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私の日常・非日常  作者: 森崎優嘉
1年生
13/36

文化祭当日です

美奈子ちゃんはやはり足を骨折、4階にある1年生教室に辿り着くまでとても苦労していますがそこは団結力のいいクラスメイト…男女関係なく階段を手伝っています。

さて、ついに文化祭前日になったわけですが…どうなのでしょうかね。今日は一日文化祭準備があります…高倉小百合の動向は斗和が常に監視しています、と言っても恐らく行動するなら放課後…皆が帰宅してからやるでしょうね、むしろ私はその時を楽しみにしています。


「よし!皆、明日から3日間がんばろう!」

『おー!!』


杉浦高校の文化祭は2日間。1日目は生徒のみ、2日目と3日目は外部から大勢の人が来ます…が、3日目は午前中で終わり、午後からはなんと生徒会鬼ごっこがあります。

生徒会鬼ごっことは、風紀委員の2名が鬼となって6人の生徒会役員を捕まえるというものです。時間制限は1時間、一人でも逃げ切れれば生徒会の勝ちで全員捕まえれば風紀委員の勝ちなのですが、各クラスどちらが勝つかを予想し生徒会が勝つと予想したクラスは生き残る人数も予想しなければなりません。ちなみに鬼ですが、風紀委員長である須坂先輩は勿論なのですがもう一人…なんと私が、1年生ながら鬼を務めることにしました。去年は生徒会が、一昨年は風紀委員が勝ったようですね…校内すべてのエリアなので大変そうですが、頑張りたいと思います。


「茉里奈はこれから鬼ごっこの打ち合わせでしょう?」

「うん」

「そっか、頑張ってね」

「ありがとう、雪音。気をつけて帰ってね」

「うん、じゃあね~」


さて、誰も居なくなりましたね。


『茉里奈、こっちは準備いいぜ』

「了解」


早速隠れて…あ、良いところに来ましたね。


「ここですわ」

「思いっきりやればいいのですね?」

「えぇ」


高倉小百合の他に男子が3名、女子が2名ですね…って、あれは。


「やめて!」

「…あら、誰かと思ったらクズじゃない。どうしたのかしら?」

「ここには手を出さないで!!」

「はっ!ほんと貴方ってクズね、分家のくせに」


まさか美奈子ちゃんがいたなんて…というか、分家と言っていますが彼女は分家ではありませんよ?本家の血筋だというのに、それすらも知らないのですかね。まぁ、美奈子ちゃんのお父様である綾人さんはそのことを隠しているようですから知らないのも当然でしょうけど。


「どうせ貴方が何をしようとしてもお父様に言えばすべて消えるもの、お父様に頼ればアンタなんか直ぐにでも消せるのよ?」

「…私の事は何をしてもいい…だから、ここは何もしないで」


あ、美奈子ちゃんが思いっきり蹴られました…。


「貴方を見ていると本当に苛つくのよね…何故かしら」


椅子を手に…まさか。


「私の前から…いいえ、この世から消えてしまえばいいのにっ!」

「ッ!!」


頭の中で何かが切れる音がしました、気付いたら私は高倉小百合を思いっきり蹴っ飛ばしていました…勿論後悔などしませんけど。


「い…ッ」

「小百合さん!」

「貴様、何をする!!」


あー…うるさいですねぇ。


「貴方たちこそ、美奈子ちゃんとこのクラスに何をしようとしていたの?私はずっと見ていたわよ?貴方達…いいえ、高倉小百合がこのクラスの内装を壊そうとしていたところを。それに、美奈子ちゃんを階段から突き落とすなんて…本当のクズは貴方達なのではない?」

