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私の日常・非日常  作者: 森崎優嘉
3年生
34/36

感動です

学校建設が始まって数週間後、年末になりました。

今日は12月31日、年末も関係なく任務があり疲れて帰ってきました。時間的にもうすぐ新年になるのですね…こんな時まで任務とは本当に大変ですよ。

いまだ英二は任務には行けませんからね…シャワーを浴び髪を乾かしてからソファーベットにごろ寝した時でした。


『茉里奈!』

「英二?」

『斗和が起きた!!!』


その言葉を聞いた瞬間部屋から飛び出しました。かなりの生徒が退院しましたがまだ数人入院している病室の廊下を走りぬけ扉を開けました。


「よぉ、茉里奈」


ああ…ようやく、ようやくこの声が聞けました。


「斗和…」

「ん?」

「斗和、だ…」

「うん」

「斗和…なんだ…」

「俺以外の誰なんだよ」


視界がぼやける…ああ、涙ですね。


「斗和ぁ…」

「ああ」


斗和が伸ばす手を両手で掴み椅子に座った…涙が溢れます。


「また…大切な人を失うかと…」

「ごめんな…怖かっただろ?」


明里さんとお父さん、お母さん、お兄ちゃんが来ました。


「斗和、痛い所は無い?今朝確認したら傷は完全に塞がっているのだけど」

「全然大丈夫ですよ明里さん」

「それなら良かった」


診断をして別状はなし、後は体力不足なだけなのでリハビリをすればいいとのことです。


「これ以上茉里奈に心配かけさせないようにね」

「当然ですよ」


明里さんが出て行きました。


「斗和…心配したわ」

「まったくだ」

「でも良かったよ」

「だな」


本当に良かったです…あ、12時です。新年になりましたね。


「あけましておめでとうだな」

「…俺そんなに寝てたのかよ」

「寝坊ね」

「だな」


涙が止まりました。その後お父さんとお兄ちゃんは先程の任務の事後処理に、お母さんも残りの仕事を終わらせに行きました…私は特にやることもないので英二と2人で斗和に今までの出来事を報告しました。


「んで、茉里奈が無理をした」

「やっぱりか」

「やっぱりって何よ」

「そうなるだろうとは話の途中で予想が着いたぞ…んで英二、茉里奈はどうなった?」

「かなりの高熱を出した」

「はぁ…」


なんか溜息つかれました。次に頭を掴まれグルグルと…


「まったく…アレだけ言っておいてまだ無理をするか」

「ちょっ…目が回る」

「ほんとだよな」


ここに味方はいませんね。ん?電話…雪音ですね、新年明けたら電話をする約束でした。


「お、雪音か?」

「ええ」

「驚かせてやれば?」

「いいわね」


ビデを通話にしてっと。


『茉里奈~あけましておめでと~!』

『おめでとうございます』

「おめでとう雪音、満くんもそっちはどう?」

『雪がたくさんだよ~!あ、佐山先生あけましておめでとうございます!』

「おめでとう」


ここで私は斗和にカメラを向ける。


「あけおめ」

『え!斗和君!?偽物じゃないよね!?』

「本物だぞ~、先程起きたんだよ」

『そっかぁ、良かったぁ!』

『斗和先輩、目が覚めて良かったです』

「忙しい時ずっと付いててくれたんだってな、ありがとう」

『いえ』


数分話して電話を切りました。雪音と満君は現在、香澄さんの祖父母宅へ行っています…雪国なので今日も勉強をしながら遊んだとのことです。

日が過ぎ4日、斗和が目覚めたということでお祝いのパーティーを機関でやることになりました。メンバーはお父さん達や英二、学校の設計図に参加した雪音達と満君、武文さん達、無事に回復している校長と美春さん…そしてなんと秋斗さんに紅葉さんもいるそうですが、私は少し仕事が残っていたので遅れて参加だったのですよ。


