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異界に浮かぶ町、ひまわり市 ー転移した山奥のまち、異世界対応中!ー  作者: ひまわり あおい


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第167話「異界温泉、スライム大運動会!」

 ――ひまわり市の温泉街。

 湯気が立ち上る朝、静かに見えた街に、突如として騒ぎの気配が漂う。


「主任! 大変です!」

 美月が息を切らしてオフィスに飛び込む。

「今度は……何ですか?」

 勇輝は眉をひそめながら椅子から立ち上がる。


「温泉街にスライムたちが集結して、大運動会を始めたらしいです!」

「……大運動会?」

 勇輝の声に、美月は目を輝かせる。

「はい! どうやらスライムたちが自分たちの運動会を開催するため、町全体の温泉 を競技場代わりにしているみたいです!」


 加奈も駆けつけ、眉をひそめる。

「また町が巻き込まれるのか……でも、スライムたちは可愛いからまだ救いがあるかも」


 ――温泉街に到着すると、目の前には大小さまざまなスライムたちが浮かぶ。

 大小のスライムが、温泉の湯船や歩道を駆け回り、プール代わりの足湯で跳ねる。

「きゃあっ!」

 美月は思わず飛び跳ねる。温泉の水しぶきが服にかかる。


「主任! スライムが通行人を巻き込んでます!」

 勇輝は周囲を見渡す。

 スライムたちは温泉をコースにして、勝手にリレーや玉入れのような競技を始めていた。


「まずは競技場を整理するしかないな」

 勇輝は手元の魔法調整棒を取り出し、スライムたちの動きを制御しようと試みる。


 美月は小さなスライムを抱え上げ、応援しながら叫ぶ。

「頑張れ! こっちに来ちゃダメ!」

 加奈も商人や旅館の従業員と連携し、観光客が巻き込まれないよう誘導する。


 ――しかし、スライムの群れは自由奔放。

 湯船の中で玉を転がしたり、足湯に飛び込んで競争したり、温泉街は瞬く間に水浸し。

「うわー、水浸しだ!」

 美月が叫ぶ横で、勇輝は冷静に声をかける。

「被害を最小限にしつつ、スライムたちを運動会から退出させる!」


 ――作戦開始。

 勇輝は魔法でスライムの進行方向を誘導。

 美月は小さいスライムを抱え上げて元の湯船に戻す。

 加奈は観光客と従業員を安全な場所に避難させる。


「よし、少し秩序が戻ったな」

 勇輝はほっと息をつく。だが、スライムたちはまだ元気いっぱい。


「主任! スライムが温泉の源泉まで使って大ジャンプしてます!」

 美月の声に、勇輝が目を見開く。

 スライムたちが源泉の湯をジャンプ台代わりに飛び回る。

「……まったく、こいつら手ごわいな」


 ――しかし、運動会も終盤。

 スライムたちは満足したらしく、湯船に戻って休む姿勢を取り始める。

 美月は息を切らせながら、勇輝に向かって笑う。

「はぁ……もう、次から次へと何でこうなるんですか!」

 加奈も笑いながら言った。

「でも、スライムたちが喜んでくれたなら、まあ良しですね」


 ――その時、市長が現れた。

「ふむ、温泉運動会か……なかなか面白いな」

 勇輝は苦笑い。

「市長……こんな時も、見物ですか」

「見物も大事な仕事だからな」

 市長は笑みを浮かべ、スライムたちを眺める。


 美月が湯船のスライムを抱え上げ、勇輝に向かって叫ぶ。

「主任! 次は何が起こるんですかー!」

 勇輝は深いため息と笑みを浮かべる。

「……まあ、ひまわり市らしいってことだな」


 ――こうして、温泉街スライム大運動会は、笑いと湯気の中で幕を閉じた。

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