いや、それだけじゃまだ疑うだけで確信するには至らないが、巧妙に隠されてるお嬢さんのその莫大な魔力で俺は確信した。」


 へぇ〜、魔力がバレたんだ……。結構巧妙に隠したつもりなんだけどなぁ〜。


「お嬢さんの名前はひょっとして……エルノアじゃないのか?」

「ーーっ!!」


 ボクは驚愕の表情を浮かべた。


 ーーなんでしってるのさ!? ボクはさっき転生してこっちの世界にきたばかりだよ!? それなのになんで……


「その表情……肯定と受け取っていいんだな? それとどうして分かったのか疑問に思っているだろ?」


 ご明察で。


「そりゃ、お前のような有名人を知らないわけがないだろ。容姿とかは流石に王族関係者や貴族ぐらいしか知られてないだろうけど、お嬢様さんの名前は誰もが知ってるぞ? なんせこの国を魔物から守った英雄だからな。」


 ん? 国を守った? さっき転生したばかりなのにそんなこと出来るわけないじゃん。


「……確かに私の名前はエルノアだよ。でも、国を守ったってどういうこと?」


 取り敢えず聞いてみよう。


「なっ……本当に分からないのか?」

「うん……。なんか記憶がないんだよね。なんか、こう、以前の記憶がすっぽり抜け落ちてるみたい。」


 さっき転生してきました〜! が通用するわけないもんね。取り敢えず記憶喪失ってことで誤魔化そう。


「記憶喪失とはまた災難な……。まぁ、こっちから質問したわけだし父さんから聞いた話だけど話しておこうか。


30年程前、このカルディナ王国は一度魔物の大群に攻め込まれたんだ。勿論王国も騎士団を派遣したりしたんだけど戦況は芳しくなかった。それでも頑張って魔物を退けていたんだが、1日1日と時間が過ぎていくにつれて兵達は疲れていき、次第に押されるようになったんだ。ジリジリと後退していく前線の中、お嬢さんは現れた。最初は皆驚いたさ。なぜこんなところに可愛らしい女の子がいるんだ? 無駄死にするだけだろってな。でもその認識はすぐに変わった。詠唱なしでいきなり魔法を使ったと思えば、最前線で戦っていた魔物が1匹残らず氷の像に変えられ、一掃されたんだよ。何が起こったのかと困惑する兵達をよそにお嬢さんは次々やってくる魔物を氷の矢を飛ばしたりブリザードを起こしたりと氷属性の魔法で全部一撃で倒し、遂には一人で魔物の大群を全滅させたんだ。その後、何も言わずに去っていった。


そんな英雄の名前が広がらないわけがないだろ?」


 うん、間違いなくゲーム時代に受けたクエストの話だ。確かかなりレアで強い魔法剣が手に入ると聞いてすぐに受けた記憶がある。敵のレベルは120前後と割と低かったが、数が無駄に多いため、推奨レベルは180ぐらいだったはずだ。その時ボクは既にレベルがカンストしていたため、適当に魔法を使うだけで余裕で勝てた。しかし、まさかその話が今になって出てくるとは……。


 魔法剣というのは普通の剣のように力だけが与えるダメージに影響してるわけではなく、主に魔力が与えるダメージに影響している上に力も少しダメージに影響している。吸血姫という種族による能力値ボーナスと賢者という職業による能力地ボーナスを考慮した場合、近接で戦う時に一番火力が出るのが魔法剣というわけだ。ソードスキルこそ一切ないもののただ切るだけでも十分大ダメージを与えられる。


 魔職が接近戦するなって?まぁ、それは……うん、早く倒せるんだからいいじゃん!


「あ、あはは〜……困ったなぁ……。それじゃあロクに外も歩けないじゃん……。」

「ん? どうしてだ?」

「だって私は有名人なんでしょ? それに……やっぱりなんでもない。」

「? それはそうだが、名前さえ伏せていれば問題ない。それと言いたいのは種族のことかだろ? それなら問題無いさ。」

「……私の種族を知っているのももしかして?」

「同じように王族関係者と貴族達だけだ。俺もお嬢さんの種族を聞いた時は驚いたさ! 人を助けたのが人の天敵である魔物の上位の上位、頂点と言っても過言ではない種族である吸血鬼ってだけで驚きなのに、その吸血鬼の真祖である吸血姫だからな。当時これを聞いた貴族達や兵達も同じように驚いただろう。」


 魔物の頂点と言っても過言じゃないのが吸血鬼でボクはその真祖だから……ひょっとしてボク最強?