「茉里奈、お仕事お疲れ様~」

「ありがとう」

「茉里奈、こんな時まで仕事ですまないな」

「ううん、元々は私の担当だったから…こんにちは秋斗さん、紅葉さん」

「まりなちゃ~ん!」


紅葉(くれは)さんに抱きつかれました。


「無理しすぎないって約束してたのに~」

「うっ…ごめんなさい」

「まぁ、これには大怪我を負った英二と斗和のせいだね」

「え、俺のせい?」

「そうよ英二」

「えー…」


まぁ…元はそうですよね。


「祐は茉里奈ちゃんを無理させる馬鹿息子って言ってたよ」

「そういえばそんなこと言ってたな」

「えー…」


祐さん、武文さんと康介さんにそんなこと言ってたのですか。


「あの方、治さんのお見舞いに来てくださった時褒めてくださいましたよ」

「え、来てたの?」

「ええ」

「あの祐が僕を褒めるとか…」


校長が遠い目…話を聞く所によると祐さんは昔から人を誉めないのだそうです。まあその代わりに奥さんが褒めるので英二も他の兄妹もグレないのだとか。


「茉里奈ちゃ~ん!」

「茉里奈~!」

「呼ばれてるぞ?」

「うん」


雪音達に呼ばれたので行ってみると…勢揃いですね。


「どうしたの?」

「皆で写真撮る事になったから茉里奈も呼んだの!このカメラでね!」


そう言って雪ねが取り出したのは去年の夏に貰ったカメラ…なるほど。


「それでね、最近三脚を買ったからタイマーで撮影できるよ!」

「早速撮ろうよ~」

「並ぼうぜ!」

「斗和は真ん中な」

「茉里奈もその隣~」


雪音に押され斗和の隣に。


「佐山先生達も撮りましょうよ~!」

「お、いいな」


英二達も加わり、総勢26名で写真撮影。その後雪音は色々写真を撮っています…あれが一眼レフカメラだったら絵になるのでしょうね。


「人気だな斗和」

「自分でもビックリだ」

「皆心配していたかのだから…当然よ」

「俺としては茉里奈に心配をかけたのが心苦しい」


首に腕を回されました。


「このまま起きなかったら殴ってでも起こそうかと思ったわ」

「お前ならガチでやりそうだな」

「当然よ」

「3人共、こっち向いて~」


雪音がカメラを構えていました…撮影ですか。


「ありがと~」


雪音はいろいろ撮影しているようですね。皆の写真もたくさん撮影していますから…ふふ。




   *   *   *




こうして嬉しくも忙しい冬休みが終わり、3月…卒業式の日になりました。

機関の人達の頑張りで超最速に校舎が完成、無事に卒業式を行うことが出来ました。

そして今、卒業式が終わり最後のHRです。女子はほとんど泣いていますよ、私?私は泣いていませんよ。


「さて、後ろに保護者もいることだし!俺が適当に名前を呼んでいくから呼ばれた人は前に出て思い出とか一言言ってもらおうかな」


英二…なんと面倒な…。ちなみに後ろにはお母さんが来ています、お父さんは一応理事長なのでね…来賓室にいるみたいですよ?


「次は…西原」

「はい」


いつの間にか数人終わってましたね…聞いていなかった人すいません。とりあえず愛子ちゃんのから聞きましょう。


「えっと、一番の思い出は文化祭でした。みんなの衣装を作るのが楽しくて…」


愛子ちゃん、涙が再発ですね。


「色々な事があったけどこのクラスで本当に良かったです、ありがとう!」


他の女子にも涙が…もらい泣きですかね。


「次、広瀬」

「は、はい!」


次は響子ちゃんです。


「このクラス、他のクラスよりも本当に仲が良いって学校中に噂されていたみたいで…そんな、このA組になれて本当に嬉しかったですっ!…ありがとうございました!!雪音や茉里奈ちゃんも、とても素敵な演技をありがとう」


