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私の日常・非日常  作者: 森崎優嘉
1年生
7/36

体育祭です

体育祭まであと2日ですね、今日は選抜リレーの練習があります。私は知らなかったのですが選抜リレー、学年男女混合なんですね…そして2年生男子には須坂先輩とお兄ちゃんの姿が。お兄ちゃんはニッコリ、須坂先輩はニヤリとした顔を私に向けます…見るなです。


「わぁーお、あの副会長さんと風紀委員長が一緒なんて…こっちには片山君もいるし、すごいね」

「ですね」


隣にいる舞ちゃんがそう言います。確かにすごいですね…。


「顔を合わせるのが今日で初めてだから自己紹介と行こうか…俺は3年の赤西達也(あかにしたつや)だ」

葉山竜(はやまりゅう)だよ~ん!よろしくね!」

「…三宮和音(さんのみやかずね)、です」

「同じく3年の高崎真知(たかさきまち)だよ、よろしくね~」


ちなみに赤西先輩は陸上部の部長さんだそうです、陸上部に入部した悟君が言っていました。


「2年の有村和葉です」

「須坂雅也です」

上村小夜子(うえむらさよこ)です、よろしくお願いします」

影島美月(かげしまみつき)です!」


お兄ちゃんのファンクラブ会長さんである上村先輩…同じクラスだったのですね、目が合いました。


「1年の片山蓮です」

「片桐悟です!」

「上島舞です!よろしくお願いします!!」

「有村茉里奈です」


12人ですね。男女になるように、早さも考えて走る順番を決めないとです。


「赤西先輩が決めていいっすよ~」


悟君の言葉で赤西先輩が仕切り、順番が決まりました。細かい調整は実際に走ってからですね、ちなみに私はなんと須坂先輩からバトンを渡されお兄ちゃんに渡すというポジション…これで失敗したらファンクラブの人達に刺されますね、お兄ちゃんの方は上村先輩がいるので大丈夫だとは思いますが問題は須坂先輩のファンクラブです…怖いですよ。


「有村、適当に渡すから取れ」

「それで失敗したら須坂先輩を恨みますから」

「?」


これ、自分のファンクラブがあるということを分かっていませんね。一番たちが悪いやつです!


「僕は近くなったら走りだすから合わせてくれればいいよ」

「分かりましたです」


実際に走ってみます…ちなみに第一走者は悟君です。彼、部長の赤西先輩が言うほどのスピードを持っているらしいです。…わぁ、本当に速いですね…私は9走者です。

須坂先輩にバトンが渡されました…って!早っ!早すぎっ!え、もう来る!?


「ほれ」

「呪いますぅ!」


なんとかスムーズに貰いました、ひどすぎです須坂先輩!お次はお兄ちゃんに…パスです!

その後の調整などで順番も決まりました。


1走者 片桐悟

2走者 影島美月

3走者 葉山竜

4走者 三宮和音

5走者 片山蓮

6走者 上村小夜子

7走者 上島舞

8走者 須坂雅也

9走者 有村茉里奈

10走者 有村和葉

11走者 高崎真知

12走者 赤西達也


これに決まりました。ところで思ったのですが…これ、私がお兄ちゃんの妹だという事をバラしているのでは…みなさん疑問に思わないのでしょうか。私だったらすぐ気付いて調べますが…特にお兄ちゃんのファンクラブの人。


「これで決定するけどいいか?」


赤西先輩の問に全員が答え、走順が書かれた紙を先生に提出しました。これで終わりですね!


