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境界線は有刺鉄線

作者: 清水漱平
掲載日:2023/04/30

選択に困ったときこそ、あえて選ぶ。つか決める。待ち合わせの場所で後悔したらいい。『あの帽子のほうがよかった』それでいい。そういう後悔ができるのは、行動したからこそ。試行錯誤でいい、実験でかまわない。ただし境界線を越えるときだけ気をつけな。

 季節の変わり目を感じるときは

 決まって何だか妬ましい

 

 比べるつもりは、ない、

 はずなのに

 決まって何だか悩ましい

 

 夏が見える

 広告の水着

 はじける水しぶき


 帽子の並べてある廊下で

 いつもいつも迷ってしまうんだ

 どれにしようか

 どれも同じさ


 決めてしまえばいいんです


 春と夏の境界線は

 有刺鉄線

 きのう笑って別れた友と

 もう握手をすることもない


 写真を一人で眺める

 また、いつか

 また、こんど

 そんな未来はないんだ、

 と

 わかっていても

 また、いつか

さすがにどうかと思うけど、11年の歳月が経過している。残酷な現実に無口になったり、そのくせ自然と語り始めたり、一貫性のカケラもなく自分が存在し続けている。また、いつか。また今度。そのうち。それでいい。たとえ二幕目がなくたって、たった一度を永遠にできる宇宙に生きているのだから。まあ、つまり適当ほどほどに適当なんていうか適当つまり。適当にいこう。有刺鉄線は取り外されています。そんなもんだよ。

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