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また人が死んだ

作者: 武田道子

また人が死んだ



また今日も人が死んだ

一人でもなく 二人でもなく 十人でもなく

数え切れないほどの人々が

なんてことはなく

一生懸命に働いて

自分たちの生活を立てている

蟻たちを無残にも

知らないうちに

踏みつけて歩くように

ニュースに流されれば

人は自分たちの目を焦がし

穴があくほど

スクリーンを貪り見る

でも知っている

私は

それは空気を吸うほどにも

労力が入らないことを

瞬きをすれば

流れていった記事は

エレベーターの中の音楽のように

意味のないものになることを


人が死んだ

尊い生命が一瞬のうちに

消えた

ニュースが映し出す

場面は

大皿にグロテスクに盛られ

野生に帰った人の前に

置かれる

人が死んだ意味

それは何だ!

生きていたから

最期が来た

残酷であっても 平安であっても

最後は最期なのだから

もう少しだけ

死んだ人を

静かに

弔ってほしい



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