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猫が書く徒然草  作者: 瀬古刀桜
クリスマスです。
52/89

魔法使いリターンズ

逃げ出したのは良いけど、どうしようか。

僕は雪を咥えたまま、島原高校の文芸部部室に向かった。今日ならあの二人もいるだろう。

「ぱぱちゃん、どこいくの?」

「パパのお友達のところだよ。」


部室に入ると何故かミシンの音が響いていた。

此処、文芸部だよね。

何で?

がたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがた

部屋に入ると呆れ顔の三浦くんと、何故か真剣そのもの一心不乱でミシンを動かしている柏木くんの姿が合った。

「何やってんの?柏木」

「「うわぁあ!!」」

アタクシの言葉に、柏木くんは椅子から転げ落ちた。

「白のドレス・・・?」

「猫がいきなり!!」

おや、三浦くんもとうとう見えるように。

「下僕二号もとい弟子二号と言ったところかしら・・・」

「三浦・・・人間型の琥珀様。俺は半年ぐらい前から今のお前と同じように、猫が人間に見えるの・・・」

「・・・」

三浦くんは、眼を開けたまま気絶していた。

まあ、普通の人間の反応だわね。

アタクシはあらあためて柏木くんに向き直った。

柏木くんは逃げ出そうとしているが、無理だろう。

小型ウェポンがいるんだから。

「ゆきなの。かしくん、だっこ。」

白のロリータワンピをきたオッドアイで銀髪の幼女に、柏木くんは脚から崩れ落ちた。

雪の愛らしさに落ちない男はいない。

「で、これは何かしら?弟子一号」

「えっと・・・ウェディングドレスもどきでございます。」

しどろもどろに応える柏木くんに私は笑ってしまった。

この子なりのクリスマスプレゼントといったところか。

「・・・良いデザインね。ありがとう。」

「おにいちゃん。ありがとなの」

アタクシと雪の言葉に、柏木くんはしどろもどろになった。

雪の人間形態を見るのは、柏木君も初めてだから、驚いたようだ。

「多分君のことだから、【取材に協力して】とか言って、着せてくれるつもりだったんでしょ」

「・・・参ったなぁ・・・琥珀様にはお見通しか」

「共犯者は賢兄ちゃんって言ったところかしら。」

近くに合った椅子に腰掛ける。雪は窓辺に腰掛けた。

「ええ。教頭に相談されまして。【魔法使いリターンズ】ですね。京子先生のスリーサイズは頭に入っいたんで、割と簡単でしたよ。」

白地に金の刺繍が施された布を贅沢に使ったマーメードドレス。

これ、似合いそう。

「後は、知先生次第ってトコですかねぇ。ここ、キリシタン系だから、教会もあるし。」

「・・・企んだわね。」

「何故かこんなの用意しているんですよ。教頭」

柏木くんは、あるクリアファイルを見せた。

アタクシはそれを見て、爆笑してしまった。

だって、クリアファイルの中には、「結婚届け」が入っていたんですからねぇ。

「明日は、面白いクリスマスになりそう」

「とりのまるやき、おなかいっぱいたべるの〜」

雪の言葉に、アタクシは笑ってしまった。

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