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陰気なリア充おやじのチラ裏。  作者: おぎん
隙あらば自分語り。
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息子たちのこと。

 単身赴任をしている。多分、定年退職するまでずっと。それなりに幸せは幸せな自覚はあるので「寂しい」という言葉をぐっと飲み込んでいる。まあ、この場ではぶちまけるけど。寂しい。寂しくてたまらない。そして一人でワンルームのアパートに閉じこもっていると碌なことを考えない。小人閑居して不善をなすって本当だなとかしみじみ思ったり。


 私には愛する妻との間に愛する息子が三人いる。彼らを等しく愛しているから、寂しい。寂しいと感じるのは親として当たり前のことなのだと、自分で自分に言い聞かせながら、やはり寂しい。


 長男が自閉スペクトラム症(ASD)と診断されたのは7歳の頃だ。注意欠如多動症(ADHD)も併発しているという。妻はかなり早い時期から違和感を口にしていたが、私は個性の範疇ではないかと大して気にしていなかった。そうであってほしいと思っていただけかもしれないが。この辺、発達障害の子を持つ方のエッセイでよくあるパターン――著者の夫は真剣に考えていないというあの描写――のまんまで本当に笑えない。


 三男は産まれて二日目に大学病院の集中治療室に緊急搬送された。心臓と肺に異常があり、一過性の白血病を発症していた。全てダウン症の合併症だった。白血病については2〜3割の確率で再発すると言われ、本当に再発した。この闘病生活の間は色々あった、本当に。


 その二人の間に産まれた次男は「きょうだい児」ということになる。彼の情操を育む大事な時期の要所要所で色々なことがあり、三人の中で最も精神的に不安定に育ってしまった。そういう風に育ててしまった。悔やんでも悔やみきれない。


 この次男が、妻と兄弟からしばらく離れて暮らす決断をしたのが昨秋のことだ。今は一人、妻の実家で暮らしている。


 ――悔やんでも悔やみきれない。

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