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リーザの父

作者: 深黎

イラスト:夜風リンドウ 様<http://6886.mitemin.net/>

「相変わらずね……」


城のテラスから町を見下ろす少女、リーザは呟く。


「これでも昔、戦争があったなんて信じられないわ……」


 彼女のいるファーレンホルスト王国は、のどかな国だ。戦争をしていたとは思えないほど平和で、これからも戦争をしないと国が誓っている。だがそれに対しての反対派もいるのだが……。


「昔といっても、そこまで昔ではないわよ」


 その声を聞いてリーザは苦笑いする。


「あら、エーフィ。分かってるわよ。でもその時に生まれてさえいなかった私……いや、私達にとっては昔のことなのよ……」


挿絵(By みてみん)


 エーフィは、リーザの幼馴染だ。小さい時から姉妹のように仲が良く、王に『国で一番の仲良し』と称されるほどだ。

リーザは今十五歳。エーフィは十七歳。戦争があったのは二十五年前。

 エーフィは戦いを生き抜いてきた父を持つ。エーフィも戦争の時には生まれていなかったが、父が戦争を経験しているとだけあって戦争の事は身近に感じているようだ。

 そのことを言えば、リーザの父も大して違わない歳だが、父は、戦争で戦っていない。

 何故なのかはリーザも、その周りの誰も知らない(と少なくともリーザは思っている)。


「何で私のお父さんは戦争を経験していないのかしら……」


「うぅん……どうなんだろうね。王様は知っているかしら……」


 誰も知らないわけがない、そうリーザは思っている。

 何処か女っぽい父に聞いても何も話してくれない。


「まぁいっか」


 結局リーザは知らないまま来ている。リーザ本人も、気になることはあってもそこまで知りたいとは思っていない。

 その時部屋の方から声がした。


「リーザさーん、お父様がお呼びですよー」


 リーザが答えようとすると、父の声が聞こえた。


「お父様はやめろ。父じゃないんだぞ」


 それを聞いたリーザはドキッとする。


「え、でも、本人はそう思っているようですし……」


「聞くたびにムズムズするんだ……」


 (え?お父さんがお父さんじゃない!?何!?何何っ!?)

リーザは訳が分からなくなる。そして、気が付くと訊いていた。


「お父さん?どうしたの?」


文字だったら(黒笑)が付きそうな笑顔でリーザは聞いていた。


「うぁっ!?聞かれていたか!?」


(聞こえてるに決まってるじゃん……かなり大きい声で話してたよ……?)

リーザはそう思いながらも落ち着いて話す。


「うん。お父さんって誰なの?」


「そうか……聞こえてたか……なら、本当のことを話すしかないな……」


 そう言うとリーザの父は深呼吸をひとつ。リーザの前に出てきた。


「俺は……いや私は……リーザの母だっ!!」


「母ァ!?」


 とリーザの叫喚。


「そうだ、母だ。リーザは、母はいないと思っていただろう?いないのは父……」


「お母さんだったの!?男装してたの!?女っぽいところがあると思ったら女だったのっ!?」


「その通り」


 リーザの父……いや母は言った。


「これで少なくとも、リーザの父が戦争で戦わなかったわけは分かったわね」


 エーフィはリーザとその母の言い合いを見ながら言った。

遅れてしまい申し訳ありません。

詰んでました;;

どうにか仕上げたので宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 企画お疲れ様です。 始まりの静かな感じから一変、ラストの展開に驚いて二度見ならぬ二度読みを……。 最後のエーフィの一言がまとめとその先を予感させる感じで良いですね!
[良い点] とても可愛らしい作品だと思いました。 開き直ったかのような「父」もといい「母」。 これから、リーザとどのように過ごしていくのかを考えると、楽しくなりました。 [一言] 読ませていただきまし…
[一言] おはようございます。ソウイチです。 企画小説の執筆、お疲れ様です。 まさかのオチにびっくりしました。 タイトルってそういう意味だったのですね。 リーザとはこれからも仲良くやっていって欲しい…
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