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超有名人高校生が普通に学校生活を送りたいので本気で変装してみました  作者: 赤坂白
高校生から始める変装生活〜一年生編〜
1/3

第一話 入学式

この度は、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。新たに、改稿して書きました。これからもどんどんこちらで投稿していくので、よろしくお願いします。

 とある高校の入学式のこと。



「一同着席、新入生代表 柳木 龍」



 この日の春の日差しが自分の体を暖かく包み込もうとして、外に立つと、空気が耳の中になだれ込み、静かにこだまする。


 今日は学校で大事な式がある。


 寒い高校受験を乗り越えて、新年度を迎え期待を胸に意気揚々と訪れる中、彼は今年の新入生である。


 入学試験で一位の座を取り、この体育館の中央にある赤いカーペットを歩き、壇上に上がって、新入生全員の前で挨拶をする。



「一同礼」



 それに合わせて彼も新入生全員と一緒にお辞儀をする。そして、新入生代表として答辞に書かれている文章を読み上げる。



「………」



 こうして一通りの文章を読み上げた後は、自分の席に戻り、一番大きな役目を終える。


 体育館の中で、先生の説明を受けて、しばらく時間が経つ頃には、自分が一年間通う新しい教室に向かう。


 そんな彼の入学式での姿はというと、服装は制服で黒髪のシンプルショートに伊達メガネをかけて、おまけにマスクまで着用。こうして見ると陰キャラの格好をしている。つまりは変装をしている状態だ。


 変装を解いた彼の姿は、茶髪でナチュラルなショートヘアーで顔が整っている超絶イケメンである。


 そして、超人気モデル・俳優の超有名人だ。


 彼は学校の過ごし方までこだわり、自分をあまり主張せず、存在感を薄くして、静かに過ごしていくようだ。確かにその方が変装をしていくには都合がいい。


 そうして、学校の廊下を歩きながら学校での過ごし方を考えている。


 そんな中、階段の曲がり角で突如誰かとぶつかった。


「きゃ……!」


 女の子の悲鳴が耳もとに届く。それに気づいた僕は


「ご!ごめんなさい……」


 彼女にすぐさま謝り、怪我をしていないかを確認する。


「あの、お怪我はありませんか?」


 ひとまず彼女の手を引っ張って起き上がらせた。そして、彼女はニコッと明るい笑顔を向ける。


「うん、何ともないよ」


 彼女の反応を見て、一安心した。


「私の手を引いてくれてありがとね、それとちゃんと前を見ていなくてごめんね」


「いえ、それは自分の不注意が招いたことですので…」


 互いに謙遜し合う中、じっと彼女をよくよく見ると見覚えのある顔がそこにあった。


 それは僕が小学生の時から、見知った顔である。雰囲気もだいぶ大人びたような感じがするが、かなりの陽気でもある。


「あっ!もうすぐ始業のチャイムが鳴るからまたね!」


 彼女は急いで教室に戻った。


 ここで出てきた彼女の名前は久野 姫菜(くのひいな)。透き通るようなピンクのセミロングに、色白の艶々肌を纏い、胸も大きく。ちょっとしたあどけなさを―見せるが、ここ秀名学園の中では、一位、二位を争う超絶の美少女である。


 この後の日程は、今日が入学式ということもあるため、早く下校して、家に帰り、明日のことに備える。



 ―その翌日―



 朝早くに起床し、洗面所に向かって、変装ができているかどうかを確認する。やはり、自分の変装は抜かりなく施さなければ、返って不安になる。


 変装の準備を終えたあとは、朝食をとり、学校に行く。


 僕は家族に仕送りをしてもらいつつ一人暮らしをしている。


 家は埼玉県のマンションを借り、ここから、家までの道のりは、電車を利用しながら三十分かかる。


 通学中に僕と同じ制服を着ている人は、あまり見かけない。


 学校に着いて、席に座る頃には、本を両手に持って読書をする。


 そして朝の朝会が終わり、一時間目の授業が始まり、先生の案内のもとここの学校の中の教室や他のところを見て回る。


 三時間目の授業後の放課に差し掛かったときは、教室を出て、他の教室に向かう。その途中、後ろから女の子の声が聞こえた。


 後ろを振り向くと


「私に気づいたみたいでよかった、あなたに一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」


「はい」


「もしかして―りゅうくん―なの?」


「え……?」


 いきなりの事に頭が混乱し、冷や汗を流す。


「もし、あなたが本当にそうなのか確認していい?」


 ここは、変装している事がバレないためにも一役買う。


「それは…恐らく人違いではないでしょうか?その人は同姓同名だと思います」


「う〜ん…確かに言われてみれば雰囲気も違うからきっとそうなんだろうね……私の勘違いでごめんね」


 彼女には申し訳ないがここでバレるわけにもいかない。


「もうそろそろ移動教室の時間になりますので、僕はこれで失礼します」


「うん、私の話を聞いてくれてありがとね」


 それぞれの教室に足を運び、ひとまず呼吸を落ち着かせた。

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