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優希の大冒険  作者: にこまる
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優希の大冒険 9

ケイに魔物の群れに放り込まれたりしながら強引にレベルを上げ続けていた優希は、いつの間にか自らレベルを上げるために戦場の激戦区を渡り歩くようになった。その戦いで何度も敵の将を討つなど武勲をあげた。その功績が認められ、いつの間にか優希は団長権限で隊長になっていた。だがなぜ優希はいつまでもここにいるのか?この国の王都に火山の噴火を防ぐ手段を探しに行かないのか?それには訳があった。


優希はケイとサラに火山のエネルギーを拡散させる又は消滅させるような技術や魔法に心当たりはないかと尋ねた。しかし残念ながら心当たりがないとの事だった。科学技術はどうやら元いた世界の方が遙かに進んでいるようだった。唯一違うのは魔法技術だけ。しかしそれにしても四大元素を行使して生み出すものばかりで拡散や消滅させるものではないとのことだった。ただサラは人類80億人の命を賭けるにはあまりにも低い可能性だと前置きした上で、数百年前の文献で魔王が闇のオーラを使い、大陸の形を変える程の消滅魔法を使ったという記録があると教えてくれた。闇のオーラ自体は数十年に一度目覚める者がいるとのことだった。優希は二人に問いただした。その者はどこにいるのと。二人は顔を曇らせた言った。死んだと。闇のオーラを発現した者は自らもそのオーラに飲まれ消滅してしまうのだと。だが優希は諦めなかった。闇のオーラを発現した者はどこで発現したのだと問いただすと二人は初めて笑った。


「「戦場だ(よ)」」


ケイは過去一度だけ闇のオーラの発現を見た事があった。その状況は文献にもあるように絶体絶命の状況に陥った者が発動したのだが、敵を滅っした後、自も徐々に喰われ始めた。何とかその者を助けようとしたが、その時のケイの実力では近づく事さえ出来なかった。


「もしそのような者を助ける事が出来たならば、闇のオーラの謎を解明できるかもしれない」


優希はそれに希望を見いだした。だから王都に行かず、戦場を駆けずり回っているのだ。


優希は兵士が生きている限りどこにでも助けに行った。もちろん第一は命を助けるためだが、もしかしたら闇のオーラが発現していないかと、助けに行くといつも瀕死の状態になる自分に闇のオーラが発現しないかと期待しながら・・・


しかしある時、戦場で大事件が起こった。

いつものように優希が魔王軍を蹴散らしていたとき、突然優希目がけて大きな火の玉が飛んできて爆発したのだ。その爆発により敵味方関係なく甚大な被害がでた。爆心地にいた優希は咄嗟とっさに防御魔法を唱えた事によりダメージを軽減することが出来て無事だったが、それは優希だからだ。部下達は防御魔法の範囲内にいたにも関わらず全身に酷い火傷を負った。

瀕死の部下を救助しようとしたその時、背後から声が聞こえた。


「へ~~この攻撃を受けて無事とはね。やっぱりお前は面白いな。会いに来た甲斐があったぜ。しかもお前・・・違うな。クックックッ」


優希は仲間の救助を止め、話しかけてきた相手に向かって剣を向け全力で警戒した。

優希は全身から汗が吹き出るのを感じた。周辺で燃える木々から放出される熱のためではない。恐怖のためだ。


兵士達はその者が何者か一目で分かった。いやこの場でわからなかったのは優希一人だった。王国に生まれた者は、誰しも一度は目にする有名な子供を戒めるための絵本がある。その絵本の名は


『フレイムロード』

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