7 ネネリさん 太陽にお願いをしてみるなど
一緒に入ってきたのはティティカです。
目が真っ赤です。
わたし、選ばれなかったの。
ティティカはノノエに抱きついてわんわん泣きはじめました。
ネネリは少しホッとしました。モモエやススミの話を聞いた後では、ティティカが街長の弟に嫁ぐことことには賛成できません。
影も言いました。
選ばれなくてむしろ良かったんだと思うよ。
お嬢さんは気落ちしているかもしれないが。
街長の息子よりも年下の娘を嫁に、と言うのもどうかと思うしね。
結局、大変グラマラスな女性が選ばれたのだそうです。
村や里から来たほかの女性たちは、そのまま残り、新しい嫁の仕え人となるようにとのことでした。
ムリだもん! とティティカは言いました。
ノノエは、え、私も残るの? と驚きました。大変いやそうな顔でした。
泣き叫ぶティティカを見かねて、影が連れ出したとのことでした。
婚姻の議は夜に執り行われる。それまでに、有志の者で街を出るつもりだ、と影は言いました。
モモエが言いました。
夜ね……準備が間に合うかね。パムをもう少し焼いておきたいし、冷ます時間も必要だね。ススミが言いました。
とにかく日が沈むまでにできることをしないとね。
ネネリはあれ? と思いました。
日が沈むのは遅らせることができるかも?
きょろきょろと周りを見ると、太陽がまだそのあたりでふわふわと漂っているのを見つけました。
太陽がランプの中に帰らなければ、夜はやってきません。
でも、フタが閉まれば、太陽は吸い込まれます。
トトルとリリエ、そして双子たちにランプのフタを閉めないで、と伝えたいのですが、どうしたらよいのでしょう。
ケッコーとモウケッコーの口をふさいだとしても、双子たちは使命感を持ってランプのフタを閉めそうです。
ネネリはふわふわと漂っている太陽を見てひらめきました。
太陽さんより先に帰り着けたなら。
影さん、モモエさん、夜が来るのを少しだけ遅らせることができるかもしれません。
ネネリは言いました。
ロバを貸してください。
影が言いました。
ロバでは太陽が帰るよりも早く館にたどり着けないかもしれないよ。
確かに、街に来るときも、ロバはポクポクとゆっくり進んでおりました。
やはりダメか。
それでは、太陽さんに、かくかくしかじかで、ランプに戻るのを少し待ってほしいと、ランプさんと双子たちに伝えてもらえないかしら?
ネネリは太陽にそっと近付いて聞いてみました。お願いできますか?
太陽は、ムリだと思う。と言いました。
今までフラフラしすぎて、ランプに戻りたくない口実だと思われてしまうかも。
さもありなん、とネネリは思いました。
ネネリさん、色々考えます。




