指切り
「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます、指切った!」
あぁ、昔はこんな風に指切りしたっけなぁ
嘘が嫌いな私はよく言ってたっけ。
「嘘ついたら本当に針千本飲ますからね!」
我ながら現実味のある幼少期でした。
これは引っ越しをした親友との約束で・・。
あれ・・おかしいな、なんて約束したっけ
めちゃくちゃ重要なとこ忘れちゃったよ。
大丈夫大丈夫、いつかきっと思い出すから。
それにしてもなんか喉がチクチクする。
風邪でも引いたかな
えっと確かー・・
そうだ、それから何年か経って君が来たんだ。
私より背は高くなってて顔も大人っぽくなってしまっていたから私は最初誰だかわかんなかったんだっけね。
そうそう、その時君に「”あの約束”覚えてる?」って聞かれてめちゃくちゃ戸惑ったんだっけ。
てっきり二人とも忘れてるかと思ったんだけど君はちゃんと覚えててくれたんだよね。
私は「うーん・・なんだっけ?ごめんね、忘れちゃった」
ってテヘペロするくらい軽い気持ちでいたんだよ 確か。
君は怒ることなく教えてくれたよね。
「約束したことを絶対覚えている約束だ」って
あれ? なんかおかしくない?それ。
ちょちょちょ、ごめん 私の脳みそでは理解できない
そんな私を無視して君は言ったんだ
「ねぇ、裁縫道具ってどこにあるんだい?」
え?なんでそんなの使うのよ?
「二階のクローゼットの中だけど・・?」
私が言うと君はダッシュで階段を駆け上がったよね。
不気味な笑いを浮かべながら。
それで・・そのあとは・・確かー・・
そうだ。君が針の入ってる箱を持ってきたんだ。
「なんでそんなもの持ってきたの?」
って聞くと君はゆっくりと私に近づいてきて言ったんだ。
「ゆーびきりげんまん嘘ついたら針千本のーます、指切った。」
幼少期の君の声とは違って低くて冷たい声だったね。
そして君はたくさんの針を私に向けて・・・・・・・。
痛い。痛いよ。
こんなにも喉が痛むのは こんなにも苦しいのは
きっと君のせいだ
僕のせいだ
指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます、指切った