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蒼の誓約  作者: 毛井茂唯
第4章〈アヤメ2〉
111/114

(0)プロローグ 「赤黒い檻」

 籠目の檻


 そこから見えるものだけが私のすべてで。


 昔の記憶だけが私の救いだった。



 私には役割があっても、意志はない。

 全てを奪われてから私にあるのは、ただ茫漠と降り積もる時間だけだった。


 私を崇める者も、慕うものも、畏れるものも、皆等しくどうでもよかった。



 この籠目の小さな世界において、限りなく死は無意味だ。

 永年に訪れることのない憧憬だ。


 だって何百年経とうと私は死なないのだから。

 だって何百年経とうと私は忘れられないのだから

 ずっとあの苦しみを覚えているのだから。


 意味のない繰り返しに答えなど在るのだろうか。

 思うことすら無意味なのだろうか。


 でも。


 ただ一つこの生に意味を見いだせるのだとしたら。

 もう一度、君に会いたい。








 私は今も、君を愛しているよ。


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