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猫が書く徒然草  作者: 瀬古刀桜
同居にまつわるエトセトラ
7/89

知兄ちゃん、絶句する。

「琥珀」

なーに?

「なんか良い匂い、するんだけど・・・」

今日の夕飯、おでんだって京ちゃん、言っていたよ。早く行かないと冷めちゃうよ。

知兄ちゃんは立ち上がると、台所に向かった。

そして、再び台所で立ち尽くした。

「なんか、俺、夢を見ているのかな・・・おでんと炊き込み御飯、俺の大好物が並んでんだけど」

「何を言っているのですか・・・貴方・・・」

食卓の上には、おでん。

炊飯ジャーの中には五目炊き込み御飯。

「酒は・・・麦焼酎かな・・・それとも芋焼酎が良いかな。知センセ、どちらが良い?」

麦焼酎もいいし、芋焼酎も良いんじゃない。猫が酒の銘柄を判るのかといわれそうだけど。実は僕もいける口です。たまに、一口だけお相伴します。

「芋が良いです」

良いチョイスしています。

「さて、食べましょうか。頂きます。」

「頂きます。」

召し上がれ。



「旨い・・・旨いっす・・・俺、これから毎日帰ってきます」

むしゃむしゃと美味しそうに知兄ちゃんは御飯を平らげている。兄ちゃん、ホント美味しそうだねえ。

「いや、飲みに行くとか付き合いとかあるから。ああ、遅くなりそうだったら、連絡して。御飯の用意があるから。」

・・・これ、大家と店子の関係だよね。恋人とか夫婦の関係じゃないよね。

「いんや。毎日帰ってきます。こんな旨い飯食ったの久しぶりです。」

力説すると知兄ちゃんに、京ちゃんは笑った。



食器洗うと知兄ちゃんは言って、綺麗に洗っていた。

何だかんだ言っても知兄ちゃんも一人暮らしをしていたから、その辺りは一通りできる。

その後、京ちゃんはお部屋でお仕事。知兄ちゃんは居間でテレビを眺めていた。

僕は京ちゃんの部屋で居眠りした後、水を飲もうと思って居間に戻った。

そしたら、知兄ちゃんがソファーで居眠りしていた。疲れているんだろうね。

僕は知兄ちゃんの腕の中に顔を突っ込んだ。

一緒に寝よ。兄ちゃん。

「琥珀?おや・・・」

男一人と一匹が抱き合っている姿に京ちゃんは、カメラで写真をとった。

「風邪ひきますよ。知先生」

京ちゃん、無理だよ。知兄ちゃん、熟睡している。

「しょうがないなあ。」

京ちゃんは部屋に戻ると、毛布を手に戻ってきた。

「琥珀。しばらく一緒にいてあげて」

はいです。

ん?京ちゃん、何やってんの?

嘘!!

恋愛音痴=京ちゃん、頑張った。

息子は嬉しいです。


京ちゃんが部屋を出ると、知兄ちゃんの眼が開いた。そして次の瞬間、ゆでダコのように真っ赤になった。

ちなみに。

僕はタコは食べられないけど、ゆでたタコは見たことあります。たまに京ちゃんが茹でているの見ているから。

「キス・・・された・・・琥珀・・・どーしよう。」

がんばれ、知兄ちゃん。

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