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飛べない雛と隣人硝子職人  作者: annkoくま
1/3

飛べない雛と隣人硝子職人の出会い

長くなりました。

陸上の話はあまり思い付かなかったので、とても面白い作品になればなぁと思います。

ちなみに雛の身長153センチです。

確かに…深夜は高いな。


いつも太陽が私を照らす。

一本の長い棒を持って、高い高いバーを飛ぶー…

あの爽快感は、何度も何度も感じても心地いい。

でも…もう、飛べない。

私はあの時の怪我のせいで、飛ぶ権利を失った。

私は、高校一年の清野 雛。部活は陸上の棒高跳びの選手…になりたかった。今は、帰宅部だ。

今日も学校帰り棒高跳びを見てから帰った。

そのあと本当は寮に帰ってごろごろするんだけど…。実は今日から私、一人暮らしします!

と、言っても両親が決めた約束事とか沢山あるけど…。


まずその壱、彼氏を作っても上がらせない。


これは、まぁ彼氏なんぞ出来やしないし…別にいい。


その弐、学校に遅れない。


…これは…いや、むずいな。寝坊する。


その参、学校帰り寄り道しない。


いやいやいや無理なんですけどー?!

ずっと家とか、つまんな過ぎだし!


まぁ、他にも沢山あるけどツッコミしたくなるから我慢する。


んで、話逸れちゃったけど私今からその家に行くんだ。ま、アパートだけどね。部屋は一階!



清野


うん、ここだ!


来たのは初めてじゃないけど、学校から帰ってきたのは初めて。

寮じゃないって、すっごくいい!

私帰宅部だから、陸部の先輩とかに凄く誘われる。

だから、大変なんだよね。

別に嫌ってわけじゃない。寧ろ嬉しい。

だけど…飛べないから。やっと諦めたのに先輩達に誘われるとまたやりたくなる。結局首を絞めてしまうだけだ。


っと、隣人にお菓子とか持っていくのが礼儀って両親から言われたっけ。

…持って行こう。


私の部屋は、一番奥の方。

お菓子を持って行く部屋は…えっと、カ、ラス?え?

鴉?なんでカタカナ?

…いいや、考えても仕方ない。


雛「ご、ごめんください‼︎」


シーン…

…い、居ない?


帰ろうかな?帰っちゃっていいかな?


ガチャ


い、いきなり開いた!しかも、気配なさ過ぎ!


?「…どもっす。」


…背ぇたっか。180以上超えてるだろ、これ。

しかし…髪ボッサボサだし、髭もはえてる。

服は黒だし…本当に鴉みたい。この人。


?「…何か用?」


はっ、思い出した!


雛「あの、私隣に引っ越して来た清野と申します。あの、これつまらないものですが…。」


…受け取ってくれるかな?


?「…高級和菓子でつまらないものって…アンタ、金持ちなんだな。」


む、ムカつく‼︎お礼だろそこは!


雛「失礼します!」



バタン


自分の部屋に戻っちゃった。でも、まぁいいよね?ちゃんと渡したし。


さてさて、寝るとしますか。忘れよ。




翌日


今日は土曜日!

天気もいいし、出かけよっかな〜!


ガシャン


…なんだ?


硝子が割れている…そこに一つボール?


「あっ、すみません!」


一人の野球少年らしき男の子がおっきな声で挨拶しに来た。


ドアを開けると野球少年。やっぱり…。

こんなの、アニメぐらいしかないと思ってた。

硝子が…泣


「…だ、大丈夫ですか?」


雛「うん、大丈夫よ!だけど、気を付けなさいね?私以外の家の硝子が割れたら大変だし。はい、ボール!」

私は笑顔で対応した。

そしたら、野球少年は笑顔になって、


「ありがとうございます!」


元気に走って行った。

元気ねぇー…。しかし、大丈夫とか言ってしまったが、硝子どうしよう。酷い有り様だよ。


?「ばーか。」


え?馬鹿?

振り返ると、そこには昨日の隣人が…。見ていたの?


しかし、馬鹿って何よ。


?「阿保だな。硝子こんなになってるのに大丈夫とか。」


うっ…。そ、それは後で…考える予定。


?「後でなんて考えてたら、硝子で怪我すっぞ。」


どうしよう。そうなんだよなぁ…。


雛「け、けど修理代が…」


一万円。昨日家賃払っちゃった。

しかも、食費とかあるし。


硝子一つ割れただけで生活出来ないなんて…。

親に金もらうなんて、嫌だし。バイトかぁ。

折角親離れしたのに…。


?「…修理。してやるけど?」


………は?

修理できるの?


?「なんだその目は。昨日の和菓子のお礼に、無料でやると言うのに。」


雛「で、でも硝子をどうやって。」


彼はいきなり、表札をさした。


昨日の…カラス、だっけ?


?「俺、硝子職人だから。」



…えーーーーーーーーーー⁉︎

じ、しゃああの表札…

嘘!

✖️カラス

◎ガラス


わ、分かりづらーーっ。


雛「あの、表札書き直した方が…」


?「あ、そうだな。忘れてた。」


忘れるか普通‼︎

どんだけだよ…!商売だろ⁉︎あんた…。


?「部屋、入るか?」


は?なんで?


?「だってお前の部屋硝子散らばってるじゃねーか。」


あ、そうか。


?「片付けてくっから、じっとしてろよ。」


はいはい。何様なんだか。しかも口悪っ!