「貴方、誰に何かしたのか分かっていて?」

「貴方の大好きなお父様に言いつける?ふふ…本当に馬鹿でクズね!ここまで行くと哀れに思うわ」


今頃、高倉重人は絶望を味わっているでしょうね。


「き、貴様ぁ!」


私に殴りかかるなんて…


「女子を殴ろうとするなんて紳士がやることじゃないな」

「ぐッ…離せ南崎!!」

「そうよ斗和、離して。殴れないじゃない」

「だからだよ、落ち着け茉里奈」


他の2人も殴りかかろうとしますがすべて斗和が対処してしまいました。


「そこまでだ」


ようやくご登場ですか会長、須坂先輩も。


「か、会長」

「すべて見ていたぞ、言い訳はいらん。この事はすべて学校側に伝える」

「ふふ、無理ですわ。そんなことしたって」

「それが無理なのですよ、高倉小百合。貴方のお父様は先ほど当主を降ろされました」

「は?何を馬鹿な…」

「事実じゃよ」

「…な、なんでお祖父様が」


ご隠居のご登場です。


「重人を当主から降ろし、先ほど勘当した。小百合よ、お主は今から佐山の家に行ってもらうぞ」


ご隠居がそう言うと数人の男たちが現れて高倉小百合を連れて行きました、ついでに男子三名もね。廊下からは怒鳴り声が聞こえます…ざまあです。


「美奈子よ」

「お、おじいちゃん?」

「骨折しておるのだろう?椅子に座るのじゃ」


美奈子ちゃんは手伝ってもらいながら何のか椅子に座りました…困惑していますね。


「ねぇおじいちゃん…さっきのはどういうことなの?」

「綾人、お主の父親は隠しているようじゃが…お主は決して分家の子では無いのじゃよ」

「…え?」

「綾人は儂の息子じゃ」


衝撃の事実ですね。


「……え、え?…お父さんがおじいちゃんの息子っ?…おじいちゃんはお祖父ちゃんっ?」

「お主は儂の可愛い孫じゃ、小百合とは従姉妹なのじゃよ…辛い思いをさせてすまない」

「う、ううん…大丈夫」

「今度の土曜、綾人達と来て欲しい…そこで全てを話そう」

「うん…」

「もうお主をいじめる者はおらん、安心して来るのじゃぞ」

「…分かった」

「いい子じゃ」


良かったですねご隠居、ようやくはっきりと孫と言えて。ちなみに私の祖父母は父方が現在世界旅行、母方が田舎でのんびり暮らしています。


「マリ嬢、斗和坊、感謝するぞ」

「良かったな茂じい」

「佐山殿のほうは私にお任せください」


さて、驚いて私をみる美奈子ちゃんに近づいて怪我を見る。


「美奈子ちゃん、骨折ほうは大丈夫ですか?」

「う、うん…大丈夫。…茉里奈ちゃん、ありがとう」

「いえいえ。今日についてはどうかご内密に」

「う、うん」


スッキリしない顔をしていますが、仕方ないですからね。


「一応、病院に行って検査したほうがいいでしょう。貴方のお祖父様が送るそうなので、ついでに病院に行ってください…お願いしますね茂じい」

「うむ、任せるのじゃ」

「会長と須坂先輩もありがとうございました」

「いや、これでまたひとつ風紀が良くなったら嬉しい限りだ」

「中々面白かった」


普通、須坂先輩が風紀を気にするところですよね。

この後私達は茂じいと美奈子ちゃんを見送り、予定通り鬼ごっこの打ち合わせに参加しました。斗和は何故か鬼ごっこの運営側として参加しています。


「カメラ数は例年通りでいいな」

「それはすべて斗和に任せるよ」

「了解」

「衣装はどうなっているの?」

「…さあ?」


何故か鬼ごっこに参加する人はコスプレみたいに衣装を着なければなりません。そして衣装を作る人は…なんとお母さん、この前雪音と色々話し合っている姿を見かけました。


「もう少しで完成すると言っていましたよ」


マシな衣装だといいのですが…。その後、色々話し合ってだいたいの確認が出来たのでこれでお開きです。




   *   *   *




さて、ついにやって来ました文化祭当日!美奈子ちゃんは元気に登校してくれましたから無事に行うことが出来ますね!

私のクラスは前半と後半に分かれています。私は午後に委員会の見回りがあるので午前に働きます!今日は生徒のみなのであまり忙しく無さそうですね…と言ってもたくさんの人に来てもらっていますけど。


「「いらっしゃいませ、お嬢様方」」

「こちらのお席へどうぞ」


最初は女子が多かったのですが、徐々に男子も増えていっていますね。


「いらっしゃいませ、お嬢様方」


ん?あ!体育祭のリレーで一緒になった3年の三宮先輩と高崎先輩ですね。


「いらっしゃいませ」

「あ、茉里奈ちゃん!メイド服似合ってるね!」

「可愛いよ~」

「ありがとうございます。ご注文を承ります」


2人の注文を聞き、品を持っていく。


「お待たせしました、りんごパイと紅茶でございます。カップケーキは私から、リレーでお世話になったお礼です」

「え、いいの?」

「わぁ!ありがとう」


喜んでくださって何よりです。さて、忙しく動いているうちに午前の時間が終わりましたね…私は着替えて待ち合わせの場所に向かいました。


「来たね」

「お待たせしました」

「早速行こうか」


警備として学校中を回りますが…周りの視線が痛いです、そりゃそうですよね。こんな美形2人と地味なメガネ女が一緒にいるのですから。警備の腕章をしているので、ファンの方々の誤解は無いと思うのですけど…無いことを祈ります。


