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四枚目 『where a bouts』 【6】


 【6】


 「……愛されているね」

 にやりと笑みを浮かべて、あたたかい紅茶を華は一口飲む。

 「……そうだね。それで、今回の展示のレイアウトだけど…」

 私はバックの中からレイアウトの用紙を取り出した。

 レイアウトはエクセルで、仕事ではないので目算で部屋の壁を、HPに掲載されているサイズを意識して、その大きさに対しての作品のサイズを四画の太字で線を引いたものを印刷したものだ。

 過去に仕事でちょっとした表示のレイアウトを考えてほしいと言われた時に、同じものを作っていた。 時間があるならば、実際に実物を置きながら、レイアウトを作った方がいい。だが、仕事でその場所で実際にあれこれ考える時間がないのなら、エクセルで作るのは席を離れる事もなく、紙に印刷しておけば、隙間時間で考えてシャープペンならば、消しゴムですぐ消せるし、私にとっては便利だ。

 「今度の展示に向けてのアクセサリーと、展示のレイアウトだけど…」

 「あ、分かりやすい」

 「こんな感じで考えていていい?」

 半分をアクセサリー、半分を絵に分けて展示するのも、見る側が分かりやすくていいとは思った。けれど、せっかく一人の展示ではないのだから、交互に展示をするのもいいのではと感じていた。

 「……交互に作品を展示するなら、同じテーマかくくりをつけて…隣同士で青系の色でまとめるとかアクセサリーを絵の中に登場させて、統一感出しても面白そう。身内がほとんど見に来るし、遊んでもいいよね」

 「……華のアイデアには、いつも驚かされる」

 「え? そうかな。浮かんだ事をそのまま言っただけ、だけど」

 華は自分のコップに紅茶のおかわりを淹れながら、そう言う。

 「うん、私は思い浮かばないから」

 その思い付きが、いろいろな実現可能な形に変わっていくところが尊敬する。

 絶対この方法で、こうでなければいけないという決められた形ではなく、まず、実現したい事を言い、過程については、相手にどうしたらいいのかを一緒に考える部分がうまれてくる。全部が指示ではないアドバイス型の上司があう人には、華は、相性があうのだろうなと思う。

 それに、自分がアドバイス型の上司を目指すとしても、それを行動している部分も尊敬できる。

 「華、頼まれていた内職終わったけど、次は…」

 奥から、春が1階に降りてきて、私に視線を向けるとそのまま用紙を見る。

 「これって…」

 「展示のレイアウトをエクセルの表で作成したものだって」

 「これ、HPに掲載しませんか? 必要ない人は必要ないと思うけど、あると助ける人もいると思います」

 「そう? じゃあ、お願いしようかな」

 「少し借りてもいいですか?」

 「家のパソコンの中に入っているし…あげるよ」

 「ありがとうございます。忘れないうちに、パソコンで作業して来ますね」

 そう言うと、春は2階に階段を上がっていく。

 「よかったね、仕事ができるパートナーに出会えて」

 「うん、本当によかったと思うよ」

 紅茶を飲みながら、華はそう答える。

 「ここをやってみて、よかったって本当に思う。いろいろな人に出会えて、歩んできた事を聞ける事もあるし、誰かの一歩を踏み出す背中を押せるのなら、やっている意味があると感じられるから」

 「……そう」

 「今回の展示のDMだけど、知り合いに送る予定だけど、それでいい?」

 「うん、いいよ」

 賑やかなになりそうだなと感じた。

 そして、展示をする頃までには、仕事をどうするのかを決めなくてはいけないなと思った。


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