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私の日常・非日常  作者: 森崎優嘉
2年生
20/36

体育祭リレーとお出かけ

「あ、来たわね」

「お待たせ」


大きな木の下でシートを広げてお母さんは待っていました。その他にも…


「姉さんお疲れ様」

「満~!見てくれた?」

「うん、すごく楽しそうだったね」

「とっても楽しかったよ!」


雪音の弟、満くん。


「見てたわよ悟」

「学年種目は冷やっとしたぞ、馬鹿め」

「ひでぇ!」


悟君のご両親で早苗さんと武文さん。


「蓮、なんで借り物競争に出なかったの?…面白そうだったのに!」

「…面倒いから」

「だろうね」


蓮君のご両親で彩さんと康介さん…とても大賑わいです。


「斗和くんと茉里奈ちゃんは覚えているかな?」

「先程校長に言われて思い出しました。お久しぶりです」

「やっぱ蓮ってあの時遊んだ奴でしたね、お久しぶりです」


相変わらず、笑う顔が素敵です。


「みんなたくさん食べてね」

「「おー!いただきます!」」


お母さんの言葉に悟君と武文さんが早速食べ始めました。私も…んー!美味しい!


「こうしてまた武文達と食べると、学生の時を思い出すな」

「あー、そうだね。高校の体育祭で武文が先にご飯を食べる…ほんと変わらないね」

「食べれる物は食べておかないと体力が回復しないだろう?息子もこういう所は俺に似たのさ!そういえば治は?」

「目立つといろいろ面倒だから遠慮するとさ。今度あいつも誘って飲みにでも行くか」

「秋斗と紅葉さんは相変わらず国外?」

「ああ」


校長と秋斗さんを入れたこの3人は昔からの友人なのですよね。


「雪音ちゃん、満くん、生活は大変じゃない?」

「とっても楽しいですよ!満も手伝ってくれてるし」

「うん」

「雪音ちゃん、何かあったらマンションの人間を使うのよ?直ぐに動けるように言ってあるから」

「ありがとうございます有沙さん」


マンションの人間…まぁ機関の人なので大丈夫ですがね。


「しっかりした子だね~」

「あの恭也と香澄さんの子だもんね」

「あ、そうだ!蓮君のお父さんとお母さん、葬儀来て下さってありがとうございました!」

「恭也は教えてなかったみたいだけど、アイツも僕達と同じで昔からの友人だったからね」

「香澄ちゃんとは私も会ったことがあるのよ」


そうでした…雪音ちゃんのご両親、恭也さん香澄さん、恭也さんはお父さん達と同じく小学からのご友人…思い出すだけで後悔しますね、そう思いながら伏せていた顔をあげると…


「まーりーなー!」

「…え?」


雪音の顔がドアップに…。


「この玉子焼き、美味しいよ!たまに茉里奈のお弁当おかず食べさせてもらうけど、有沙さん秘伝なんだね!茉里奈も食べないと、リレーがあるんでしょ!」

「え、ゆきっあむ…」


口に卵焼きを突っ込まれた…。


「悲しいことがあっても前に進む!お母さんがよく言ってた言葉、だから私は前に進むの!」


雪音…


「…ふっ、悟食い過ぎじゃね?」

「んなっ!俺はコレぐらい平気だぜ」

「満と蓮にあげなよ、和葉にもな!ほれ」

「斗和ぁぁ!」

「お、いいのか」

「いただきます」

「斗和さん、ありがとうございます」

「お前ら遠慮せずに食うなよぉぉ!」

「はいはい悟、落ち着いて!」


…本当に、雪音にはいつも驚かされる。私もまだまだですね…奏、私はどうやらまだ成長しきれていないようです。


「雪音ちゃんは奏にそっくりだ…もちろんお前もそっくりだ、でも似ている所が違う。雪音ちゃんは失敗も悲しみも飲み込んで前へ進む所が似ている…前に進むんだ茉里奈、きっと奏もそれを望んでいる」

「…うん」


そうですね。


「悟君、部活対抗競技の他にリレーも出るんでしょう?凄いわね」

「私以外は全員リレーに出るんだよね!私はもちろん茉里奈を応援するよ!」

「転けるなよ?悟」

「こけねぇよ!」

「手加減はなしだよ蓮」

「こっちこそ」


私も前へ進まなくては。


「斗和、お兄ちゃん…私も負けない、絶対に勝つ!」

「ああ」

「のぞむところだよ、マリ」


その後、部活対抗の競技が終わり…ついに。


『続いて、最後の種目!男女混合選抜リレーです!!』


「黄軍以外は俺達の敵ではない、優勝するぞ!」

『おおぉぉぉ!!』


斗和は蓮君と同じ8走目、須坂先輩は谷坂先輩と同じ10走目、11走目である私は去年もリレーメンバーに選ばれた影島先輩、そして最後…12走目はやはりお兄ちゃんが。


「よーい…」


パン!


