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私の日常・非日常  作者: 森崎優嘉
2年生
21/36

新人さんです

土曜日、私にとってはお仕事の日…今日は特に任務もなく、機関の自室でデスクワークです。


「ん?英二、ここ間違ってる」

「マジ?どこだ?」

「茉里奈、こっち終わったから後は向こうのほうな」

「分かった」


こんな感じで時間が過ぎていた時ノックが聞こえ、お兄ちゃんと雪音が入ってきた。


「3人共お疲れ様です」

「雪音、お兄ちゃんも…どうしたの?」

「実はさっき長からここに来るようにと言われたんだ」

「私も理由は分からないの」


ここに?私達の部屋に集まるようにと…何があるのでしょう。


「ほい茉里奈、直したぞ」

「ありがとう…他に誰も来そうにないし、座って待ってたら?」

「そうだね」


数分後にノックが聞こえ弘人さんとその他2人が入ってきました…中学生みたいですけど誰でしょう?


「全員いるね…じゃあ二人とも、ソファーに座っている右が安部雪音、左が葉、右の机が南崎斗和、真ん中が有村茉里奈、最後が佐山英二」


緊張してますね二人とも。


「この2人は今度新人育成ということで鍛えてもらうことになった加藤咲さんと佐藤渉君だ」


加藤部隊長の娘さん、佐藤部隊長の息子さんだそうです。それにしても新人育成ですか。


「2人とも中学3年生で来年は杉浦高校に入学してもらう。高校としてでも、機関としても、ここの後輩になるからね」

「なるほど、ここの中では俺達が一番年齢が近いってことだな」

「そういうことだ」


なるほどね。


「佐藤渉です、よろしくお願いします」

「加藤咲です、よろしくお願いします!」


咲ちゃんは奥さんに似ていますね、何度かお会いしたことがありますから。渉君は完璧母親にです…あ、そういえば言っていませんでしたが機関には4人の部隊長がいます。その中で一人女性がいて、その方が佐藤真子さん…渉君のお母様になります。


「土日や夏休みを使って来てもらうことになっている…それで、二人ともあまりにも緊張しているから帰宅までほぐしてやってくれ。有沙さんには言ってあるから雪音も頼むよ」

「はい、分かりました」


ほぉ…今後私達にも指導してもらうから今のうちに仲良くしておけと…なるほど、こういうのは雪音が得意ですね。


「じゃあ時間になったら呼びに来るから、よろしく」


さて、どうしましょうか。


「立ってるのも辛いからとりあえず座って座って!」


雪音に全て任せます、私こういうの無理なので。


「えっと、咲ちゃんと渉君だったかな?改めて自己紹介するね、私は2年の安部雪音。アルバイトで武器班の事務をやっています…ん~、あとね~…あ!中学2年の弟がいます!あと、茉里奈の親友です!よろしくね~」


…雪音恥ずかしいですよ。


「じゃあ次は僕だね。僕は有村和葉、2人が入学した時は卒業しているから会えるのはここかな。でも高校のことで相談があればいつでも聞いていいからね」

「ちなみにコイツ腹黒な」

「斗和?(ニコッ)

「ナニモイッテナイヨ」


最後に言った斗和の言葉にお兄ちゃんが黒い笑顔。でも二人とも笑っているし大丈夫かな。


「2年の南崎斗和でーす、特別部隊に所属している。色々わからない所があったらいつでも聞いてくれ、よろしくな!ちなみに、横にいる茉里奈の婚約者でもある」


言わなくていい!!!


「同じく2年の有村茉里奈です。斗和と横の英二と同じく特別部隊です…馬鹿な斗和が変な事言うかもしれないけど苛ついたら問答無用で切って構わないので。よろしくね」

「ひどくないか?」

「気のせい」


斗和を無視して、最後は英二です。


「佐山英二だ、学校では教師をしている。ここにはキャラが濃いやつばっかで最初は苦労するだろうがすぐ慣れるから安心していいぜ?よろしくな」


これで私達の紹介はひと通り終わりましたね。


「じゃあ次は咲ちゃんから!」

「は、はい!…加藤咲です。父から、皆さんのことはよく聞かされていました…よろしくお願いします!」


加藤さん…一体何を話したのでしょう。


「佐藤渉です。僕も母からよく聞かされていました…その…」


およ?今まではっきりしゃべっていた渉君が言いづらそうにしていますね」


「その…南崎先輩の…幼いころの面白話を…」

「…ちなみにどんな?」

「南崎先輩が女のひ「言うなァァァァァァァ!!!!」…したとか」


あぁ…あの事件ですね、さすがに可哀想なのでいいませんが。お兄ちゃんと英二は覚えているので大爆笑です、雪音は知らないのでキョトンとしています。


「クッ!…そうだった、あの時は真子さんがいたんだった!」

「哀れ、斗和」


…ふふ。


「2人とも杉浦高校に入学するんだよね?」

「はい、体育祭見ましたがとても凄かったです!」

「僕も見ました、特に借り物競争」


借り物競争…思い出すだけでも斗和を殴りたくなる。


「面白かっただろ?復活させて良かったァァ!?ちょっ!茉里奈、無言で殴ってくるのやめっ!ぐはっ!!」

「茉里奈…まだ根に持ってたんだね」

「根に持っている訳ではないと思うけど…借り物競走という言葉を聞くと何故か斗和を殴りたい気分になるのよね。何故かしら?」

「それを根に持っていると言うのでは…」


さぁ?