 ーー有り得ないよね。ボクほど争いが嫌いで無害な吸血姫はいないんだから。もっと凄いのがごろごろいるでしょ。


「で、だ。お嬢さんはカルディナ王国の首都、カルディナに行く予定なのか?」

「まぁね。暮らしていくにはお金が必要だから換金所に行きたいし、折角なら街の様子も見てみたいかな〜ってね。あとお嬢さんじゃなくてエルノア……はマズイからエルって呼んで。」

「エルか、分かった。確かにお金は必要だからな……。」


ふむむ……とジルは暫く考え、顔をあげる。


「なら俺も一緒に行ってやるよ。」

「え、いいの?」

「あぁ。エルだけじゃ方向も道も分からないし、俺がこの村に居るのはただの帰省みたいなもんだからな。そろそろギルドにも顔を出さないといけない。」

「ほんとに!? 街の場所がわからなかったんだ! 助かるよ!」


思いがけないヘルプに喜んでジルの手を取り、にこっと笑う。


「うおっ!? ちょっ! その笑顔はヤバイ!」

「え?」

「…まさかの天然か。」


 人の笑顔が犯罪級だなんて失礼な。そして人の顔をチラチラ見ながら顔を赤らめるなこのロリコン。


「ところで、ギルドって?」

「ん? ギルドか。簡単に言えば魔物討伐などの依頼を集めて、俺のようなギルドに加入してる人がそれを受けて解決したり、商人などの護衛をしたり……いわば便利屋だ。詳しいことはギルドに連れていってやるからその時聞くといい。」

「なるほどね、分かったよ。そうと決まればすぐ出発だよ!!」


 ふっふふ〜ん♪

 やる事が一杯出来たよ! やったね妙ちゃん!


 ……妙ちゃんって誰さ。


「まぁまぁ、そう急ぐな。お前、3日も寝たままだったんだ。風呂にでも入っておけばどうなんだ? 倒れてた時もなんだか土塗れで汚れてたし…それはもう拭いたからいいけどさ。」


 あ〜、確かに。一理あるね。


「そうだ……ね?」


 うん? 土まみれ? もう拭いた?


「じ、ジル……まさか……服を脱がせた?」


 ギロッ


「ちょっ、ちょっと待て! 何か勘違いしてないか!? 泥を拭くためだから! 別に下心とかないから!」

「……誰も下心があったかなんて聞いてないんだけど?」

「うぐっ……」

「ふぇぇ、もうお嫁にいけないよー(棒)」

「だから違うって言ってるだだろぉぉぉ!!!」


 ジルの絶叫が響きわたる。


 もうお嫁に行けないよって自分で言うとは思わなかったなぁ……。辛うじて残ってる男として大切な何かがまた減っていく。

 もういらないんだけどね!


 ……でもやっぱり気にしてしまう。


「はぁ……もういいから風呂いけ、風呂。」

「……覗くつもり?」

「覗かねーよ!」


 ジルって割とからかった時の反応がいいね。弄り甲斐がある!


 言葉に甘えてお風呂にでも入りましょうか。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 久し振り(?)のお風呂気持ちよかったよ!

 こっちの世界にも温泉の概念があったなんて……。

 身体を洗う時にいろいろ見えたりして精神はすり減ったけどね。

 また何かがすり減った。

 もう残ってないんじゃないのかな?


 でも、もうすぐ首都にいけるんだよ!

 楽しみだなぁ〜♪


 ……お腹減ったわ。


「おう、終わったか。もう出発しようと思うのだが大丈夫か?」

「いつでも行けるよ〜」

「よし、なら出発だ。腹減ってるだろうから村の食堂にいくぞ。」

「やった!」


 お腹減ってたんだよねぇ〜

 やっとご飯が食べられる(じゅるり)


 ……ところで、この世界の食事って味とかは大丈夫かな?

少し文字数を増やしてみました。

1話辺りの平均的な文字数は分かりませんけどね((


ジルがエルノアの身体を拭いた時、エルノアがお風呂に入っている時に何があったのかはご想像にお任せしますw

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