心を持った人形の話
僕は人形としてこの世に生まれた。作った人は僕に●●●と名付けてくれた。一番見えやすいところに飾ってくれてた。とても大事にしてくれた。ほつれたらすぐ直してくれた。
ある日、作った人がなくなった。ご主人様のもとから僕は離れることになった。今度はガラスのケースの中に入れられた。毎日たくさんの人が見ては去っていく。このまま僕はだれのものでもないまま過ごすのかな。
ある日、僕は小さな女の子に買われた。女の子は僕のことを大事にした。いつも抱っこしていた。ほつれたりするといつも怪我しそうにながらもなおしてくれた。外に連れ出してくれた。たくさんのものを覚えた。
ある日、僕は捨てられた。女の子が大きくなって、ぼくがぼろぼろになったから。ぼろぼろの人形はださいって女の子は言った。僕は一人ぼっちになった。
ある日、僕は拾われた。今度は作った人に似た雰囲気があった。多分人形を作ってる人なんだろう。
人形師は本当に人形を作っていた。僕は人形師さんに直してもらった。また僕はきれいになった。人形師さんは作った人と違って僕をいつもガラスのケースに入れている。少し窮屈だと思った。また外に出たみたい。たまに人形師さんが僕にあった服を着せてくる。人形師さんの自作みたい。たくさんの服を着せてもらえた。
ある日、人形師さんはなくなった。僕は人形師さんの友達という人のもとに渡った。お友達さんは毎日僕を連れまわっていた。ケースに入れられていたから声は聞こえなかった。ただいつも小さな子供がいるところに連れて行った。多分早く僕をどこかに行かせたいからだと思った。
ある日、僕はお友達さんから離れることになった。多分売られたんだろう。今度は若い夫婦に貰われた。若い夫婦は毎日幸せそうだった。お母さんのほうは日が経つにつれおなかが大きくなっている。赤ちゃんがいるのかな。僕はその子のおもちゃになるために買われたんだろう。元気な子に育つといいな。
ある日、僕は捨てられた。夫婦の間に子供ができなくなったから。僕は要らない者扱いされた。でもゴミ箱やゴミ捨て場じゃなくちゃんと雨が当たらない、人が来ないような場所に捨ててくれた。運がよかったのかな。
ある日、僕は体が少しずつだけど動くようになった。神様が動けるようにしてくれたのかな。僕は少しずつ動く練習をした。今は2、3歩で疲れる。もっと練習して遠くに行けるようになりたい。
ある日、僕は歩いても疲れなくなってきた。言葉はまだしゃべれない。毎日の散歩が僕の日課になった。でも人に見つかると怖いからドキドキした。人が来ないからと言って完全に来ないとは言えない。たまにごみとかを捨てに来るから。僕は怖くてすぐ逃げて隠れる。たまに人形が捨てられる。僕はその人形たちを集めている。仲間だから。
ある日、僕はしゃべれるようになった。少しずつだけど言葉が出る。僕は散歩に出かけて気分がよくなったら歌を歌うようになった。女の子が歌っていた曲やなんとなくでリズムをとってみた鼻歌だ。生きていることが楽しい。もっとしゃべれるようになったら旅に出よう。人形には悪いけどいつか戻ってくる気でいる。
ある日、僕は旅に出ることにした。人形だからご飯の心配はない。動物は怖いのでゴミの中から武器になりそうなものを包んで持っていく。あとはお金だ。人の中に出るってことはお金が必要らしい。僕は何度かお金のやり取りで人をわたっていたし。またゴミをあさる。小さなお金みたいなのが出てきた。とりあえずこれも持っていく。これで準備はいいはず。さあ旅に出よう。僕は大きく一歩、外に踏み出した。
初めて投稿した作品です。
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