こちらこそ、とても素敵な物語をありがとうです。


「…次、堀井」


和美ちゃんですね。


「今年の文化祭、私の書いた脚本で劇をしてくれてありがとう!本当に嬉しかった、A組最強!」


女子だけでなく男子まで数人が泣いています…。


「じゃあ次は…和田」

「はい」


美奈子ちゃんです。


「…1年生の文化祭、私の家のことで危うく皆の苦労が台無しになるところを助けてくれてありがとう茉里奈ちゃん。みんなもっ!今まで本当にありがとう!」


美奈子ちゃん…とても強くなりましたね。


「大谷」

「はい」


匠君です。


「みんな体育祭とか文化祭とか、本当に仲が良くて役決めとか本当に楽しかったよ。全員、離れてしまうけど…またここで会おうな」

「何最後にイケメンなこと言ってんだよー!」

「そーだぞー」


ふふふ。


「次は前田だな」

「はい…。他の人と同じことを言うけど、本当に皆仲が良くて…私も本当に楽しかったわ。3年間…このクラスの副級長を務めることができて本当に良かった…ありがとう。また皆で会いましょう」

「杏奈~!」

「副級長お疲れ様~!」


杏奈ちゃんは本当に良くまとめてくれましたよ。


「上島」

「はいっ!……みんな!3年間楽しい思い出をありがとう!体育祭も文化祭も!本当に楽しかったっ!…っ…本当に、本当にっ…ありがとう!」


舞ちゃん…涙で顔が。


「次は…片山」

「はい……えっと、このクラスはキャラが濃くて面白いクラスでした。皆今までありがとう」

「ありがとうな!」

「3年間生徒会お疲れ様~!」


蓮君…いい笑顔です。


「次は片桐」

「はい!…うーん、大体のことは皆に言われたなぁ。昼休みに騒いだり放課後にバカやったり、本当に楽しかった!A組最高だ!!」


後ろで武文さんが泣いていますね。


「次は安部」

「はい!」


次は雪音…最後は私になるのですね。


「私も殆ど言われちゃったなぁ、何言おうかな…私の3年間は本当にいろんな事が起きました。楽しいことも、悲しいことも…」


後ろで早苗さんが恭也さんと香澄さんの写真を取り出しました。それに気付いた雪音の目からは涙が。


「本当にっ…いろんな事が…ありすぎて、この後どうなっちゃうのかずっと不安で、でもっ…大切な親友が同じくらい苦しんでいるのを見て、お母さんの言葉通り前に進むことにしましたっ」


雪音…


「もうすぐ卒業式っていうところでっ…また苦しんで…でもこうして!無事に卒業できて本当に嬉しかった!みんなと全員で卒業できて、本当に良かった。ありがとうございました!」


拍手です。


「最後…有村」

「はい」


私の番です…黒板の前に立ち皆を見る。なんか…緊張しますね。


「…私はこの学校に入学した時、目立つこと無く平凡に高校生活を送る予定でした。まあ、全部私がじゃんけんで負けて風紀委員に入ってからそんな予定がすべて崩壊しましたけど」


みんな、泣きながらも笑ってくれました。


「その時から、当時の生徒会役員には有村和葉の妹だということがバレて…その時から少しやけくそでした」


櫻井海の事件があって夏休みに入り…事件が起こりましたね。私は早苗さんの持っている写真を見つめました。


「…皆は私の事、聞いたのですよね?」


響子ちゃんが頷きました。


「雪音のご両親や蓮君達1年次の生徒会。そしてこの学校を襲った事件…全ては私の責任です。この場を借りて私個人からの謝罪を、そして…この学校の設計を行なった杏奈ちゃん達。生と死の間際の中、みんなが協力して動いてくれたと聞きました…その感謝を……本当にありがとうございました」


深くお辞儀をする。


「今まで…仲間を、大切な人を殺され、私自身も殺してきているけど…そんな私でもずっと側にいてくれてっ、いつもの様におしゃべりをしてくれて…本当にありがとうっ…このクラスにいられて…本当に良かったっ…」


