観戦と夏休み、そして不穏な動き…
朝、リビングに行くと斗和が起きていました。お母さんとお父さんは既に機関へ、お兄ちゃんは今日大学なので静かですね。
「おはよう茉里奈」
「おはよう」
朝食を食べ部屋に行って着替える、今日は晴れなので帽子を準備します。
「梅雨なのに晴れてると変だよな」
「そう?私は晴れがいいな」
陽蘭高校へ到着しました。相変わらず広いですね…あ、杉浦高校の制服を着ている子がたくさんいますね。昨日は体育祭だったというのに…本当にお疲れ様です。
「おーい!斗和ー!茉里奈ちゃ~ん!」
声がした方を見ると明菜ちゃんがパタパタと走ってきました、後ろから御影ちゃんがゆっくり歩いてきます。
「久しぶりですね明菜ちゃん、御影ちゃんも」
「久しぶり~!」
「久しぶりね」
今日も元気いっぱいな明菜ちゃんと通常運転の御影ちゃんです。
「そろっと試合だな」
「うん!」
「行きましょう」
達也くんはすぐに見つけられました。
「達也ー!がんばれー!!」
シュートしましたね。暑い日差しの中、無事試合は陽蘭高校の優勝で終わりました。
「やったぁ!優勝したよ!」
明菜ちゃんが大はしゃぎです、この試合が3年生にとって最後なので無理はないのですけどね。とりあえずサッカー部の3年生は斗和の元クラスメイト達もいるらしいので会いに行くことにしましたが、部外者の私はいいのでしょうか…何も言わないところを見ると大丈夫だと思いますが。
「達也」
「斗和!茉里奈ちゃんも来てくれたんだな」
「優勝おめでとうございます達也君」
相変わらずスポーツマンで爽やかなイケメンさんです。
「もしかして斗和か?」
「まじで!?斗和じゃん!」
「おー、久しぶりだなお前ら」
彼らがクラスメイトですね。
「達也かっこよかったよ~!」
「マジで?」
「ええ」
「素晴らしいシュートでしたよ」
そのおかげで優勝できたのですからね。
「森と柊と…あの子誰だ?」
「おい斗和、柊の隣にいる美女は彼女か?」
「似たようなもんだな、まぁ幼馴染だよ」
聞こえていますよー…。
「そういえば、この後サッカー部3年でお疲れ会やるんだけど来るか?」
「え、いいの?」
「そうだよ!斗和も来い」
「茉里奈ちゃんもぜひ」
こうして何故か私達はサッカー部3年のお疲れ会に参加することになりました。場所は近くのお店です…関係ない私がいるのも少々気が引けますがね。
「え、お前生徒会長やってんの!?」
「そうだけど?」
「…真面目か?」
「お前らが不真面目なだけだろ」
こうして元クラスメイトの人達といる斗和はまた別人に見えますね、何か新鮮です。
「斗和って向こうではどんな感じ?」
「え?うーん…ちゃんと生徒会長としてまとめあげていますよ?」
「真面目か?」
「だからお前らが不真面目なんだよ」
「茉里奈ちゃんは何か役員になっているの?」
「えっと…」
「こいつは風紀委員長やってるぞ、この前喧嘩してる2年男子どもを蹴散らしてた」
「ち、違うわよっ!あれは喧嘩を止めてただけで!!」
美術室に行く途中で2年生男子が喧嘩していたので止めて、そのまま先生に預けただけです。決して蹴散らしてはいません!
