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第98章 赤岩タルト誘拐事件2 ~不在の迷探偵~

【南町商店街(隣の隣の町商店街)】


エ・クレア助手、スフレさん、黄島刑事の3人は2つ隣の町の商店街に到着しました。

ここ南町商店街は、RR探偵事務所近くの商店街よりも近代的な感じで、お洒落なカフェや最新スイーツのお店や個性あふれるセレクトショップなどが多く建ち並んでいます。

その商店街の入り口に、イベントの受付であろう業務用テントが設置されています。

テントには大きく『南町商店街』とプリントされていて、綺麗な虹の下、真っ白い犬が商店街で元気に走り回っている、かわいいイラストが描かれています。

テントの横には、謎解きイベントや有名人を招いてのイベントなどを紹介する看板が立っています。

スフレさんは我先にと受付のお姉さんに駆け寄ります。


「こんにちはー。ようこそ南町商店街へ。『謎とき・ドキドキ・食べ歩き!ついでにおこづかいも貰っちゃおう!』イベントの参加希望の方ですかー?」


お姉さんは完璧な営業スマイルで応対してくれます。


「あ、あ、あのっ!賞金10万イィエンって本当ですか?!」


スフレさんは息せき切って尋ねます。


「はい。まずはイベント参加カードをどうぞー」


そう言ってお姉さんがスフレさんにカードを渡します。

オレンジカードくらいの大きさで、商店街の名前と、イベント名『謎とき・ドキドキ・食べ歩き!ついでにおこづかいも貰っちゃおう!』のポップな文字が書かれています。

そして、3等身でオレンジ色の全身タイツのようなものを着て、頭の上に先端が球形をした角が生えているキャラクターも描かれています。

キャラクター名は“ドキドキちゃん”だそうです。

キャラクター脇に描かれた吹き出しには、「ドキドキちゃんもいま~す」の文字が躍っています。


「オレンジカードって何っすか?」

「俺も知らん。イエローカードとレッドカードの間に出すカードじゃねーか?」

「そんなの見たことないニャ」


まあ、オレンジカードについては自分たちで調べて下さいな、お3人さん。ちなみにこのイベントカードとは全く関係ありません。

今は賞金10万イィエンの方が大事なのでとっとと話を進めちゃいますね。


「ここ南町商店街には今回のイベントの旗が立っているお店が8軒あります。旗の立っているお店には必ず食べ歩きができるメニューがありますので、それを購入して下さい。その時、このカードを見せると、謎解きの問題が書かれたシートが貰えます。8軒全て違う問題になっていますので、それぞれ問題を解いてシートに答えを書き込んでくださいね。はい、鉛筆です」


お姉さんは、相変わらず固まった笑顔かつ流暢な棒読みで説明を続けながら、ペグシル(プラスチックの持ち手の付いた使い切り鉛筆)をスフレさんに手渡します。


「全ての問題に答えると、最終問題の答えが解ります。。最終問題には問題文はありません。それまで集めたシートの問題の答えから、最終解答を推理して導き出して下さい。最終解答はこのカードの裏に書いて下さいね。その答えはこの商店街で売っている、ある商品の名前になっています。それを購入して、集めたシートと一緒にこちらの受付まで持って帰って下さい。全部解けなくても大丈夫ですよ。解けた分だけの賞金が先着順で貰えます。1~3問正解の先着200名に500イィエン、4~6問正解の先着50名に1000イィエン、7~8問正解の先着20名に10000イィエン、最終問題まで全て正解の完全制覇者先着2名にはなんと10万イィエンプレゼントでーす!!」


タルト所長の身代金がかかっているため、スフレさんも一度でしっかり理解をしようと、いつになく真剣な面持ちでお姉さんの話を聞いています。


「あ、あの、それでまだ10万イィエン成功者は出てないんですか?!」


スフレさん達には10万イィエンしか見えていません。

これにもお姉さんは表情を全く崩すことなく応対してくれました。


「いえ。イベント開始直後にお一人、男性の方がパパパッと解いてしまって10万イィエン獲得されました。でも、まだ1名残ってますので、お客様にもチャンスがありますよー。頑張って下さいね。・・・・・・だけど、あの男の人、解答を提出するときのうんちくがうざかったわぁ~。『僕にかかればこれくらいの謎など、謎でもなんでもないのですよ、お嬢さん。ちなみにこのペグシルですが、ペグシルとは商品名であって、一般的に言うとクリップペンシルとかスコア鉛筆云々・・・』とか言っちゃって。5分くらい喋り続けたから、10万イィエン押し付けてさっさと帰ってもらったわよ、まったく・・・・」