その日の夜、部屋の扉がノックされお兄ちゃんが入ってきました。私はベットの上に寝転がり本を読んでいました。


「マリ、今いいかい?」

「どうしたの?お兄ちゃん」

「リレーのバトン渡しについてなんだけど…」


お兄ちゃんの話によると私がお兄ちゃんにバトンを渡すそのやり方が、機関で習ったアレを使うというとです。アレって何?私も感覚なので言葉で説明できないのですよ。まぁ、バトンの渡し方が少し違うということです。


「それでいいかい?」

「了解しましたです!」


よろしくね、と言ってお兄ちゃんは自分の部屋へと戻って行きました。はふー…大変ですね、体育祭って。




   *   *   *




現在、体育祭前日の放課後…風紀委員室なうです。


「確認は以上だ、当日は気を抜くなよ…解散」


ふぅ…当日の確認だけだったのですぐ終わりましたね、今日はこの後機関へ行かなければならないのです。

ちなみに今玄関へ向かって歩いているのですけど…ん?あれは斗和ですね。思えば彼、いつまでいるのでしょう…英二もまだいますし。


「やっほー茉里奈、茉里奈もこれから行くだろ?」

「行きますよ」


2人で街の中を歩くというのも久々な気がしますね。小さい頃は一緒にいたのですが、今ではお互い別の任務を行うことが多くなりましたからね…あんな小さかった斗和がいつの間にかこんなに大きくなっていたなんて。


「そういえば、父さんと母さん今イギリスに行っているんだけどさ…最近茉里奈の顔が見たいー!ってうるさいんだよね」

「今イギリスにいるのですか」

「仕事でね。たまに日本に帰ってくるんだけど数時間でまた違う国に行ってるから…今の仕事が終わったら一週間ぐらい休めるかもだからその時でも俺の家に来てくれ」

「そうですね、私も久々に会いたいですし」


斗和のお父さんとお母さんは機関の外交官で世界各地を飛び回っており、幼いころから私も可愛がってもらいました。

そんなお話をしていたら到着しましたね、私達が今日来たのは武器班長であるお母さんからまた何かを開発したとの連絡を受けたからです…お母さんはたまにくだらない物を作るので不安ですけど。


「来たわね」

「今度は何作ったんすか有沙さん」

「うふふ、これよ!」


そう言って取り出したのは…制服?


「2人とも、恐らくこれから学校帰りに任務を行ってもらうことになるかもしれないって和也さんから聞いてね、学校の制服の下に着れる動きやすくて軽い、防弾性のものを作ったのよ!ちなみに、体育があって着替えないといけない時は同時に脱げるようになっているから安心して」


…凄いですね。杉浦高校の女子制服はピンクのリボン、黒に近い赤色のブレザー、チェック柄で裾にレースが付いている膝より少し下ぐらいのロングスカートです。お母さんが作ったものは黒いブレザーに膝上までの黒いプリーツスカートですがどちらも所々に赤い線が入っていてかっこいいデザインになっています。生地もとても薄くて着ていても違和感を感じないと思います…これで防弾性とか、本当に驚きです。

ちなみに永久の方も同じ感じです。


「気に入ってくれたかしら?」

「さすがっすね」

「すごいです」


これなら動きやすそうです。


「さっそく着てみて!」


ごそごそ…わぁ、サイズピッタリです。とても軽くて動きやすい、ナイフと銃を入れるところもあるのですね!高校の制服を着ても違和感を感じないので大丈夫ですね。


「サイズは大丈夫そうね…よし、これで正式に完成したわ!」


明日は体育祭で一日中体操着なので明後日から活用することにします。




   *   *   *




ついに体育祭当日になりました!クラスの皆さんも気合が入っています。


「みんな、優勝目指してがんばるぞー!」

『おーー!!!!』


楽しみです。

開会式が終わり、早速競技に移ります。最初は何でしたっけね?忘れました。そうそう、開会式の会長挨拶はとてもとても盛り上がりましたよ〜主に女子の歓声が…うるさかったです、うるさすぎて会長が何を話していたかは聞いていないので分かりません。聞こえなかったのではなく、聞いていないのです。あ、最初の競技は100メートル走でしたか…点数の低い競技なのでどの軍も少し早い人達を選出しているそうです。あっという間に終わりましたね、次は1学年種目の5人6脚リレーですね。


「いち、に、いち、に!」


ふぅ…何とか青軍が1位を取ることが出来ました。皆との息を合わせないといけないとなので大変ですが、一位を取った分とても嬉しいですね。



この後も競技は無事に進められ、残る競技は選抜男女混合リレーのみとなりました…須坂先輩から受け取りお兄ちゃんへパス、うぅ。


「茉里奈ちゃん、蓮くん頑張ってね!悟はどうでもいい」

「ひどすぎじゃね!?」


うぅ…頑張りますが、他のチームには生徒会の人達がいて女子が煩いです。


「位置についてー、よーい!」


パン!


