DWBA世界タイトルマッチ 17
カーーーーーーーーーーーーンッ
「第6ラウンドだ。答えは出たか蓮」
「俺は・・・可哀想と思ったんだ。そしてこんな事をしたお前を許せねえと憎んだ」
「ふむ、そうか。蓮よ、闇のオーラの本質に近づいて来ているぞ。だがもっと深く潜れ。その感情の本質は何だ?では行くぞ!」
・・・・・気が付くと俺はまたしてもコーナーポストにめり込んでいた。
「おい蓮、コーナーポストを何度も何度も折るんじゃない。直すのも大変なんだぞ!」
「馬鹿野郎リク!俺の心配をしやがれ!」
「ハハハッコーナーポストの心配が出来るようになったと言うことだ」
「そういえば気絶してねえ・・・魔王の言う通りなのか!?自然と闇のオーラの出力が上がっているのか・・・」
「蓮よ、怒りや憎しみが闇のオーラの本質ではないと言うのは本当かもしれんぞ。いや、おそらく本当だ」
「ちょっと待てよリク。でも実際に俺は―」
「聞け蓮、お前は魔王と出会ってから奴の怒った顔を見たか?」
「いや・・でもそれは魔王だから・・・」
「魔王だから笑顔でも怒っていると?その先入観が間違っているのかもしれん。逆に魔王は怒りや憎しみなど持っていないのかもしれん」
「馬鹿言え!魔王だぞ!?お前頭イカレたのか。このポンコツセコンドが!」
「だっ誰がポンコツセコンドだ!後で覚えておれ。だが結局お前しか本質に辿り着けんのだ。我の言った可能性を捨てるでないぞ」
「おう。でもリクの言う事が本当だとしたら・・・」
カーーーーーーーーーーーーンッ
「さあ第7ラウンドだ。どうだ蓮?」
「たしかにコイツは憎たらしいほど笑顔だ」
「ほう、さらに闇のオーラの本質に近づいたか」
「マジで!?闇のオーラってそうなの?」
「それは自分の身体で確かめたらいい。行くぞ!」
「ちょっちょっと待っ―」