第一話
初めまして!賢宮那月と申します!
暇さえあれば妄想してるような人なのでその妄想を引っ張って作品にしてみました。
といっても初投稿なので「ん?」と思う部分が大量にあると思いますが、(生)温かい目で見ていただけたらなぁ〜と思っております。
2/10 微調整
学校の帰り道。
いつも通りに親友と二人で話しながら駅のホームに並ぶ。
そこらでよく見かける絵に書いたような酔っ払いが1人……
「なぁ、悠貴。あれ酔っ払いだよな?」
「そうだな。あれは関わったら負けって奴だ」
「確かにな」
ハハハと笑い、それっきり酔っ払いへの興味を無くす親友。
俺も酔っ払いに興味を無くし、別の話題で話をきりだした。
そして、間もなく電車が到着しますというアナウンスが聞こえて数秒、電車がホームに滑り込んでくる。
相変わらず親友との雑談に花を咲かせる俺。
酔っ払いに注意していればその事件は起きなかったのかもしれない。しかし俺達は、少なくとも俺は注意してなかった。そのせいで酔っ払いが背後に来ていたことにも気が付かなかった。
「えっ?」
トンっという衝撃と共に前に押される。突然の衝撃に思わずバランスを崩してしまう俺。内側の方で並んでいたら結果は違ったのかもしれない。しかし俺達は最前線で並んでいた。その為バランスを崩した俺は前のめりにホームに落下していく。
迫り来る電車の先端。驚く車掌と親友の顔。さっきまで俺がいた場所にいる酔っ払い。
「悠貴!」
親友が俺の名前を叫ぶ。それを聞きながら俺は全てを察した。
(俺……酔っ払いに突き落とされたのか……)
走馬灯のように駆け巡る今までの思い出。家族の事、そして俺が廃人プレイヤーとして有名になったとあるVRMMOの自キャラであるエルノアを思い浮かべながら俺こと西条悠貴は電車に轢かれ、生涯を閉じた。
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VRMMOとは何か。
それはみんなもそれなりに知っていると思う。
「これはゲームであっても、遊びではない」というフレーズで有名な某作品を思い浮かべてくれると分かり易いはずだ。本当に簡単に説明するならば脳が発する生体電気を読み取り、それに合わせて仮想世界のアバターが思った通りに動くという感じかな?
そんなVRMMOの中でも断トツの人気を誇るFLO(Free Life Online)を俺はプレイしている。
このゲームの人気が爆発したにはワケがある。大きなポイントとしては、従来のシステムに加え、なんと自分で国を作ったりすることが出来てしまう。作るだけではなく、プレイヤーが作った国同士戦争することも可能で、領地を奪うことも出来る。料理などの現実で出来ることも大抵は出来てしまう。そんな「もう一つの世界で自由に暮らす」のをコンセプトに作られたのがこのFLOである。全くもってタイトル通り本当に自由なゲームである。
俺はFLO発売開始と共に買い、初日からプレイしたいわゆる最古参プレイヤーの一人だ。ゲームを買って速攻で俺はキャラメイクを始めた。
名前はエルノア。
どうせやるなら可愛い見た目がいいということで性別を女にした。(ネカマする気はないからその後ゲーム内でもブログでも男と公言した)
他のゲームと違い、ここでは種族も選べる。種族によってステータスにボーナスも付くが、これは割愛しよう。
基本は人間・獣人・竜人・エルフなどの数種類からしか選べないが、実は「ランダムで選ぶ」を選択すると超低確率でレアな種族が選ばれる。それを発売開始と共に買った俺が知るはずもなかったが、幸か不幸かどれでもいいやという理由でランダムに任せたら吸血鬼が選ばれてしまった(性別が女なので吸血姫だが)。
次に職業を戦士、騎士、盗賊、魔法使いの4つから選べる。レベルを上げれば上位職に就くことが出来、もちろん盗賊ならアーチャーやアサシンのように分岐している。魔法大好きな俺は魔法使いを選んだ。
最後に見た目の詳細を決める。髪は銀色のロングストレート。瞳の色は透き通る赤。身長は152cmにした。不覚にも自分で可愛いと思ってしまったよ…(ロリ最高フハハ!!)
それからというものの毎日の入り浸り、夏休みなどの長期休暇になればもう一日中と言っても過言ではないほど熱中し、いち早く魔法使いの最上位職の1つである賢者に就き、FLOで3番目にレベルをカンストさせた。
その功績に加え、見た目、他人の面倒見の良さも相まってかFLO内で知らない者はいない程の超有名人となってしまった。
財産を叩いて自分の城を作り、ギルドも立ち上げた。ただ、国には興味がない為作らない。
装備も最高級の物を使い、生産フレに何故か頼まれて装備の見た目を弄られ、ドレスっぽくされた。(可愛すぎて自分に惚れたなんて言えない)。
魔法も好きな属性である氷を重点に全属性育て上げた。
銀色の髪、可愛い見た目、氷属性魔法のスペシャリストの3点からレベルカンスト者に運営から面白半分で送られる二つ名の投票で【銀の零氷姫】が選ばれ、ステータス画面にも表記されるようになった。
運営フリーすぎだろ!
まぁ、これが廃人プレイヤーとしての「エルノア」の誕生のお話かな。
余談だが、ドレスを着たエルノアを見たいろんな人達から一人称を「私」にしたり、そもそもの話し方を変えたり、取り敢えず女っぽく振舞って欲しいという要望が殺到したのでゲーム内で俺はずっと自分のことを私と呼び、何も知らない人なら女と勘違いするだろう話し方や仕草をしている。繰り返して言うがネカマプレイをする気はないので男とちゃんと公言している。
勿論まだいろいろシステムはあるのだけど……それはまたおいおい話していくとしようか。
そんな自キャラと別れるのは……結構寂しいな……