泣かないようにしていたのに…涙が溢れてきました。


「まりなぁー!こちらこそありがとう!」

「茉里奈ちゃんありがとう!」

「ありがとう!」


皆が席を立って抱きしめあってくれました。本当に…本当にこのクラスで良かった。


「最後の先生も何か言ってよ!」

「そーだそーだ」

「え、俺?」


そうですね、最後は担任である英二が言わないと。


「んー…そうだな…俺は約一年しかこのクラスの担任になっていないけど、本当に仲がいいなぁとはずっと思ってた。このクラスには茉里奈や雪音がいたから1年の時から様子を見てきて、本当に良いクラスだと思ってる。襲撃の時、瀕死の斗和や俺を運んでくれてありがとうな…特殊部隊の名が潰れるって言われたからな、もっと鍛えないとだと実感したよ。…これから社会人になっていくが、どこでも事件はある。そうなった時はあの時のように、自分から行動を起こすんだ。いいな?」

『はい!!』


さすが先生ね。

その後、HRも終わりお帰りですが…外で皆写真を撮っていますね。


「茉里奈先輩!」

「佳奈ちゃん、希ちゃん」

「茉里奈先輩、ご卒業おめでとうございます!」

「ありがとう」


佳奈ちゃんや希ちゃんだけでなく、他の後輩たちからも声を掛けられました。


「人気者になったのね茉里奈」

「さすが茉里奈よね」

「お母さん、紅葉さんまで」


秋斗さんは…武文さんと康介さんの所にいますね、お父さんもいます。


「よっ、人気者」

「それは斗和もでしょう」


いつの間にか横には斗和が…そういえば、南崎斗和ファンクラブなんてものがありましたよね。会員らしき人達がこっちを見ていますけど…。


「茉里奈、斗和くん!悟と蓮君とで写真撮ろうよ!」

「お、いいな。行こうぜ茉里奈」

「うん」

「じゃあ私が撮るわ」

「有沙さんお願いします!」


蓮君、悟君、雪音、斗和、そして私…たくさんの事をこの4人と経験してきました。


「…卒業しちゃったね」

「そうね」

「なんか寂しいなぁ」

「また会えるじゃんかよ。バイト続けるんだろ?」

「うん」


雪音は機関でのバイトを続けますし私と斗和、蓮君は同じ大学で悟君は別の学校ですけど家から通うらしいのでいつでも遊びに行けるのですよ。


「寂しいかい?雪音ちゃん」

「少しだけ」

「大丈夫さ!俺達も大学の時長期休暇であっちこっち行ったからな」

「必ず武文がやらかすんだよね」

「和也と秋斗が仕掛けて武文がやらかして、恭也と香澄があたふたして僕と治が笑って見てるんだ」


康介さんと校長、助ける気なんて無かったのですね…。


「今もあれは酷いと思うぞ」

「いや…あれはまだ行けたな、なあ秋斗」

「うんうん」


秋斗さんの、こういう所を斗和が受け継ぎましたね。


「さてと…そろそろ帰ろうか」


校舎に別れを告げて、私は今奏のお墓の前に来ています。


「奏、無事に卒業することができました」


杉浦高校に入学して3年間、本当にいろんな事がありました。嬉しかった事、悲しかったこと、後悔したこと…本当にたくさんです。たくさんのモノを得たり失ったりもしましたね…奏、私は成長した?強くなっているのかな。

お墓の前に跪き墓石を撫でる…瞬間、後ろから抱きしめられました。


「…斗和?」

「…きっと奏は喜んでいると思うぞ」

「そう?」

「ああ…だってこんなに強くなったんだからな」


抱きしめられながら斗和を見る。英二と共に戦ってきた戦友であり相棒であり家族…あの事件では冷やっとしたけど、それでも私から離れない強い人。私がここまで頑張ってこれたのは彼が一番影響があります。


「斗和」

「ん?」


奏。


「帰ろう」

「ああ」


これからも頑張って生きるよ、だから見守っていてください。


自然に斗和と手をつなぎながら…そう祈るのでした。





これにて完結です。

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