ピストルの音と共にタイミングよく悟君が走りだしました。赤軍が1位、黄軍が2位ですね。


『さぁ、始まりましたリレー!現在1位は赤軍、2位は黄軍です!』


次は佐藤さん、彼女は陸上部とのことでかなりの早さですバトンが杉山君に渡りました!2位との差がかなり空きました…水瀬先輩も感覚を保っています。


『1位と2位との差が変わらない!もはや赤軍と黄軍の戦いになっています!!!』


里田君が少しバトンパスが危なかったですが大丈夫ですね…次は舞ちゃん、今年は転ぶこともなく安定した走りです!茂野先輩が走って現在まだ1位…ですが次は蓮君と斗和、蓮君がどうにか逃げ切ってくれればいいのですけど。あぁ…やはり斗和は早い。


『ここで黄軍が抜いた!』


ですが次は希ちゃんです、彼女は速い…あっという間に越しました。

ですが安心できません、私は身を持って須坂先輩の速さを知っていますから…谷坂先輩、頑張って!…速い、早すぎですよ須坂先輩…隣ではもうバトンがパスされました。


『黄軍が追い抜いた!赤軍どうする!?』


「ドヤ」

「口で言わないでください」

「茉里奈ちゃん、頼む!」


こうなったら本気です。


『おおっと!?赤軍が速い!あっという間に黄軍を抜いて大差だぁ!』


「後は頼みます」

「ああ」


『赤軍がそのままリードしている!だが黄軍も追いついている!!』


頑張って会長!


『赤軍1位でゴールだぁぁぁぁ!!!』


やった!やりました!!赤軍応援席からも歓声が上がっています。


「茉里奈ちゃん!」

「茉里奈先輩!!」

「舞ちゃん、希ちゃん!」


抱きついてくる2人、本当に嬉しいですね。


「もう少しで超せたのに」

「危なかった…」

「雅也早すぎ」

「それは気のせいだ」

「皆さんお疲れ様です」

「悟、今年は出遅れなかったな!」

「うるせぇ!斗和…蓮もおつかれさん」

「おつかれ」


体育祭の結果、総合優勝は赤軍でした。2年A組にとってはこれが二連覇…来年も優勝すると誓い合いました。




   *   *   *




そして現在。


「2年A組2連勝を祝して、かんぱーい!」

『かんぱーい!!』


クラスでお疲れ会を行なっています、このお店クラスメイトの内山太平君のご両親が経営していて予約をしていたそうです…今日は貸し切りだそうですよ、貸し切りと言っても別の部屋にはお兄ちゃんのクラスがいるそうですけど。


