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陰気なリア充おやじのチラ裏。  作者: おぎん
まだまだ自分語り。
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白血病が再発した日。

「俺は幹部じゃないから責任が取れませんよ!」


 とみんなが口を揃えて言うから下級幹部の私に全ての「責任」という名の「面倒くせーこと」が降り掛かってくる理不尽な毎日! くっそ!


 いつも通り闇に隠れて「組織」への毒を吐き少々デトックスしたところで、今日も今日とて思い出話などを壁に書きつけんとす。


 ――まだまだ7月豪雨の爪痕が残る広島の、平成31年2月の終わりだった。三男の風邪のような症状がいつまでも治らず、身体のあちこちに斑点のような痣ができた。産まれたばかりの頃に患っていた白血病は2〜3年の間に1〜2割の可能性で再発すると言われていたのだが、まさにその1〜2割を引き当ててしまったのだった。


 白血病再発の診断に動揺した妻が子供たちを連れて職場まで押しかけ、急ぎ休暇を取ってばたばたと入院の準備をした記憶がある。


 そして大学病院に入院し抗がん剤治療をすることになったのだが、入院にあたっては親の付き添いが必須だった。ひとまずその場は長男と次男を大阪にある妻の実家に預かってもらい、平日は妻、土日は私が三男に付き添い入院することにした。


 いつまでもそういうわけにはいかないと思った。長男と次男もこの手で、できる限り三男の近くで育てなければ。考えたくはないが、無事に退院できる保証はないのだから。だから、できる限り三男のそばに。春から次男も幼稚園に入園するから、2号認定されれば長男と次男を夜まで預かってもらえるので、私がフレックスに勤務すればワンオペで面倒を見られる。


 その決断は、私たちのエゴでしかなかったかもしれない。少なくとも「組織」はそういう見方をした。親の付き添いが必要な病院は非常識だから転院させろ。実家に面倒を見てもらえ。そもそも出生前診断をしなかったのか。


 ――下らない私情で迷惑をかけるのか。


 今後における三男の生死も定かでなく精神的にぎりぎりだった私に「組織」がくれたお優しい言葉がこういうラインナップだったので、その後の勤務環境はお察しの通りだ。退職したいと思いながらも子供たちの今後のことを考えたら一定の収入が不可欠だから今は無理だがいつかは…とか思っているうちに40歳になってしまった。もう転職は厳しい…。


 とりあえず、勤務する上でどうしようもない理不尽な局面が訪れたときに「そこまで自分を犠牲にして忠誠を尽くすに値する職場ではないな!」と割り切れるようになった程度には素敵な体験だったな。

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