表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界に浮かぶ町、ひまわり市 ー転移した山奥のまち、異世界対応中!ー  作者: ひまわり あおい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

173/1037

第173話「天空市役所、防災ドローン緊急テスト!」

【朝・ひまわり市役所 屋上】


 初夏の風が抜ける屋上で、勇輝は折りたたみ式の操縦端末を調整していた。横では、美月が資料を抱えたまま不安そうにそわそわしている。


「主任、本当に今日やるんですか? 天空国から借りた“高次元防災ドローン”、まだテスト1回しかしてませんけど……」


「今日を逃すと、天空国側の担当官が帰っちゃうんだよ。ほら、美月、マニュアル読んだら意外と簡単そうって言ってたじゃないか」


「読んだら逆に怖くなったんですってば!」


 美月が叫んだ瞬間、空からふわりと光の扉が出現した。


「おはようございます、地上都市の皆さま」


 現れたのは天空国の技術官――淡い青の制服をまとった青年・ライゼル。


「本日の実証実験、予定通り行います。心配いりませんよ。ドローンは高度2,000メートルでも暴走しない設計です」


「いや、そこ心配ですけど!!」


 美月が両手を広げて抗議する。


 


【テスト開始】


「――離陸、開始します」


 勇輝の声と同時に、球体ドローンがゆっくり浮かび上がる。淡金色の魔力ラインが走り、空気が震える。


「すご……市役所装備でここまで未来感あるの初めて見た……!」


「美月、実況してないでデータ取って」


「は、はい!」


 だが、順調だったのはここまで。


 ピピッ――と端末が鳴り、画面に赤い警告が走る。


「主任!? ドローンが……太陽光を“魔力源”だと思い込んで、自己強化モード入ってます!!」


「なんでそんな学習するんだよ天空の技術!!」


 ドローンはキュインと音を立て、魔力翼を展開。瞬間、風圧が屋上を吹き抜け、美月の書類が盛大に宙へ舞った。


「きゃああああ! まだ提出してない防災計画が——!!」


「後で回収する! 勇輝、制御は!?」


「ダメだ、パワー上がりすぎ! 手動制御に切り替える!」


【空中大追跡】


 ドローンは屋上から離れ、ひまわり市の上空へ直進。


「ちょっ……あれ、市の上空で暴走したら大問題じゃないですか!!」


「だから今止めるしかないんだよ! 美月、空域マップ開いて!」


「了解っ!」


 勇輝の指が端末を素早く走り、ドローンの進路に強制停止コマンドを送る。


 しかし――


 ピッ……『拒否。自己判断優先』


「拒否!? そんな市役所みたいな返事するな!!」


「課長!? あれ、温泉街の方向向かってません!!?」


「やばい、このままじゃ露天風呂ののれん全部吹き飛ばされる!」


【最終手段】


「……ライゼルさん! 天空国の“上書き魔法”で止められますか!?」


「できます。ただし――この場で詠唱すると、ちょっとだけ眩しいですが」


「お願いします! 市民の平和の方が大事です!」


 ライゼルが杖を掲げると、青白い光が空へ向かって走り――


 バシュッ!


 飛行中のドローンが一瞬で停止。

 そのまま無害化され、屋上へふわりと帰還してきた。


「……止まった……!」


「ほっ、心臓に悪い……!」



【収束】


 ドローンが静かに着地すると、勇輝は深い息をついた。


「今日の反省点。――“天空国製の機械は調子に乗るとすぐ自己判断を始める”。以上」


「メモっときます!!」


 美月は散らばった書類を抱え直し、またため息。


「でも、見ました? 市の上空であんな高度な防災テストできるなんて……私たち、もう普通の市役所じゃないですね!」


「普通じゃないのは昔からだよ」


 勇輝が苦笑すると、美月は元気よく胸を張った。


「じゃあ今日も、異界と地上のために! ひまわり市、広報全力でいきます!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