「にしても驚いたよ!茉里奈ちゃんが副会長の妹だったなんて!!」

「考えてみれば苗字同じなんだよね、どうして気づかなかったんだろう」


それは皆さんに…おっと、企業秘密でした。


「雪音は知っていたんでしょう?」

「まあね。でも私が知ったのもきっかけがあったから…知らなくて当然だと思うよ?」


そうでもしなければ教えませんよ。


「もうバレたんだからメガネ外したら?」

「うーん」


任務上、恨まれる私にとっては必要なものですが…雪音がメガネを掛けていると悲しそうなので外しましょうかね。


「ん~!茉里奈は美人さんだからいいねぇ」

「ふふ、何を言っているの雪音。貴方は全てにおいて美人さんよ」


ざっくざく殺している私は性格なんて歪んでいます、雪音は性格もいいですからね…本当の美人さんは雪音だと思いますよ。


「あ、ありがとう」

「何照れてんだ雪音」

「う、うっさい!メガネを外した時の笑顔は破壊力あるのよ!茉里奈が男だったら惚れてたわ…」


どういう意味でしょう。


「…無自覚か」

「え?蓮君分かるの?」


悟君も苦笑い…え、分かっていないの私だけ?…納得はしませんが放置しましょう。


「そろっとお開きにするか」

「そうね」


もうそんな時間ですか、あっという間ですね。


「雪音は悟君と?」

「うん、満がいるからね」


満君は早苗さん達と共にお夕飯を食べているそうです、明日は休日なのでそのままお泊りするのだとか。


「茉里奈と蓮君は?」

「お兄ちゃんの方も帰るそうだから」

「俺は家近いから」


そういえばそうですね。


「そっか、じゃあまた学校で!」

「じゃあな」


2人を見送ると同時にお兄ちゃんが来ました。


「待った?」

「ううん、今雪音と悟君をお見送りしたところ」

「俺も帰る、また学校で」

「うん、じゃあね~」


確かここから5分くらい歩けば着くはず、本当に近いですね。


「あれ、メガネは?」

「バレたからもういらないと思って」

「そう」


嬉しそうですね。


「お?横にいるのが噂の妹か?」

「兄妹そろって美人だなコンチクショー!」

「はぁ、うるさいのが来た」


お兄ちゃんのクラスメイトですかね、お兄ちゃん面倒そうな顔を隠していないので親しいのが分かります。


「…はじめまして、いつも兄がお世話になっています」

「か、可愛い…」

「さ、帰るよ茉里奈」

「え、う、うん」


とりあえず先輩に礼をしてお兄ちゃんを追いかけました。



「おっかえり~」


家に帰ると何故か斗和がいました…何故。


「私が呼んだのよ」


お母さんが…ん?そういえば


「斗和のクラスもあったんじゃないの?」

「んあ~面倒いから行かなかった」


面倒いって…


「それに、今日はもうクタクタぁ~…明日休みで本当に良かった」


そう言ってソファーにグダる斗和でしたが思い出したように私に声を掛けました。


「茉里奈、明日予定ないか?」

「明日?特に無いけど」

「んじゃ、ちょいと付き合ってくれ」

「?…分かった」

「デートか?斗和」

「んー…前の学校でできた友人が明日試合なんだよ。一人で行くのはつまらないからな」

「ほう、それでついでに娘とデートか」


お父さん…それはデートと言うのでしょうか。斗和が前に通っていた学校、確か陽蘭高校でしたか…あそこは部活動が盛んでどの部も全国大会出場するほどだと聞いています。


「斗和、向こうで友達いたんだな」

「おいこら和葉俺を何だと思っているんだ」


ふぁ~あ…眠くなってきましたね。


「茉里奈、先にお風呂入ってしまいなさいな。眠いでしょう?」

「うん…入る」


その後私は夕食も軽く食べ、ベットに転がりいつのまにか眠りについていました。目を覚ませばカーテンの隙間から朝日が…今何時でしょう…7時半…斗和、何時とか言ってなかった…まあいいや、起きましょう。


「おはよう」

「おはよう…なんで斗和がいるの」

「じゃあ私達は行ってくるわね、茉里奈行くときは鍵閉めよろしく」

「うん…いってらっしゃい」


今日はお兄ちゃんも機関に行くらしく、お父さんたちと共に出勤していきました。


「お前は寝てたから分かんなかったけど、こっちに泊まったんだよ」

「ああ…だからか」


珍しいことではないので特に驚くことはありません。さて、朝ごはんを食べて着替えて…準備オッケーです。


「んじゃあ行きますか」

「久しぶりに2人だけのおでかけね」

「そうだな」


鍵を閉めて…よし、行きましょう。


「何部なの?」

「サッカー部だよ。達也…南雲達也って言うんだけどな、達也は小学校からサッカーを続けてるのさ…かなり強いぜ?」

「へぇ。陽蘭高校は部活に力を入れているものね…斗和が通っていた時はどんな生活だったの?」


機関にいる時にしか会いませんでしたからね。


「達也の他に御影と明菜っていう女子二人といたな」


私や蓮君たちのようですね。


「さて着いた…ここが陽蘭高校、今日は試合が一般開放になっているから大勢いるな…サッカーは向こうだ、御影と明菜もいるはずだから行こう」


あの斗和と仲がいいのですから面白い人なのでしょうね、楽しみです。あ、サッカー場に着きました!杉浦高校と同じくらいか少し大きいですね。


「お、いたいた」


恐らく待ち合わせ場所にしていたのでしょうね。そこにいたのは2人の女子生徒、少し茶色い髪をふわっとさせている可愛い子と真っ黒い髪をポニーテールにしている凛々しい感じの子でした。2人は斗和に気づくと手を降ってきました。


「斗和~!久しぶり!!」

「相変わらず元気だな明菜、御影も久しぶりだな」

「久しぶり、斗和」


久しぶりの出会いですね、私は後ろの方でその光景を見ていました。それにしても…本当に部活が盛んですね、ここから見てテニスコートに、恐らくあれはバドミントン部専用の体育なんでしょうね…書いてありますし。そういえば、今日はほとんどの部がこの学校で試合を行なっているそうです…もちろん杉浦高校の生徒も大会です、昨日は体育祭で疲れているのでしょうに…大変ですね。


