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第60章 そして誰もいなくならない Day4(6)

「・・・ああ、ではまた後ほど」


ピッ


渡来ムサカは電話を切り、ペイント弾でオレンジになった迷彩服を脱ぎ捨てました。

迷彩服の下は海パン姿です。


「せっかく海に来たのだから、海辺でゆっくりするのもいいだろう。幸い天候もすっかり回復したしな」


渡来ムサカが言います。


「あ。そうだった!すっかり忘れてましたよ所長!」

「そうだね。水着の用意するの忘れてたね」

「オレっちは猫だから水着無くてもOKニャ」


前述済みですが、エ・クレア助手は水が平気なタイプの猫さんです。


「でも、私もこのジャージでOKっすよ」

「危ないよ、スフレ君」

「通常の衣服では水の抵抗が大きくなって溺れやすいのニャ」


「大丈夫。私、着衣水泳検定8段持ってるんっすよ」

「着衣水泳検定」

「8段ニャ?」


「8段を取得するには、自宅の風呂場での着衣浸水訓練1年、その後プールでの着衣水中歩行訓練2年を経たのち、マニャガハ島での実地着衣泳法訓練3年とエルズミア島での実地着衣泳法訓練も3年おこなわないといけないんすよ」

「君、何歳の時から訓練受けてたの?」

「実地訓練2か所もするのニャ?」


「暖かい場所(サイパンのマニャガハ島)にも寒い場所(カナダ最北部エルズミア島)にも対応できるようなスキルを身につけないといけないんです。ちなみに私は『みんなで着衣水泳検定を取得しよう。得!得!キャンペーン』中だったんで、検定料1000イィエンを払ってネットで筆記検定試験に回答したら訓練免除で合格したっす。でも、着衣のまま水に入ったこと1回もないのでちょっと不安ですけどね」

「ちょっとどころじゃないよね?!」

「筆記検定試験ってどんなのニャ?」


「問題(1)あなたは水泳が好きですか?問題(2)着衣水泳をするならどんな服を着たいですか?問題(3)着衣水泳をするならどこでしたいですか?問題(4)着衣水泳をするなら誰としたいですか?問題(5)この検定をどこで知りましたか?・・・・以上です」

「それ、検定じゃなくてアンケートだよね?!」

「1000イィエンの無駄遣いニャ」



3人がそうこう言っているうちに、渡来ムサカは脱いだ迷彩服のポケットから小ぶりのボトルを取り出しました。


「元大尉、それって何すか?」

「ああ、サンオイルだ」


渡来ムサカはボトルからサンオイルを手に取り、腕にすすすーーーと塗り広げていきましたが・・・


「ぎゃああああああ!!!!」

「「「?!?!?!?!?!」」


「痛いっ!!なんだこれはっっ?!」


見ると、サンオイルを塗った渡来ムサカの腕が少し赤くただれています。

手のひらや指先も赤くなっています。


「一体、何を塗ったんですか?!」


タルト所長は渡来ムサカの手から離れて砂の上に落下したサンオイルのボトルを取り上げてラベルを確認します。


「うん。確かにラベルには『よく焼けるサンオイル』って書いてある」

「・・・・よく焼けてはいるっすけどね・・・別の意味で」

「外国製のよくわからないヤバイやつなんじゃニャイのか?」


タルト所長はラベルで製造元を確認します。

Made in Rotrdshsmrdb と書いてあります。


「どこそれ?!」

「その前に何て読むの?!」

「ヤバイやつ決定ニャ。何が入っているのニャ?」


タルト所長はラベルで原材料を確認します。


【成分】

陽、ミネラルオイル、トリ(カブト酸/カブトン酸)グリセリル、オリーブ果実油


「陽?!」

「しかも主成分!!」

「その後の”トリ(カブト酸”ってのも気になるんニャけど・・」



たったったったったったっ~~~~


4人が大騒ぎしていると、邸内から乾パエリアが救急箱を持って走り出てきました。


「あらあらあら~~~!!むーちゃん!どうしちゃったの~?!お手て真っ赤じゃないの~。おばちゃんに見せて?あらぁ~薬品に焼かれちゃったのね~。だめよぉ~安いからって得体のしれないサンオイルなんて買っちゃ~。はいはい。まずはお手て洗いましょうねえ~。こっち来て~」


