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発達障害の自分のこと

作者: 夜空タテハ

 自分はきっと、無意識に人との繋がりを求めているのだろうなと思う。そう自覚している時点で、「無意識」ではないだろうか?

 人との繋がりを心の底では求めていながら、人とうまく接することができずにいる。

 自分は発達障害で、コミュニケーションがうまくいかないのは仕方がないことで……なんて言い訳はできるけれど、それを言い訳にしたくはないなとも思う。

 かといって、どうすれば人とうまく付き合っていけるのかわからない。

 小中学校の頃は、友達と言える関係の子もいた。でも、学校を卒業してから、ろくに連絡を取っていない。

 フィクションの中でよく見る同窓会なんて幻で、実際に同窓会なんて開催されることはないと思っているけれど、自分に連絡が来ないだけで地元のどこかでやられているのかもしれない。

 自分から連絡を取ろうとしても、もう今の連絡先なんて知らない。どうすることもできない。新しく友達を作るということが、大人になってからはとても難しいことなのだと、痛感する。

 大人になって新しく「友達」を作るというのは、恋人を作ることよりもはるかに難しいのではないかと思う。

 恋人も、今までの人生で一度もいたことはないから、わからないけれど。

 恋人も欲しくないと言えばウソになるかもしれないが、自分は恋人よりも友達が欲しいなと思う。

 けれど、大人になって、今更、友達なんてどう作ればいいのかわからない。

 大人になってからの友達という関係性は、とても難しいものだと思う。どうしたらいいのだろうか。

 なんて考えてみても、答えなんて出るはずがないのである。

 シンデレラ症候群、でもないけれど、いや、似たようなものかもしれない。どこか、いつか、友達になってくれるような誰か、なにか、きっかけさえあれば……と願わずにはいられない。

 待っていたところで自分から行動を起こさなければ何も変わらない、それはわかってはいるつもりであっても、自分から行動を起こすというのはとても勇気がいることで、とても難しいことだ。

 フィクションのような青春を送りたかった。大人になって後悔していることは多い。

 自分の高校時代は、青春なんて言葉とは縁遠いものだった。一年生の冬に精神に支障をきたし、病院に通うようになり、二年生になってどうにか学校に顔を出すことはできなくもなかったが、そのまま進学するのは難しく、通信制の高校に移ることになった。

 通信制の高校では基準が違うだとかで進級することはできて、留年とまではいかなかったけれど。通信制の高校は、居心地は悪くなかった。友達、と言ってもいいかもしれない仲の子もいた。けれど、高校を卒業したらそれっきりだ。

 今は引っ越して地元を離れていて、もし連絡を取れたとしても気軽に会うことは難しい。

 フィクションの中の、青春を謳歌している人物たちに憧れる。大人なのに友達がいて、恋愛相手がいて、人と繋がることができている人間に憧れる。

 けど、憧れるだけ。自分から動くことなんてできやしない。

 こんな自分に、何があれば友達や恋人ができるというのだろうか。

 いっそのこと、死んで異世界転生することにでも賭けてみようか? なんて思ってみる。

 でも、自殺なんてする勇気はないし、事故死を望むなんてそれこそいけないことだ。

 結局、自分は今のまま、どこへも動くことができず、現状からなにも変えられず、人と繋がることなんてできないままなのだ。

 きっと一生、こうしてうじうじ考えながら生きていくんだ。

 都合のいい出会いなんて、現実に存在しない。宇宙から来た転校生も、未来から来た自分の孫も、そんな都合のいい存在なんて、実際に現れてくれることはない。

 そんな人生だ、って諦めたいのに、諦めきれず、人との繋がりを求めてしまっている。

 人との繋がりを求めているのに、動けずにいる。そんな自分が、これからの人生で幸せになれるのか?

 これからの人生で幸せになれるビジョンが見えなさすぎて絶望に沈む夜もある。

 いっそのこと死んで楽になれたら、なんて思っても、実際に死ぬ気にはなれない。

 ずっと苦しいまま生きて行くのか? 心配で不安で苦しくて悲しくて悔しくてたまらなくなっても、どうすることもできない。

 この世界は、私には居心地が悪すぎる。息苦しくてたまらない。いっそのこと異世界転生でもできれば、なんて思ったりしても、異世界でうまく生きていける自信もない。

 異世界なんて、そもそも言葉が通じるのか、魔法があるのか、服は、仕事は、どんな生活が標準なのか、何もわからず未知の世界に放り込まれて、本当に生きていけるのか?

 異世界でなくて現実世界でも、うまくいかないのに、異世界でなんてもっとうまくいかないだろう。

 こんな自分が生きていくには、どうしたらいいんだろうか。

 なんて考えても、うまい答えになんて自分では辿り着けないのである。

 都合よく現れてくれる未来人や宇宙人に思いを馳せても、実際そんなものは存在しない。

 物語の中でくらい、自由なんだから、好きにやればいい?

 頭ではそう思っても、そんなに都合の良いフィクションを楽しんでくれる人間がいるだろうか? と思ってしまう。

 こんな身にならない文章を読むよりも、都合の良いフィクションの方がよっぽど有意義かもしれないが。

 これは発達障害の私の、リアルともリアルじゃないとも言えない、感情の吐露。

 わかる人だけわかってくれればいい。つまらないと思うなら読むのをやめてくれ。

 都合の良いフィクションを、書いてみようか、と思うこともある。

 未来から、あるいは宇宙や、異世界から? 美少女あるいは美少年が飛び込んできて、友達になってくれて、……そんな都合の良いフィクション。

 でも、そんなものはもう何番煎じかもわからないくらい量産されているだろうとも思う。

 けれど、自分にしか書けない自分だけのものがあるんではなかろうか、なんて理想も掲げてみせるものの、うまいこと文章にできずにいる。

 自分は所詮その程度の人間なのだ、と諦めかけているが、諦めたくないのが、自分の素直な気持ちである。

 だからこそ、今こうして文章を書いている。諦めたくない。その気持ちが自分を突き動かす。

 賞を取っても、その後にどうなるのかなんて自信はない。それでも、賞を取って、デビューしたい。できればもっとたくさんの人に自分の文章を読んでほしい。

 そのためにどうすればいいのか、独学で学んできたというよりかは、今まで読んできたフィクションから吸収してきたものだけでは、足りないのではないかとも思う。

 ちゃんとそういう学校に通うか、学校ではなくても人に習うかした方がいいのかもしれない。

 どうするのが正解なのか、今の自分にはわからない。

 けれど、わからない正解を模索しながら、これからも生きていきたい。文章を書いて生きていきたい。できれば文章でお金を貰って生きていきたい。

 その夢を叶えるためにどうしたらいいのか、今はわからないけれど、もしかしたらいつまで経っても一生わからないのかもしれないけれど、諦めたくない。

 何を書きたい文章だったのかわからなくなってしまった。そろそろ終わりにしようと思う。

 発達障害エッセイなんて書いてみたら需要はあるだろうか?

 考えてはみるけれど、実際にうまく書けるかわからない。おもしろく書ける自信がない。

 人に興味を持ってもらうというのは、難しいことだなと痛感する。

 ……そろそろ本当に終わりにしよう。今回はここまで。

 またいつか、自分の書いた文章を読んでもらえたら、嬉しいな。そんなことを思いながら、今日は眠りに就く。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても苦しいんですね。すごくいい文章だと思います。
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