彼の部屋を見ると、ごちゃごちゃしてて暗い。

一言で言うと、汚いな?!

ゴミやらなんやらいっぱいあるし。

どんどん奥に進むと、そこには…


彼の作品があった。

硝子の靴や鞄、陶器まで…。

綺麗だった。

部屋が暗いのに、明るい。

彼は、本当に凄い硝子職人なんだ。

私の中で彼の印象が変わった。


?「おい、触るなよ。」


…変わらなかった。


雛「触りませんよ。だって、触ったらすぐ壊れそうだし。」


?「……。」


彼はいきなり硝子の陶器を持って、私に差し出した。


雛「…え?」


?「アンタなら、大事に扱うかと思って。…少しだけなら触ってもいいぞ。」


雛「あ、ありがとうございます。」


そして、陶器に触れた。

あ…重いかと思ってたけど以外に軽い。

しかも、ツルツルしてて凄く綺麗…。


?「あのな、その陶器は親父と一緒に作った時のやつなんだ。」


へえ…そうなんだ。だから大事にしてたんだ。


?「他にも沢山作ったんだけど、全部母親が引っ越しの時とかに落としちまって…。」


…それが一番の原因かっ‼︎お母様のせいって。

私はそっと陶器を元の場所に戻した。

だって、あまりにもお母様のした事に衝撃的すぎて落としそうになるんだもん。


?「親父もう死んじまったからよ。今飾ってるやつしか思い出がない。」


そっか…。


雛「あ、あのとてもいい作品だと思いました!それは、お父様との思い出が沢山詰まっているから綺麗に光っているんですね。素敵です。」


彼は驚いた表情を浮かべたのち、微笑んだ。


?「ありがとう。」

照れながら。


…夢って凄いな。かっこよく見えてしまう。


雛「…昨日ちゃんと自己紹介してなかったので言います。清野 雛って言います!歳は16歳です!あの、アンタじゃ、ないですから!ちゃんと名前ありますよ!」


彼は笑った。…少しドキッとする。


?「んじゃ俺も。東谷 深夜、17歳。硝子職人6代目だ。高校は行ってない。金がないしな。だからここで商売してる。たまに客来るぐらいだけどな。昨日はすまん。客だとてっきり思って…隣人だったから。酷いこと言ったわ。」


ヒガシタニ……シンヤ…

東谷?


雛「ひ、東谷って歴史的に有名な硝子屋さんじゃないですか⁉︎」


歴史の教科書に載っていたやつ。


深「前までは、ね。お金がないから…」


ほ、本当にお金の問題…?


雛「そうなんですか。」


深「あ、同い年なんだし敬語じゃなくでいいよ。それとも、癖?」


あ、そっか。先輩なんだよなこの人。

にしても、おじさんにしか見えない。

この人が同じ十代?

髭剃ればいいのに…。


雛「そうさせてもらう…って、まぁ東谷さんの方が先輩ですけど。」


深「え?じゃあ高1?部活は?」


雛「き、帰宅部…。」


深「なんだ、部活やればいいのに。今しかないぞ?」


今しかない…か。


深「何だ?どうした暗い顔して。」


雛「私、中学の時足を怪我したんです。中三の体育の授業の走高跳びでした。いきなりバーが落ちて来て。軽い怪我でした。でも…それ以来、怖くて跳ないんです。」


深夜は驚いたようだった。


雛「中学時代の部活は陸上の棒高跳びの選手でした。でも、インターハイには出れませんでした。」


気付いたら、泣いていた。

そしたら、深夜が撫でてきた。


深「…そっか、辛かったな。アー…雛は、どうしたいんだ?」


雛「…え?」


深「だって、前に進まなきゃじゃん。棒高跳びしたいの?したくないの?このままだと飛べない雛になるぞ」


…したいかしたくないか…。


やりたい。棒高跳び。


雛「やりたいっ!」


深「んじゃぁ、良いじゃん。気持ちはあるんだろ?後は跳ぶ勇気と自信だ。変われるだろ?」


…なんだ、優しいじゃんか。

只の口悪いおじさんだと思っていたけど、ね。


雛「東谷さんも変われば良いに。…髭、剃れば?ちょっとは変わるかもよ?」


深「な、なんだよ!金ないし、俺。」


雛「ありがとう。」


深「…あっそ。」


笑った。とてもいい笑顔。


お礼したいなぁ。あ、そうだ。


雛「あのさ、金ないんだったらお風呂とか使って良いよ?ご飯も食べる?」


深夜は驚いた顔して止まっている。


ありゃりゃ…。あ、そう言えば。


雛「あ、親の決め事で彼氏とか上がらせないって掟が…」


深「彼氏じゃないから大丈夫!何もしないからお願いします‼︎」


超必死。

…本当に苦労したんだな。お疲れ。

そういう事なら…


雛「良いよ‼︎よろしくね。」


深「…っありがと。」






ここから彼との生活が始まるんだけど…

大丈夫かな。私。

夕暮れに鴉。カーと鳴く。もうちょっと出会いにロマンチックがあったらなぁと思う一日だった。


こんな長いの読んでくださったんですか!

あなたは凄いですね!

あ、今度はちゃんと短くしますよ!…本当に。

しかし、まだ出来てない作品もあるので書かなきゃ…!

あ、それも読んでくださいね!

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