「おいおい、斗和…大丈夫か?」

「な、なんとか…」


雪音は最近スルースキルがアップしていますね、現に今咲ちゃんと渉君に色々お話をしていますから。


「…もしかしたら長はあの2人を俺達の弟子にするために俺達に紹介したのかもな」


斗和の呟きにお兄ちゃんと英二が顔を見合わせます。

弟子…奏と私の様な、そこで思い浮かぶのは奏が私を庇って血まみれになる瞬間…最後の笑顔です。最近は思い出すことは無かったのに、私もまだまだですね…校長にも言われたというのに。


「マリ…」

「まだ分からないわ。どうなろうとも長の命令なら仕方ない」

「…そうだな」

「まだまだ先だからな」

「それより英二、これ終わったからそっちお願い」

「…お前、ずっとやってたのか?」

「勿論、それに今は雪音が話し相手になっているし…2人も緊張しなくなったようだから」


手はずっと動かしていましたからね…それにしても、雪音楽しそうですねぇ…咲ちゃんも渉君も笑いながら話しています。


「ん?あ!ごめんっ…私一人だけたくさん話してた」

「いいよいいよ、僕達も正直雪音がいてくれて助かったよ」

「そうだな、俺達じゃあちょっと無理だったな」


私の場合ちょっとどころではありません、元々話すのは好きではないのですよ。


『あの2人を連れて演習場に来てくれ、全員でな』

「雪音も?」

『ああ、頼む』

「分かった」


演習場ですか、あそこには部隊の方々が日々鍛錬をしているところなので加藤さんと真子さんもいますね。


私達は咲ちゃんと渉君を連れて演習場に来ました。雪音もここに来るのは初めてだそうなので目を輝かさせています…2人も同じですが。


「あ、お父さん!」

「母さんも」


加藤さんと真子さんが私達に気付きました。今日は合同練習だったのですね…2人は横にいる副部隊長に声をかけてこちらにやってきました。


「仲良く出来たかな?」

「うん」

「そりゃ良かった!」


そのまま斗和達と話す姿を横目に練習風景を見ていますが…さすが、高度な練習を行なっていますね。私も幼いころからこの練習をしていましたけど、中々辛い所がありました。


「凄い…茉里奈も鍛錬してるの?」

「うん、そうでもしないと鈍るからね。昔から大人に混じって鍛錬を続けているわ」

「さっすが~」


幼い頃から大人相手に蹴りを入れていましたね…よく思えばあの時の私幼稚園ぐらいの時ですよね、一般とはかけ離れすぎです。


「体術の他にもナイフ術や銃を使いながらの練習も行なっているのさ」

「銃も!?」

「ゴム弾ですから特に心配は無いわよ」


当たると痛いけど。


「マリ嬢、斗和。こいつらのために一戦してくれねえか?」

「…だってよ」

「いいけど…」

「本当!?2人の戦い見てみたかったの!!」


雪音嬉しそう…斗和となら一番多く相手になってもらっていますから全然大丈夫ですが。


「使用武器は?」

「いつものでいいんじゃね?」

「ナイフと銃ね、分かった」


今私と斗和、英二やお兄ちゃんが着ているのは機関の制服なので動きやすさは抜群です。雪音も本来着てもいいのですが本人曰く、武器班の中で一人だけ制服は恥ずかしいとのこと…まぁ、あそこはお母さんを始め誰一人制服を来る人がいませんからね。指揮官は指揮官専用、部隊員にはまた別の服が支給されていますが、武器班の科学チームは主に白衣だけだし修理チームはそれぞれ適当な作業服だし…梓さん達は私服なのでそれでいいのでしょう。


「んじゃあ急所寸止めで」

「了解」


ゴム弾銃を腰に、ナイフを手に持って準備はオッケーです。いつのまにか練習していた隊員は端に寄って静かに見守っています。


「これより、南崎斗和、有村茉里奈の対決を行う!……始め!」


合図と共に私は斗和の近くへ瞬間的に移動する、ナイフで切りつけても斗和もナイフで返す。そんなことを数分も行い私は一旦離れる。


「一瞬冷やっとしたぞ」

「ふふ、それは気のせいよ!」


今度は斗和の背後に行くけど直ぐに銃を打たれる、ナイフで全て跳ね返しましたけどね。私がバク宙をしながら銃を撃つと周りがざわめきましたが無視です…そろそろ終わりにしましょうか、斗和もそれに気付いたようですし、よし。最後にナイフを投げて一気に行く!


「そこまで!」


私は銃を斗和の額に、斗和はナイフで私の首を寸止め…つまり引き分けですね。


「両者引き分けとする!」

「「ありがとうございました」」


ふぅ…。


「バク宙しながら撃つとか、相変わらずえげつないよな」

「後ろ向きながら撃つ斗和もえげつないわよ」

「俺にはお前らが末恐ろしいわ」

「「余裕で間接抜く英二に言われたくない」」


それはもうボキボキボキボキと…恐ろしいです。


「両方、いい試合だった!隊員にとってもいい刺激だったな」

「茉里奈も斗和君も本当に凄かった!!!お疲れ様!」

「ありがとう雪音」

「す、凄かったです茉里奈先輩!私も茉里奈先輩みたいになれるよう頑張ります!」

「俺も、南崎先輩に近づけるよう頑張ります!」


わー…が、頑張ってください。


「よっしぁ!その域だ!とことん鍛えてやるからな!」

「「はい!!」」


やる気が出たようで何より。


「僕はそろっと戻るよ」

「俺達も仕事再開するか」

「だな」

「私も戻るよ!咲ちゃん、渉君、頑張ってね!」


その後毎週、2人は鍛錬を続けているそうです。












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