「茉里奈ちゃんすごーい!」
「昨日の体育祭、リレーで斗和と同着ゴールだったんだろ?」
「「「「「「マジで!?」」」」」」
「あ、あの俊足の斗和と…」
「同着…」
どうやら斗和は色々やっていたみたいですね。
こうして楽しく休みを過ごし、季節は夏…学校も夏休みに入りました。
現在、三者面談というか四者面談をやっています。担任である英二、生徒である私と斗和、保護者のお父さんです…何か笑えますよね。
「とりあえず2人は大学へ進学ということで、保護者の方から何か言うことは?」
「英二が先生やってるとか笑えるな」
「それは言わないでいただきたい…」
「ぷっ」
「おいこら笑うんじゃねぇ斗和」
「だって英二が先生だぜ?笑えるわー」
二人とも…英二が可愛そうだからその辺にしておいてくださいな。
「斗和と茉里奈は和葉と同じ大学だろう?問題は雪音だな」
「彼女には行きたい大学を選ぶといいさ」
「雪音も頑張っているからね」
応援しましょう。
三者面談も無事に終わった夏休みのある日。
「最近、組織の動きが活発になってきているな」
「裏でゴソゴソしている感じね」
「父さん達からの情報だと、海外の方も内戦以外で動きが活発化してるみたいだ」
最近、日本国内の組織が変な動きをしています…なにか大きな事をやろうとしているような、そんな感じがします。
「とりあえず日本国内の組織の監視を厳重にするよう伝えたほうがいいな」
「そうね」
「大惨事にはなりたくないしな」
あ、もうこんな時間…この後咲ちゃんと渉君の鍛錬に付き合う約束をしているのでした。
「もうそんな時間か?」
「ええ、行ってくるわ」
「いってら~」
急いで練習場へと向かう。
「ごめんなさい2人とも、遅れてしまって」
「いえ」
「大丈夫ですよ」
「よし、じゃあ早速始めましょう」
最初は渉君ですね、彼は短剣を使ってバッサバサと切り捨てていく子なので特攻隊長ですよね。咲ちゃんが遠距離でアシストするのでいいコンビだと思います…ちなみに、奏が特攻隊長で弘人さんが後方支援でしたよ。私達の場合、3人して特攻します…速さ重視なんですよね。
「はッ!」
「ふッ!」
渉君の次は咲ちゃんと交互にやること一時間半、練習場に満君と雪音がやって来ました。そういえば今日渉君と咲ちゃんが満君の勉強を見るとか言ってましたね。
「お疲れ様3人共」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です雪音先輩」
「お疲れ様、こんにちは満君」
「こんにちは」
咲ちゃんと2人でシャワー室に行き、汗を流した所で何故か私も彼らの勉強に付き合うことになりました…何故でしょうか。
「ここはこの公式を使うんだ」
「あ、そっか」
「この問題、入試に似たようなのが出たから覚えておいたほうがいいかもね」
「私達の時もこれと似た問題があったよ」
私ここにいる必要無いのでは?
「必要あるよ!茉里奈には私の勉強を見てもらいたいの!」
そう言って雪音が手にしているのは大学入試の問題集。
「塾とかは行きたくてもお金かかるし、長からは行ってもいいって言われたんだけど申し訳なくてさ~。そう言ったら茉里奈に頼むといいって言われたの!」
お父さん…。
「和葉さんや斗和君から茉里奈は教えるのも上手いからって勧められたよ」
斗和はともかくお兄ちゃんまで…はぁ、分かりましたよ。
「んで、早速教えてもらいところがあるの!」
それから一時間後、雪音の集中力が切れました。
「1年とか2年もさ、部活の人は夏休みが無いようなものだけど受験生も無いよね」
「どうしたのいきなり」
「遊びたいんだよー!勉強ばかりの夏休みなんて夏休みじゃない!」
受験生ですからね。
「んなー…」
「受験頑張って合格すれば来年の夏休みは遊べるじゃないの」
「うー…よし、がんばろう!!」
* * *
「準備は進んでいるか」
「はい」
「そうか…アンジー」
「大丈夫ですわボス…この計画は大成功に終わります。あの学校さえ落とせば…機関なんて怖くない」
どこかの街が遠くに見える建物の最上階、そこには2人の男性と1人の女性がいた。
「高校生しかいないのだし、簡単ですわ」
「だが、あの学校は機関がバックに付いている…普通の高校では無いと考えるのが普通だろうな」
「んふ…当日は私も行くのですし、こんな綺麗な学校を赤に染めることが出来るなんて…ふふっ、楽しみですわ!」
3人共黒尽くめだが、ボスと呼ばれた男はメガネを掛けている。
「頼んだぞアンジー、リベット」
「御意」
「任せてくださいな」