表情を全く崩すことなくマニュアル通りの応対を続けていたお姉さんですが、最後は愚痴になってきました。

しかし、まだ10万イィエンGETの可能性があると知った3人は狂喜乱舞です。


「やった!!まだ10万イィエンの望み有りっすよ!なんとしても身代金を用意しなくては!」

「謎解きならお前ら探偵の十八番だろ。こりゃいけるぞ!」

「それにしてもずいぶんと太っ腹な商店街なのニャ」


賞金総額の多さに思わずエ・クレア助手がつぶやくと、それを聞き逃さなかった受付のお姉さんが説明をしてくれます。

“身代金”などという不穏なワードについては聞き逃してくれたようです。


「この商店街で1年前、商店街に温泉を作って荒稼g・・・こほん・・・町に活気をもたらそうという取り組みがあって、温泉を掘ったんですよ」

「なるほど。で、見事温泉を掘り当ててリッチな街になったんですね」


「いいえ。温泉は出ませんでした」

「出なかったんかい」


「商店街の一同が、こんこんとわき出る澄んだ温泉水を期待している中、出てきたのは黒く汚いドロドロの液体だったんですよ。なんか火つけると燃えるし。で、こんな気色の悪い物とっとと埋め戻そう、って言っていたら、地球からケーザイサンギョーショー?とかいう人たちがわんさかやってきて、そのドロ水を買いたいなんていうもんだから、どうぞどうぞって輸出してたら、あっというまにぼろ儲k・・・こほん・・・商店街が潤っちゃったんですよー」

「それって・・」

「ああ」

「もしかして・・・いニャ、もしかしなくてもその黒いドロドロは原油ニャのでは・・・」


小さな商店街のイベント賞金がまさかのオイルマネーで賄われているとは驚きですが、お3人さん?こんなところで油を売っていていいんですか?この商店街は文字通り油を売って儲けましたが。


「ああっ!無駄な時間を費やしている暇はないっすよ!とにかく急いで食べ歩き謎解きラリーを始めましょう!」

「そうだニャ!最速で謎解きするのニャ!」

「行くぞ!」


「いってらっしゃーい」


お姉さんに見送られて、3人は商店街へと繰り出します。


~~~~~


1軒目 モダンなカフェ


3人はとにかく商店街の入口から最も近い店より順に巡っていくことにしました。

1軒目は最近できたという、若者にひそかな人気のカフェ。

入り口のドア横には小さな出窓があり、ここでテイクアウトメニューを注文できるようです。

スフレさんはメニューを眺め、美味しそうな『GOGOエビピラフ』を注文しようとしましたが、エ・クレアさんと黄島刑事に全力で止められ、仕方なくドリンクメニューから『ポッポー鳩さんのポポージュース』を選びました。

ちなみに『GOGOエビピラフ』は、5合のお米を使ったボリュームたっぷりのピラフです。

“GOGO”は“ゴーゴー”ではなく、“ゴゴー”と読みます。


店員さんにイベントカードを見せると、


「ドキンちゃん・・・あ、まちがえた。ドキドキちゃんカードをお持ちですね。イベント参加ありがとうございまぁす。こちら当店の問題シートです。ヒントは出せない規定ですので、頑張って考えて下さいねっ」


と言って、緑色のシートを手渡してくれました。

そこには問題と解答欄が印刷されています。

解答欄の下には《答えはカタカナで書いて下さい》との注意書きがあります。


問題1:大人気!白黒のかわいい動物。でも意外と気性の激しい一面も?!


「ほぅほぅ。こんな感じの問題なんっすね」

「意外と簡単そうだな」

「老若男女集う商店街のイベントだから、難易度はあまり高く設定してないのニャね」


この食べ歩き謎解きイベントの“謎解き”の方ではなく、“食べ”の要員として期待されていたスフレさんでしたが、この1問目を見て、問題の傾向を悟ったようです。


「これくらいなら私でも楽勝っすよ。答えはパンダ!」

「まあ、そうだろうな」

「異議なしニャ」


スフレさんは問題シートの解答欄に“パンダ”と書き込みます。


「さ、次行きましょう!」