乾パエリアはあれよあれよという間に、渡来ムサカの手を取って彼を波打ち際に連れていきます。


「むーちゃん?」

「ムサカだからむーちゃん?」

「・・・むーちゃんニャ・・・ププ」


乾パエリアは渡来ムサカの手を引っ張り、波に突っ込みます。


「くぁwせdrftgyふじこlp!!」


「海水で洗っちゃダメでしょ」

「痛そうっすね・・・・」

「さすがに可哀想になってきたニャ」


しかしその後、乾パエリアは救急箱から道具を取り出し、テキパキと傷の処理を済ませました。

幸い傷は大したことなく、痛みも和らいでいるようです。

乾パエリアは甲斐甲斐しく渡来ムサカの世話を焼いた後、食事の支度があるからと、風のように去っていきました。


「・・・いやあ散々な目にあった・・・」


渡来ムサカは、オレンジに染まって脱ぎ捨てられた迷彩服から再びイリジウム衛星スマホを取り出して、誰かに電話をし始めました。


プルプルプルプル


「・・・あ、もしもし。ママ?」


「「「!!!!!」」」


相手が電話に出たようです。

渡来ムサカがスマホに向かって話しかけます。


「え?今、『ママ』って言いました?」

「言った。絶対言った」

「”ママ(という名の母親)”」


「・・・うん。今コメディアン島。・・・・うん。・・え?家のDVDレコーダー?うん。・・・ハードディスクの容量がいっぱいで?・・うん。録画できなかったからDVDに直接録画した?・・・・うん・・・・・えっ?!何だって?!ように録画したって?!」


「WHAT?!」

「”陽”に録画?!」

「どういうことニャ」


「ママ!『陽』って書いてあるDVDには録画しちゃ駄目だって言っただろ?!『陽』は保存用!録画用は『陰』って書いてある方だから!!」


「”陽(という名のDVDディスク)”」

「もう色々ツッコミどころが多すぎるっす」

「ニャンのこっちゃ」


「・・・ああ、まあ仕方がない・・・その件については帰宅後に話し合おう。では」


ピッ


渡来ムサカは電話を切りました。

すると、間髪入れずに着信が入ります。


♪~ド~レ~ミ~ファ~ミ~レ~ド~♪

♪~ミ~ファ~ソ~ラ~ソ~ファ~ミ~♪


「着メロ?」

「いや、だからスフレ君。古いって」

「いニャ、確かに単音であからさまな機械音。まさにこれは着メロニャ。逆に新鮮なのニャ!!」


♪クゥワァクゥワァクゥワァクゥワァ♪

♪ゲコーゲコーゲコーゲコーグゥワーグゥワーグゥワー♪


「?!本物のカエルの声?!」

「すごい!!なんて臨場感あふれるサラウンド!!まるで目の前にカエルがいるかのようっす!!」

「読者の皆様にこの感動をお伝えできないのが残念ニャ!!」


「・・・しかし、何故”かえるのうた”?」

「・・・・ケロケロ軍曹24の元大尉だから?」

「アニメのオープニングソングとかではないのニャね」


ピポッ


「・・・あ、もしもし。陽か?」


渡来ムサカがスマホに向かって話しかけます。


「また”陽”さんですか」

「今度は何だろうね」

「今までの流れから次が想像はできるけど・・・遠隔でそれが可能ニャのか・・」

余談ですが、サンオイルの製造国名は、あるものの頭文字を並べたものです

その”あるもの”は今回のゲスト登場人物名にも関係しています

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