表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/132

3.歳の差

「そう言えば、あたしたちってさ」


 どこか遠くを見ながら、千恵ちゃんは言った。


「十六歳差じゃん?」

「そうだね。わたしが二七歳で千恵ちゃんが十一歳だもんね」


 小説を書きながら、上の空状態で、適当に応える。


「……間違いなく犯罪じゃん」


 千恵ちゃんが身震いしながら、『怖っっ!!』と言った。


 わたしはそれに反応し、ノートパソコンをそっと閉じる。


「……一応言っておくけど、わたしたちってそもそも付き合ってないからね。千恵ちゃんが勝手にわたしの家にいるだけで」


 『えー、冷たいこと言わないでよー』と、千恵ちゃんはぺろっと舌を出した。


「わたし大人だから、千恵ちゃんとはあくまで節度を持って付き合いたいと思ってるよ」

「恋人として?」

「……友達として」


 わたしは真面目な面持ちできっぱりと言った。


「そんなこと言って良いんだ?」

「な、何よ?」

「……もう小説見てあげないから」

「そ、それは困る! 客観的な意見が欲しいし!」


 手を合わせながら、わたしはその場で土下座する。


「しょうがないなぁ。じゃあ、今日も読んでやるとするか」


 そもそも千恵ちゃんってわたしに弟子入りしたんじゃなかったっけ?


「公衆便女先生。ほら、早くあんたの恥ずかしいところを見せてよ」


 ……今日も今日とて、わたしは千恵ちゃんに弄ばれている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