~~~~~


2軒目 昔ながらの雰囲気の肉屋


ここでは定番の『肉コロッケ』を注文。

渡された紫色の問題シートに書かれていたのは・・・


問題8:ある生き物の形をした美味しいお菓子。中には餡がぎっしり詰まっているよ。頭から食べるかお尻から食べるか迷っちゃうね。


「簡単っす」

「たい焼きだニャ」

「まあ、そうだろうな」


このシートにも同じ注意書きがあったので、スフレさんはカタカナで“タイヤキ”と書き込みました。


~~~~~


3軒目 店の名前が読めない小洒落たイタリアン料理店


「うーん。ゴルゴンゾーラピッツァも美味しそうだし、パストラミパスタも捨てがたい・・」

「おい、お前、学習能力がないのか?まだ6軒もあるんだぞ。セーブして食えよ」

「・・・スフレなら大丈夫だとは思うが、この後何があるかわからニャいし、あまりお腹をいっぱいにしない方がいいのニャ」


スフレさんは少し頬を膨らませましたが、『200色のホワイトジェラート(Sサイズ)』を注文し、次の問題に挑みます。


問題6:地球地理問題。『○○の都』と呼ばれる都市。お洒落なマドモアゼルが集う街。


「俺は火星地理専攻だったから解からんぞ。JD、お前学校で習っただろ」

「JD言うニャ」

「うーーん。これ、確か先週授業でやりましたよ・・・えーーと・・そうだ!パリです!フランスのパリは、はなの都って呼ばれてます!」


スフレさんはオレンジ色の問題シートに“パリ”と書き込みます。


~~~~~


4軒目 宇宙規模アンテナショップ 地球ブースの日本《九州・沖縄》コーナー


「めんそーれー。よかもんが揃っとーたい、見ていってきんしゃい」


合っているのかいないのか微妙なごちゃまぜ方言で出迎えてくれた店員さんは、かりゆしウェアに、イラストの描かれたエプロンを付けています。

頭には皿うどんが入った豪華絢爛な色絵のついた陶器の皿を乗せ、右手にカボス、左手にマンゴーを持った真っ赤なタラコ唇の黒いクマが、火山の噴火口から顔を出しているイラストです。


からし蓮根、からしちくわ、からしマカロニなどの他にも、中にホルモンや明太子が入った具入りちんすこうなど、九州・沖縄地方の名物とされるグルメがたくさん売られていますが、どうやら地球の公式ショップではなく、悪名高きパクリンチョ星のパクリ星人が勝手に出店しているブースのようです。


ここでは、どこかの所長の名前が入っている事に釣られて紅()()タルトを購入したスフレさん。

もちろん芋は使われていません。合成着色料で真紅に彩られた体に悪そうなお菓子です。

手に入れた青色のシートにはこれまた単純な問題が書かれていました。


問題3:白くてとろとろ。栄養たっぷり!胃腸の調子も整えてくれて健康的な食べ物だよ。


「とろとろって・・・そのまんまでは?」

「そうニャね」

「トロロだな」


~~~~~


5軒目 ガンコおやじのいるラーメン店


「ニャンでラーメン屋さんが食べ歩きグルメに入っているのか理解に苦しむニャ」

「こりゃ、腹いっぱいになるぞ」

「うーん。それは問題ないと思うんっすけど、頑固なオヤジがいる店かぁ・・・大丈夫かな~」


3人は入口の引き戸を開け、中に入ります。


「イらっしゃイまセ。3人様でスか?こちらにどうゾー」


カウンターの中の、店主らしき中年男性が丁寧な口調で招き入れてくれます。

言葉のイントネーションから、どうやら中国人店主のようです。


「おやっさーん。こっち半チャーハン追加でー」

「はイ、ありがとうごザいまース。少々お待ちくだサーい」


テーブル席でラーメンをすすっていた男性客の追加注文にも愛想よく返事をしています。


「あの人が頑固おやじなんっすかね?」


スフレさんの声に店主が振り向いてこう言いました。


「ああ、ガンコおやじでスか?私の事でスよ。これ、私の着ている袴、“がんこ”っていいまシてネ。漢字で書くと“紈袴”、白練の絹で仕立てた、昔の中国貴族の男子が来ていた袴なンでスよ。いつもコレ着て仕事してるから“ガンコおやじ”という愛称で親しまれておりまス」

「ああ・・・そうですか・・」

「親しまれているなら何よりですニャ」

「親しまれてるとか自分で言うか?」


スフレさんがイベントカードを取り出すと、店主はそれを見て、


「イベント参加の方でスね。食べ歩き用の3個刺し串餃子がありまスよ。いかがですか」


と、すすめてくれる。

3人はもちろん2つ返事で店主のおすすめ串餃子を注文します。

そして、黄色の問題シートを受け取ります。


問題2:地球史問題。非暴力・不服従の原則を掲げた独立運動の指導者、マハトマ・ガンディーはインド人の宗教家ですが、イエズス会の創設メンバーで日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルは何人でしょう。ひっかからないでね。


「これも授業で習ったっすよ。ポルトガル人です!」

「スフレよ。見事にひっかかってるニャよ。鉄砲伝来とごっちゃになってるのニャ。ザビエルはスペイン人なのニャ」

「俺は火星史専攻だからわからん」


「そうだったんですか。覚えとかなきゃですね・・・“スペインジン”っと」


