表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偏愛霊  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/93

第41話 新たな問題

「吸収……? えっ、いや、それってどういうことなんですか?」


「そのままの意味さ。喰呪霊は新村美夜子さんの一部になった。簡単に言えばパワーアップしたわけだね」


 棺崎はとんでもない説明をする。

 嘘だと信じたいが、たぶん本当なのだろう。 


 美夜子の力にあの厄介な黒い手が加わったとすれば、もう誰も勝てないのではないか。

 俺が露天風呂で見た繭は吸収後の姿だったのだろう。


 あまりにも悪い知らせである。

 事態は好転どころか間違いなく悪化していた。


 俺は走行中なのも構わず棺崎に詰め寄って責める。


「美夜子の力を削ぐためにここまで来たんですよね。逆効果じゃないですか!」


「私も予想外だったのだよ。こんな現象は滅多に起きない。互いに共鳴する要素があったのだろう。心当たりはないかね」


「いえ……何も」


 俺は勢いを失って黙り込む。

 冷静に応じる棺崎を見て怒りや焦りが鎮まってきた。

 どうせここで慌てたり、棺崎に八つ当たりしても意味はない。

 誰もそんな結果を予想できるはずがなかった。

 少し気持ちを切り替えた俺は、ふと閃いて訊く。


「あっ、そうだ! 喰呪霊が混ざったことで、もう俺を狙わないとかありますかね」


「絶対にない。吸収してもベースは新村美夜子さんのままだ。今後も変わらず襲撃を受けるだろう」


 そう都合の良いことは起こらない。

 現実はどこまでも非情なのだ。

 とりあえず受け入れるしかなかった。

 俺は運転中の佐奈に声をかける。


「怪我はしてないか」


「こっちは無傷よ。それより自分の心配をしたら?」


「え?」


 指摘されて初めて気付く。

 手足に紫色の痣がいくつも浮かんでいた。

 服をめくると同じような痣が広がっている。

 触れても特に痛みはないが、絶えず濃淡や形状が流動している。


 俺は痣を強く擦ってみる。

 薄れたりすることはなく、やはり流動を繰り返すだけだった。

 自分の身体の異変を目にした俺は動揺する。


「うわ、何だこれ!」


「君は喰呪霊の攻撃で全身に呪いを負ったのだ。このままだと死ぬよ」


「はぁ!? どうにかできないんですか!」


「解決法はある」


「お願いです、教えてください!」


 俺は泣きそうになりながら頼み込む。

 棺崎は愉快そうに微笑んだ。


「心霊系に強い闇医者を紹介しよう」


「や、闇医者……」


 自分の顔が引き攣るのを自覚する。

 嫌な予感しかしない。

 だが、他に選択肢はないのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] オカネ…オカネ…モットカセガナキャ… 共鳴する要素が伏線の予感
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