「どのクラスも盛大ですね」

「賞がたくさんあって、賞の獲得数と3日目の鬼ごっこの予想で順位が決まる。1位には何か景品が学校側からもらえるんだよ」

「去年は確か零のクラスだったか?」

「1年B組だったね」


へぇ、そうだったのですか…1年生でも1位が狙えるのですね。


「賞一つ一つに点数があるんだ…まぁ、一番大きいのは鬼ごっこだな」

「なるほど、賞の点数と鬼ごっこの点数で順位が決まるのですね…それはまた面倒というか面白いというか」

「こんなことするのはこの学校だけだと思うよ」


でしょうね、少なくとも私はこんなことやる学校なんて一つも知りませんから。


「去年は生徒会が勝てたけど、今年は鬼にマリがいるからなぁ…すぐ捕まえそうだよ」

「期待しているぞ」

「え、いや、私は適当にやっているので須坂先輩ががんばってくださいよ」


貴方がまともにやらないと駄目でしょう。


「お前が頑張るというのなら頑張ってやるさ」

「何ですかそれ…」


なんと…。


「一人一人の行動は斗和がすべてカメラで見えるようにすると言っていたから、下手にサボると怒られるかもね」


そうですね、主に皆さんのファンの方々が…いや、でも捕まえたら捕まえたらでマズイのでは…うわぁ、何をしても面倒な事になりそうです。今からでも棄権…


「茉里奈?(ニコッ)」

「が、ガンバリマス…」


あぁ、もうどうにでもなれです。


「まだ今日は一日目だ、楽しめ」

「そうですね…」


それから一日が経ち文化祭二日目、今日は一般公開なので来場者も多く警備の方もしっかりしなくてはいけません…ほら、どう見てもお金持ちだという感じの人々がいますよ。


「さすが一般公開…人が多いね」

「そうですね…満君は明日来るの?」

「うん、友達と行くって。鬼ごっこの方も楽しみにしてるってさ」

「…期待していただきたくないですね」


とりあえず、今日の一般公開頑張らないとですね。


「いらっしゃいませ」


ちなみに今日は保護者も来るのでお嬢様呼びは無し、だからといって夫婦とかでは無いときに失礼なので奥様などの呼び方もなしになりました。


「あ、お母さんとお父さんだ」

「え?どこどこ?」


クラスの子達は自分の親が来て少し恥ずかしそうです。


「…お母さんとお父さんにも見せてあげたかったなぁ」

「雪音…」


そうです、よね……あ、ふふ。


「雪音、ほらあそこ」

「ん?…あっ!」

「雪音のために”家族”が来てくれましたよ」


席に座ってメニュー表を見ていたのは武器班に所属し、雪音と共に仕事をしている梓さんと裕也さんです。二人とも今日は仕事を誰かに任せて来たようですね…明日は仕事の山でしょうけど。


「行ってきてください」

「う、うん!」


嬉しそうですね雪音。あら?雪音が私を手招きしていますね、行きましょうか。


「いらっしゃいませ梓さん、裕也さん」

「雪音も茉里奈もとても似合ってるじゃないの!」

「うんうん、似合ってるよ」

「ありがとうございます!あの、2人は仕事いいのですか?」

「うん、またこの後仕事に行かなきゃだけど…雪音の頑張っているところを見るために他の人に頼んできたの」

「家族の晴れ姿を見るのは当然のことだからね」


家族という言葉に雪音は嬉しそうにしています…良かった。


「い、いらっしゃいませっ」

「あれ、祐兄に梓さんじゃないっすか」

「お、斗和じゃないか」


斗和…何故来たのですか。


「さっきまで明日の準備してたんだよ。ちなみに、さっき衣装が出来たそうだ」

「明日の鬼ごっこ、見たかったな~」

「ご安心を、映像は残しておくんで」


残さなくていいですよ、寧ろ消して。


「じゃあ見るのを楽しみにしているよ」


しなくていいですよ裕也さん。

…はぁ、皆して。本当にやめて欲しいですよまったく。


「雪音、時間なので行ってきますね」

「そうだね、行ってらっしゃい」

「行ってきます」


さて、警備の時間です。と言ってもそれほど事件事故なく、無事に二日目が終了しましたけどね。

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