~~~~~


6軒目 持ち帰り専門のクレープ店


お店1番人気のキャロライナ・リーパークレープを食べながらの6問目です。


問題7:僕はただ広い自然の中にいる。正面は真っ白で道はなく、これからどこにでも行ける。ふと後ろを振り返る。そこには2本の道があった。僕は一体何者だろう。


「??????」

「いきなり問題の毛色が変わったのニャ」

「これは・・・なぞなぞじゃねーか?」


「わかったのニャ!この人はスキーをしているのニャ!」

「そうか。これから滑って行く方向に道はないが、背後には2本のシュプールができているというわけか」

「おおっ!さすがエ・クレアさん!!ということは答えは・・・」


スフレさんは白色のシートに“スキーヤー”と記入しました。


~~~~~


7軒目:老舗の和菓子屋


甘栗甘米甘卵最中、小豆桃山、粟まんじゅうなど、色とりどりの美味しそうな和菓子が並ぶ中、スフレさんはクレームあんみつをチョイスしました。


「うーーん。このあんみつ、あんこがちょっと少ないっすねー。寒天じゃなくてナタデココが入っているし、これは赤エンドウマメじゃなくて普通の緑エンドウマメっすよね・・・もぐもぐ」


とクレームを入れつつ、藍色のシートに記された問題に挑戦します。


問題4:元々は硬いよ。でも水や火を加えるとふっくらと・・・。主食としても食べられる、カレーと言えばコレ!な食べ物と言えばなんでしょうか。答えはカタカナ3文字で!


「うーーん。『お米』ですかね」

「“元々は”硬いって書いてるぞ。答えは水と火を加えて炊いた後の『ご飯』だろ」

「いニャ。どちらも3文字はあってるけど、わざわざ問題文にも“カタカナ”って書いてあるから、答えは『ライス』なのニャ」


「ちょっと微妙ですけど、じゃあ一応“ライス”って書いときますね」

「次で最後ニャ」

「あまり時間をかけている余裕はない。とっとと済ませるぞ」


~~~~~


8軒目 ミドルエイジに人気のタピオカドリンク店


とある老婦人経営の大人気タピオカドリンク専門店です。

現在十数店舗展開するチェーン店のため、経営者が店に出ることはありません。

スフレさんは『ミラネサお婆さんのハニータピオカ』を注文しました。


問題5:子供に大人気!お弁当に入っていたらうれしいね。ひき肉で作ったあの料理。小さくても美味しさギュギュウッと詰まっているよ!


