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高校に入って突如冷たくなった幼馴染が痴漢されていたので助けた結果、次の日から幼馴染の様子がおかしくなった  作者: テル


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第四話 男友達

「普通に今日掃除あるの忘れてた......静音、待ってるよな」


 放課後、夏紀は窓の外を眺めながらそんなことを呟く。

 メールで先に帰っていても良いとは言ったのだが待っておくと返ってきたので早めに終わらせなければならない。

 

 今日の朝、夏紀は静音に一緒に帰らないかと誘われて静音と一緒に帰る約束をしていたのだ。

 特に理由もなく夏紀を誘うはずがない。どこか行きたいところでもあるのだろうか。

 そんなことを考えながら机を運ぶ。


 静音との関係は良好で以前のような関係とまではいかなくても普通の友達には戻ったとは思う。

 今まで喧嘩はあったりしたがずっと親友のような関係だった。

 すれ違いがあって距離は離れてしまっていたがやはり幼馴染は幼馴染なのだ。


「それじゃあゴミ捨てじゃんけんね」


 掃除が一通り終わりゴミ捨てのじゃんけんとなった。

 これ以上静音を待たせるわけにもいかないのでこのじゃんけんは勝たなければならない。

 ゴミ捨て場はこの教室からは遠い位置にあるのだ。

 もし負けてしまえばより待たせてしまう。

 

 (いやでも、ぶっちゃけ静音だし待たせても......)


 しかしそう思うと不思議と罪悪感は薄れていってしまう。

 とはいえそう思って急がないのも人としてどうかとは思う。

 どちらにせよ持っていくのは面倒なのでじゃんけんは勝ちたいところだ。


「わりい、俺じゃんけん負けたわ」

「まじかよー」


 グー、チョキ、パー、この三つのうちで迷いながらもグーを出そうと考えていると他クラスの男子がやってくる。

 そしてじゃんけんをする前にクラスメイトの男子が、じゃあ俺やっとくわ、と言ってゴミ袋を持っていった。


 ゴミ袋を持っていってくれた男子に感謝しつつ、夏紀は急いで静音の元へ向かった。


 校舎を出ると夏紀は校門の前で立っている静音を見かけた。

 しかし何やら男子三人と女子一人に囲まれている。


「静音、誰か待ってる? もし暇だったら久しぶりに俺らと一緒に帰ろ」

「あー、ご、ごめん、友達と一緒に帰ろうって約束してて......」


 静音の男友達だろうか、にしても随分と距離感が近い気がする。

 その男子はぐいぐいと静音に近づいている。

 静音は少し後退りしながらも答えている。


「それだったらみんなでカラオケ行こって話してるからその友達も誘って行く?」

「いや、私たちは二人で行きたいところあるからさ......あっ、夏紀」


 夏紀は会話が終わるまで静音に声は掛けないでおこうと見えない位置に立っていた。

 しかし静音の視界に映ってしまい、声をかけられる。

 そしてそう言った途端、静音を囲んでいたグループの視線が夏紀の方に集まった。

 終わるまで待とうと思っていたが仕方なく夏紀は静音の元へ行く。


 もちろん冴えない夏紀が行ったところで怪訝な顔をされるだけである。

 事実として一人の男子は顔をしかめている。


「男子......え、静音の彼氏?」

「ううん、違う違う、昔からの友達」

「あー、そっか、じゃあ俺ら帰るわ。また行こうぜ」

「うん、ばいばい」


 夏紀に積極的に話しかけていた男子が夏紀の方を見る。

 そしてわかりやすく睨まれてしまった。


 あの様子から見るに静音のことが好きなのだろうか。

 ただ単に距離感が近い人という可能性も否めないが高くはないだろう。

 

 そう思うと何だか悪いことをしてしまったな、と夏紀は思う。

 とはいえ事前に約束を取り付けていたのでこちらに非はない。


「さっきの人たちと仲良いのか?」

「うん、たまに遊んだりしてる」

「なるほど、良かったのか?」

「別に大丈夫、まず誘ったの私だし」


 静音を囲んでいた四人はかなりの陽キャだと一瞬でわかる。

 昔から思っていたことだがやはり静音とは性格が真反対だなと思う。

 人との交流を好まない夏紀とは反対に静音はよく喋るタイプ。

 しかし気づけば静音が隣にいることが多かった。


「何か用でもあるのか?」

「いや......えっと、何でもない......ただ夏紀と帰りたかっただけ」

「お、おう、そうか」


 何か用事があるものと思っていたのでストレートに言われてしまうと少し気恥ずかしい。

 そうしていつも通りの会話をしながら夏紀と静音は帰路についた。


「......静音?」

「あー、ご、ごめん、ちょっとボーッとしてた......って私こっちじゃないや。じゃあまた明日」


 別れる時、静音の顔はいつもよりも冴えていないことに夏紀は気づく。

 しかし疲れもあるのだろうと夏紀は気に留めず、静音に別れを告げた。


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