「茉里奈!」


斗和に呼ばれ歩く。


「紹介するよ、右が森明菜で左が柊御影だ」


可愛いのが明菜ちゃん、凛々しい人が明菜ちゃんですね。


「んで、今同じ学校で幼馴染の有村茉里奈だ」

「初めまして、有村茉里奈です」

「森明菜です!茉里奈ちゃんって呼んでいい?」

「柊御影です、私もそう呼んでいいかしら?」

「はい、私も明菜ちゃんと御影ちゃんとお呼びしても?」

「大歓迎!よろしくね」

「よろしく」

「よろしくお願いします」


明菜ちゃんは見た目通り元気いっぱいな人ですね、御影ちゃんは本当に凛々しくかっこいい人です。


「あ、試合始まるよ!」

「んじゃあ行くか」


観客席に座るのと同時に試合が始まりました。


「達也頑張って~!」

「行け達也!!」


今ボールを蹴ったのが達也君ですかね。それから数分、試合は陽蘭高校が勝利で試合終了となりました。


「やった、勝った!」

「また強くなったんじゃないか?」

「毎日練習しているもの」

「練習をたくさんしたからこそ強くなるのですからね」


辛い練習でも諦めずにいれば、いつか実りますからね。


「達也この後確か帰れるんだよね?」

「そうだと聞いているけど」

「斗和と茉里奈ちゃんもこの後時間ある?」

「あるぜ?」

「はい」

「じゃあどこかでお昼食べようよ!」


そうですねぇ…お腹もすいてきましたし、という訳で私達は先ほど試合を終えた南雲達也君を待つことになりました。数分後に来た彼はいかにもスポーツ少年みたいな人ですね。


「お、来てくれたのか斗和!久しぶりだな」

「おつかれさん」

「んで、横にいるのが例の彼女か」


例の?


「初めまして、有村茉里奈です」

「南雲達也だ、よろしくな!」


悟君みたいですね…で、例とは何でしょうかね。


「例、とは?」

「斗和の婚約者なんだろ?」

「「ええぇぇ!?」」


斗和ぁ?顔を逸らさなくていいからこっち向きなさいよぉ。


「そ、そうなの!?」

「婚約者!?」

「あ、あはは…実はそうなんですよ」


私の隣を歩く斗和を睨みながら私達はレストランに入りました。メニューを見るとどれも美味しそうですね、悩みます…まぁ適当に頼みますか。

次に向かったのは明菜ちゃんの提案でゲームセンターです…奏と何回か行ったことがありますが、奏が死んでから全然行ってませんでしたね。


「茉里奈、アレやろうぜ」


斗和が指差すのは銃のゲーム…ふむふむ、敵を打ち倒すというものですか。


「全員ヘッドショットな」

「いいですよ」

「斗和はともかく茉里奈ちゃん、できんの?」


3人の視線を背にコインを入れて…スタートです。まずは一人目…どんどん増えていきますね、このゲームは足のペダルで隠れることができるので弾を避けることが出来るのが嬉しいです。


「わぁ…」

「す、すごい…」

「ヘッドショットしかしてねぇ…」


後ろでポカンと見ているのが分かりますね…ふふ。


「ねぇ斗和…3人に私の事色々話したの?」

「ん?んー…達也には婚約者としか言ってないぜ?おかげで今日は照れる茉里奈の顔が見れた」

「うふふ…この銃が本物だったら今直ぐにでも貴方の頭を打つのに」

「お前が言うと冗談に聞こえね…本当に打つなよ?」

「ふふふ、どうでしょう」


ちなみに、会話をしている最中でもヘッドショットは続いています。そして数分後、全ステージクリアの文字が…終わったようですね。


「3人とも、どうしましたか?」

「す、凄い!凄すぎるよ茉里奈ちゃん!」

「びっくりしたわ」

「斗和以外でこんなこと出来るのは茉里奈ちゃん以外いないぜ!」


そ、そうですか…とりあえずもういい時間なので帰りますかね。


「茉里奈ちゃん、今日はありがとう!」

「とても楽しかったわ」

「斗和の事頼むな!」

「はい、またお会いしましょう」


3人に手を降って私と斗和は歩き出しました。


「今日はどうだった?」

「楽しかったわ、中々面白い人達じゃない」

「だろ?」


また新たな友人ができた素敵な一日でした。









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