悟くんは出だしが少し遅れましたがなんとか現在2位に、影島先輩と葉山先輩までずっと2位でしたが三宮先輩が越されて現在3位です。次は蓮くんです!あぁ、2位の後まで行きました!次は上村先輩ですね、速いですね!2位を越しました。次は舞ちゃんへパスなのですが…あ!転んじゃいましたっ、直ぐに走り出しましたが現在最下位です…うわ、須坂先輩ですね…あ、パスされました。速いです…でも3位との差はかなりあります。次は私ですね、横では1位のバトンが渡されました…これは、少し本気で行かないとですね。


「頼む」

「おまかせを」


さぁ…3位の人、抜かせていただきます。3位の人を…抜きました、流石に一位との差は大きいですね…ですが大丈夫、お兄ちゃんですから。お兄ちゃんは既に構えています…さて、ここから本番のバトン渡し。あの線を…超えました、ハイスピードダッシュ!お兄ちゃんも走り出しています、そして今バトンがパスされました…おぉ〜さすがお兄ちゃんです、もう1位の後ろまで。あ、越しました!高崎先輩にパスさ…へ!?高崎先輩須坂先輩並に速いです。あ、もうラストの赤西先輩に…わぁ、この人もです…あ、ゴールしました。皆さんの歓声が凄いです。


「まーりーなーちゃーん!転んじゃってごめんー!」

「結果1位だったのですから、それよりも怪我の方は大丈夫なのですか?」

「擦り剥いただけだからだいじょーぶ!」


本当でしょうか…結構正大にこけていましたが。


「バカ言ってないで救護テント行くよ!」

「えー!?」


杏奈ちゃんに引っ張られて行きました。


「おつかれ、茉里奈」

「蓮くんもお疲れ様です。とても速かったです」

「茉里奈こそ」

「あの兄にしてこの妹か」


ちょっと須坂先輩、ボソッと言わないでください。

さて、閉会式です。今年の優勝は青軍…私達の軍ですね、悟君が大喜びです。片付けも無事に終わり無事に高校生活初の体育祭が終わりました!疲れました~…早く家に帰りましょう。



  

「ただいま~」

「お帰りなさい茉里奈、体育祭お疲れ様~」

「もうヘトヘトだよ」

「あ~あ、見に行きたかったわぁ…茉里奈と和葉が走っている所」


お母さん、本当に悔しそうな顔をしています。


「でもまぁ、沙耶ちゃんに撮ってもらっているから大丈夫ね」

「!?」


な、な、なんですって!?沙耶!?来てたのですか!?っというか撮影してたのですか!?…まったくあの子は、たまにああやってお母さんと協力するのですから…もう。


「ただいま~」

「ただいま」


ん?あ、お父さんとお兄ちゃんが帰ってきました。


「お帰りなさい2人とも」

「おかえり~」


ご飯です!今日も美味しいですね~。明日は休みなのでゆっくり出来そうです!そう思いながら自室に入るとメールが来ていました…沙耶からですね。


”奴らが動き出しました。お気をつけください”


「…ふふ」


あぁ、ついにですか…いえ、ようやくですね。


「動くのが遅いですよ」


私はずっと待っていたのに、ずっとずっと待っていました…本当に遅いですねぇ。

いつ仕掛けてくるか、周りの人を巻き込まないようにしないとですね。私の身近な人を傷つけたら即刻消させてもらいますけどね~。




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