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一週間日誌  作者: 園原都
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三月二十二日の朝

 昨日の夜、私は真っ白い天井を眺めながらぼんやりと考えていた。

 今週も一週間、何もない、いつも通りの日常だった。

 適当に食べて、適当にやることをやって、適当に寝る。ただそれだけの毎日だった。

 生きてるだけで丸儲けという言葉もあるけど、私にはそう思えない。

 何かをしなければ生きていないのだ。ただ私には何かをしたい気力も体力もない。

 ただ生きてるだけで精一杯だ。そんな事を考えていたら、なんだか哀しくなった。

 あまりにも悲しくなってきて少しだけ涙が出たので、枕に顔をうずめて涙を隠す。どうせ誰もみていないけど、これは私の意地だ。小さな小さな意地。せめてもの抵抗だ。運命なんぞ何するものか。でも私はこのまま何もせず、何もないままきっと死んで行くのだろう。

 涙は乾いたけど、まだ眠くなかったので薄暗い部屋の天井を改めて眺めていたら、ふと誰かの言葉が頭を過ぎった。

 

 何事も計画を立てて事が大事なのです。


 そうだ、計画だ。でも何もかもが決まっている私には立てる計画などはありはしない。

 ただ日々をこうして生きているだけで精一杯の女の子なのだ。

 だからせめて妄想だけでもしてみよう。

 これからの一週間を元気に過ごすための妄想をするのだ。

 それはそれで寂しい気もするけれど、何もしないよりはきっとましだろう。

 そう決めて、私は目を閉じる。瞼の裏で今週の一週間を想像していたら、さっきまでの悲しい気持ちは何処かに消えて、私はすぐに夢の世界に落ちていった。

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