表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/54

第13話 軍服


 千代の背後に立ち上がった辻斬りが刀を振り下ろそうとしたが、一瞬早く佐奈の鎖鎌が巻き付いていた。辻斬りは苛立った様子で鎖を引いて佐奈を激しく引き倒し、同時に丸太のような足で千代を吹き飛ばす。その体が宙を舞い、民家の塀を突き破っていった。


 ひひひと嗤う辻斬りの足に十五郎が斬り付ける。関節部分をわずかにそれて金属的な音が響き、倒れこそしないものの、辻斬りは巨体をぐらりと揺らした。


「軍服かぁぁ!」


 これまた辻斬りから若い女の声。


「寄ってたかって私の邪魔をするなぁぁ! 私の腕を返せぇぇ! 忌々しい軍服めぇぇ!」


 いなすように十五郎を蹴り飛ばし、琴葉以外に立っている者がいないことを確かめると、辻斬りは満足気に頷いた。


「あの軍服かと思ったら違うじゃないか。弱い弱い、あいつ一人の方が強かったなぁ」


 言いながら、琴葉を見て舌なめずりをする。


「あの女の娘だぁぁ。間違いない。その腹、掻っ捌いてくれる。これで本当の鬼になる。橋を渡る幸せそうな女たちを永遠に呪ってやれるなぁぁ。ひひひ」


 恐怖で動けない琴葉に向かって刀を振り下ろそうとした辻斬りの動きが止まった。


 その周囲を白い紙がひらひらと舞っていた。正三が飛ばした紙の蝶、胡蝶の舞である。それに気を取られている隙に佐奈が琴葉を引き寄せる。


 獲物を奪われた辻斬りは、怒り心頭の様で正三を蹴り飛ばすと、佐奈と琴葉の元へ歩を進めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