「はーい。スフレさんも大好きなミートボールでーす」

「オレっちはフィッシュボール(いわしのつみれ)の方が好きだけどニャ」

「俺はハイボール派だな」


スフレさんが赤色のシートに“ミートボール”と書き、これで8軒8問すべて食べ終わり解き終わりました。


「よし。シートの方は解き終えたな」

「後は最終問題です」

「答えはカードの裏に書き込むんニャよね」


3人は最初に受付で貰ったイベント参加カードの裏を見ます。

そこには、8マスの最終問題解答欄と、フラダンスを踊るドキドキちゃんのイラストがあります。

ドキドキちゃんの吹き出しには『頭を使って考えよう!うまく言葉にできるかな?なかなか難しいよ!よーく考えて答えてね!』と書かれています。


「うーーーん。この解答欄だけ8マスに区切ってますね」

「シートの方の解答欄はフリースペースだったのにニャ」

「最終解答は8文字って事か」


「8といえば、問題数も8問でしたよ」

「それぞれの問題には問題番号が振ってあったのニャ」

「『頭を使って考えよう!』・・・だとよ」


・・・・・・・・


「「「そうか!!!!」」」


3人は口を揃えます。

どうやら同時にひらめいたようです。


「それぞれの答えの頭文字をとって、問題番号順に並べるんっすよ!」

「そうニャ!そうニャ!」

「よし。早速並べていくぞ!」


「問題1の答えは“パンダ”だから『パ』ですね」

「問題2は“スペインジン”だから『ス』なのニャ」

「おう。この調子でいくと答えは・・・・」


3人は問題番号順に答えの先頭1文字だけを抜き出して並べていきます。

そして出てきた言葉は・・・・


「「「パストラミパスタ!!!」」」


パストラミパスタといえば3軒目の小洒落たイタ飯屋さんのメニューにありましたね。


「受付のお姉さんが、最終問題の答えは商品名だって言ってたのニャ!合ってるのニャ!すぐに買って来て受付に戻るのニャ!!」

「最後のひとっ走りだ、急ぐぞ!」

「やったーーー!!!完全制覇!!10万イィエンGETっすーーー!!」



~~~~~~


「残念!!不正解です!!」

「ニャヌーーーーーーーーン!!」

「何ですとーーー?!?!」

「どういうこった!!」


「お早いお帰りでしたが・・・・全問間違いです!!」

「ニャヌーーーーーーーーン!!!!!!」

「嘘でしょぉぉぉぉーーー?!?!?!?!」

「全問不正解だと????」


意気揚々とイベント受付テントに戻ってきた3人ですが、迎えてくれた受付のお姉さんの無慈悲な言葉にショックを隠し切れません。

この食べ歩き謎解きツアーを、これまでのイベント参加者中、最速で終わらせた一同でしたが、最終問題どころかシートの問題も全て正解ならずという事実を突き付けられました。


「ええーーー?ホントに全部間違ってるんですか?」

「1問も正解してニャいとか、ありえないのニャ!!」

「一体正解は何なんだよ!」


しかし、お姉さんは、


「すみませーん。イベント終了まで正解はお教えできない規則なんですよー」


と、取りつく島もなかったのでした。


「おい。どうするんだよ。身代金の10万イィエン」

「どうするって言ったって・・このイベントだけが頼みの綱だったのに・・・」

「だいたい、この問題がおかしいのニャ!こんニャ問題に正解して10万イィエン獲得した人が1人でもいるという事が不思議なのニャ!!」


エ・クレア助手も怒り心頭といったところですが、その言葉を聞き、黄島刑事が何かを思いつきます。

そして受付のお姉さんに尋ねます。


「確か、全問正解者は男だと言っていたな」

「はい。若い男性でしたよ」


「聞きもしないうんちくを語っていたとか」

「はい。『ドキドキちゃんは著作権法に抵触する可能性がありますね。ちなみに著作権法とは1970年に成立した知的財産の・・云々』とか言ってました。最後の方聞いてませんでしたけど」


「その男の容姿は?」

「中肉中背、スーツにくるくるパーマでした」


「その特徴・・・まさか・・・・所長?!?!」

「まごうことなきタルト所長なのニャ!!」

「ああ、違いねえな」


ここでエ・クレア助手もピンときました。


「わかったのニャ!誘拐犯はタルト所長がイベント賞金10万イィエンを手に入れたことをどこかで知ったのニャ。それで、襲ってお金を奪おうとしたけど、その時にはもうタルト所長は10万イィエンを所持していなかったのニャ。だから、身代金として10万イィエンを手に入れようと企んでいるのニャ!」


エ・クレア助手の推理では、まずタルト所長が開始直後に参加した食べ歩き謎解きイベントで見事全問正解し、10万イィエンをゲット。その後イベントに参加した犯人がその情報を聞き、10万イィエンを横取りしてやろうと企む。そして、タルト所長は帰り道で拉致される。犯人はタルト所長を脅して10万イィエンを出させようとしたが、すでに手元には10万イィエンは存在しなかった・・・と、こういう事のようです。


「10万イィエンはどこに消えたんですか?」

「きっと賞金を手に入れてすぐに事務所の口座に入金したのニャ。家賃やら公共料金やらの引き落とし日も迫っているしニャ。タルト所長は犯人に脅されてもカードの暗証番号を教えなかったのニャ。だから犯人は事務所のスタッフに10万イィエン持って来させようとしたのニャ」

「執念深い犯人だな」


「だから身代金が10万イィエンだったんですね」

「どうせなら身代金要求に切り替えた時点でもっと金額吊りあげてもよかったのにな」

「刑事が何言ってるのニャ?!」


「・・・・どうしましょう・・・10万イィエン」

「参ったな。万策尽きたか・・・」

「ウニャァァァァ~~~」

残念ながら謎解きイベントに失敗してしまった3人です。

よろしければ皆様も謎解きに挑戦して下さいね。

3人の解答は全問不正解です。

一応、正解は用意してあります。

次章で発表です☆

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