異世界でも優希9
次の日、朝早くから都市郊外の山中にある広場で優希と特訓が開始された。
「昨日もエリーがチラッと言っていたが人にはそれぞれ属性がある。四大属性の火、水、土、風、あとレア属性として光と闇だ。今から蓮にどの属性に適正があるか調べる。なに緊張する事はない。今日から五日間、毎日違う属性攻撃を受けて瀕死になるだけだ。万が一死んだら後の事は任せてくれ。お詫びと言っては何だが、村は必ず私が奪還しよう」
流れるように説明する優希さんの言葉に看過できないワードが出てきた・・・瀕死・・・だと・・
「えっ瀕死ってどういう事?属性ってそんな風に調べんの?って言うか死ぬんですか?イヤイヤイヤイヤないないない!もう少しマシな方法はないんッスか?」
「ないないない」
大きな身振りでアピールするが顔がにやけている。これ絶対あるな。
「大丈夫、私は今までこのやり方でやってきたから。あとこの方法は攻撃を受けるから防御力アップにもつながるしコスパいいんだ。だからつべこべ言わずに死ね!じゃなかった瀕死になってね♪」
「出た!今本音出たよね!死ね、今死ねって言いましたよね?冗談ですよね?あっそうか。もう~~~勘弁してくださいよ~。俺昨日冒険者になったばかりだから冒険者ジョークはまだ通じませんよ~ハハハハハッでもそれも含めて指導お願いし―」
「炎よ、ムチとなりて我が敵を打ち払え!ファイアーウィップ」
優希が魔法を唱えると、炎のムチが蛇のようにうねりながら俺目がけて飛んできて体を締め付けた。
「ッッッギャアアアアアアアアア!熱い!熱いーーー!!!!やめっやめてーーーーーグウーーーーーーーッ」
もう激痛で声がでない。歯を食いしばり辛うじて意識を繋いでいる状態だ。少しでも気を抜くと冗談抜きで死ぬ。炎のムチは肉に食い込み容赦なく肉を焼いていく。恐ろしく強く絞められたムチは無慈悲に俺の命をじわじわと凶悪に搾り取っていく。必死の抵抗もむなしく俺は意識を手放してしまった。